REITEN presents GANCHIKU PROJECT “Multi Sound Ambient Live Performances”
- 2019.12.14 (Sat) @ Kamigamo Shrine (Kamo-wake-ikazuchi-Jinja)
Text : Jun Fukunaga
2020.2.25
世界文化遺産の京都 “上賀茂神社”に響く珠玉のアンビエントミュージック
北大路通りを越えれば、気温が1℃下がる。これは、京都市民の間で実しやかに囁かれている都市伝説のひとつだが、その言葉通り、冬の京都らしい澄んだ空気と寒さが際立つ中、2019年12月14日(土)に京都市北区上賀茂に鎮座する「上賀茂神社」にて『REITEN presents GANCHIKU PROJECT “Multi Sound Ambient Live Performances”』が行われた。 上賀茂神社といえば、小倉百人一首に収められた和歌でも詠まれた“ならの小川”こと御手洗川が境内を流れるなど、京都市内で最も古い歴史を持つ神社であり、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている歴史的なスポット。同神社では、これまでに音楽イベントとしては、葉加瀬太郎など著名アーティストのライヴが行われてきたが、この場所で電子音楽のイベントが行われるのは今回が初。それだけに開催が発表された段階で国内の電子音楽ファンからの大きな注目を集めていた。Methods and Modulations – A Warehouse Party
- 2019.04.13 (Sat) @ 35°37'16.0"N 139°44'55.1"E
Text : Hiromi MatsubaraPhoto : Suguru Saito, Yusuke Kashiwazaki, Keisuke Kato / Red Bull Content Pool
2019.6.10
西暦2019年、東京のウェアハウスパーティー
ハウスミュージックの“ハウス”が、70年代後半から80年代前半にFrankie Knucklesがレジデントを務めたシカゴのクラブ「The Warehouse」に由来する、ということはもう言わずと知れたエピソードである。その「The Warehouse」というクラブの名前自体は、オーナーのRobert Williamsが看板を出さずにパーティーを開催していた当時に、クラブに通っていたダンサーたちが通称として“The Warehouse = 倉庫”と呼び始めたことからそのままきているという。いまダンスミュージック好きたちが共通言語として“ウェアハウスパーティー”と使い始めたのは、おそらく80年代前後だったのだろう。80年代中頃にはイギリスでもウェアハウスパーティーが開催されていたそうだが、2010年代後期を席巻するレイヴ・リヴァイバルと共に多くの若者たちが憧憬の念を抱いているのは、いわゆるセカンド・サマー・オブ・ラヴ(80年代後半)以降の“ウェアハウスレイヴ”や、倉庫や廃墟から野外に飛び出し、政治的デモにも発展した“フリーパーティー”のような気がする。そして今のシーンで言えば、イギリス・マンチェスター拠点の『The Warehouse Project』がパーティーを開催している数々の会場は、そのウェアハウスパーティーの来歴を継承しているように感じる。写真を検索して見るだけで、憧れが絶えず湧き出てくる。Organik Festival 2019
- 2019.04.26 (Fri) - 29 (Mon) @ Huting, Hualian, Taiwan
Text : Yutaro YamamuroPhoto : KAZ KIMISHITA
2019.5.29
東アジアを牽引する“Magical”なフェスティバル
台湾に拠点を置くコレクティヴ〈Smoke Machine〉は、国内はもちろん、今や世界的な注目を集める集団であることは間違いない。そして毎年、台湾・花連県で開催され、今年で8回目を迎えた『Organik Festival』(以下、Organik)は、〈Smoke Machine〉の貫いてきた精神を具現化する大きなイベントでもある。いまや世界中で大小問わず様々なフェスティバルが開催されている中で、『Organik』はある種の完全体に近い形で存在している。多くの人が”Magical”と形容するこの神秘的なフェスティバルは、見渡す限りの大自然に囲まれ、スピーカーと最低限のデコレーション、そしてネームヴァリューを問わず実力で選ばれたDJのラインナップが用意されたシンプルなものである。そして、このフェスティバルを特別にするのは、やはり『Organik』に集まる1000人程度の素晴らしいオーディエンスとのインタラクションが完璧に作用しているという事であろう。視野を完全に埋め尽くしてしまうほど目の前に広がる大きな山、完全な地平線を望める太平洋、パームツリーの歯が広がる砂浜に設置されたメインステージ、バンガローの中にある滑らかな木の床があるセカンドステージ。明るい時間はこの自然の中で南国を満喫し、夜になると誰もが内に秘める原始的な感覚を呼び覚まし、まるで太古から続く儀式のように踊る。最寄りの花蓮駅からさらに車で50分程度かかるアクセスの悪さという障害でさえも、聖域を囲う大きな壁のような役割を果たして、この3日間の出来事を特別な別世界での経験に置き換えてくれる。 さらに、『Organik』の目指すフェスティバルの世界観は、アートワークやリストバンド、そして見やすいとは言い難いタイムテーブルやエリアマップといった一連のデザインからも感じ取ることができる。そこには徹底したミニマリズムがあり、テ...READ MOREDāM-FunK – A Roller Skate Affair
- 2019.04.19 (Fri) @ Tokyo Dome Roller Skate Arena
Text : Ryo TakadaPhoto : Suguru Saito, Yasuharu Sasaki, Yusuke Kashiwazaki / Red Bull Content Pool
2019.5.16
潜在的な懐かしさと新発見が同居する不可思議な空間
4月8日から4月20日の約2週間に渡って、東京の各所で全7つのイベントが催された『Red Bull Music Festival Tokyo』。そのプログラムの一環として行なわれたのが、70年代後半〜80年代に欧米で大流行したローラースケートディスコを再現する『DāM-FunK – A Roller Skate Affair』だ。PRIMITIVE INC. 12th Anniversary MASTERS AT WORK in JAPAN – Beautiful People –
- 2018.11.18 (Sun) @ ageHa
Photo : Marisa Ueda, Arisa ShirotaText : Hiromi Matsubara
2018.12.25
美しきハウスミュージックな人々
ハウスミュージックは、体内から無限に湧き上がる喜びを踏みしめるような音楽だ。フロアにいた子供を見ればよく分かる。例えそれが周りにいた大人の真似事だったとしても、それは4/4に合わせて四方八方にステップを踏むことを真似ていたのではないことは確かだった。聴いたことも無いほど大きな音量で降り注ぐ幸福を無心になって感じ、身体の中に眠っているインスティンクトを呼び醒すこと、その行いを真似ていたように見えた。そして、どんな卓越したステップを披露する大人たちよりも、圧倒的に型にハマらない自由なダンスを見せてくれた。忘れていた感覚が奥底から浮かび上がってくるような暖かな気持ちを、おすそ分けしてもらったようだった。 2016年に10年ぶりの来日を果たして以来、3年連続で開催されている『MASTERS AT WORK in JAPAN』に、僕は初めて足を運んだ。訪れた大きな目的は、この下に続く、Marisa SudaとArisa Shirotaに写真を撮影してもらうためだった。“Masters At Work全盛期の90年代に生まれた20代が『MASTERS AT WORK in JAPAN』を体験して、パーティー中のどういう光景を美しいと思い、どのように切り取るのか”というテーマを頭の隅に起いてもらいながら、カメラを持って存分に遊び回ってもらった。Marisa Sudaはフィルムで、Arisa Shirotaはデジタルで、なるべくフロアにいる人と同じ目線で。2人とも、あの日の床の震えやスモークの香り、角膜に焼き付いたライティングの残像を想い出してしまう、絶妙な質感が漂っている。そして奇しくも、2018年のサブタイトルが「Beautiful People」だった所以が写真を見返してみてよく分かる。 正直に言って、『MASTERS AT WORK in JAP...READ MOREBACARDÍ “Over The Border” 2018
- 2018.11.05 @ Shibuya Stream Hall
Text : Arisa ShirotaPhoto : Masanori Naruse, Gaku Maeda
2018.11.22
境界線を超えた熱気の共有
2017年のローンチパーティーを経て、今年で2回目の開催となる『BACARDI “Over The Border”』。「Over The Border=既存の概念を超えた」をコンセプトに、自身のホームグラウンドのみならず、音楽とアートの分野において越境して自身の表現に挑戦し続けている国内外のアーティストたちが、2018年の秋オープンしたばかりの700人規模のイベントスペース「渋谷ストリームホール」に集結した。 近年ではKanye WestやEminem、50 Cent、Eazy-E、さらにはThe Weekndの歌詞にもその固有名詞が登場する、カリブ諸国から発祥した世界最大のラム酒ブランド〈BACARDI〉。気分を揚々とさせる、パーティーの雰囲気を盛り上げるお酒でもあり、一世紀以上に渡って世界中の様々な場面で楽しまれてきた。そもそもラム酒は、航海士や海軍の宴会には欠かせなかったサトウキビが原料の蒸留酒であり、飲んだ人々が“ランバリオン(Rumbullion=興奮、大騒ぎ)”したことがその言葉の語源になったとも言われている(諸説あり)。 今回のイベントのお供に私がいただいたのは、BACARDI COCONUTS MOJITO。ベースになっているココナッツジュースと実によく合い、口の中に広がる独特の甘くてスパイシーな香りは、これから待ち受けるその夜へのモチベーションを高めてくれた。Pioneer DJ x COTODAMA「rekordbox lyric」first showing at 渋谷音楽祭2018
- 渋谷ハチ公前特設ブース
Text : Hiromi MatsubaraPhoto : Kazuki Mita / and more
2018.10.29
DJを視覚でも愉しむ
10月20日と21日の2日間に渡り、渋谷の街の各所で様々なジャンルで趣向を凝らした音楽イべントが行われた『渋谷音楽祭2018 - SHIBUYA MUSIC SCRAMBLE 2018–』。期間中、渋谷の定番スポット“渋谷ハチ公前”ないし“東急百貨店前”には、SONYの体感型ステージ「Interactive CUBE(インタラクティヴキューブ)」が現れ、Pioneer DJ株式会社のDJ向け楽曲管理アプリケーション「rekordbox™」と株式会社COTODAMAの「Lyric Sync Technology」の共同開発で誕生した、歌詞をヴィジュアライズする新機能「rekordbox lyric」が日本初お披露目された。UNIT 14th Anniversary okadada – Open to Last –
- 2018.09.29 (Sat) @ UNIT
Photo : Asami UchidaText : Hiromi Matsubara
2018.10.18
一晩の濃密な対話
開演を告げるTempelhof & Gigi Mashinの“Corner Song”が空のフロアを満たし終える頃には、ついさっきまで会場外で待ち侘びていた人が意気揚々と流れ込んできていた。程無くして、代官山UNITのフロアを埋め尽くして、バーエリアまで溢れる数の人が集っていた。加えて、階下のSaloonには煙草とお酒を手に談笑をする人、久々に販売されたokadadaロゴTシャツを購入する人、エネルギーチャージとばかりにカレーを食べる人。どこを切り取っても、この長い一夜に対しての期待値の高さを窺い知ることができた。そして、その全てに対峙するステージ上のひとり、okadada。東京では初めてのOpen to Lastのロングセット。全てのフロアに彼のプレイが流れていて、彼の目から見えていた人も、時として見えていなかった人も、第一にプレイの動向を気に掛けていた。思い切って言い換えれば、“虜にしていた”んだと思う。僕も鳥肌が立った瞬間がいくつもあった。Brainfeeder Night in SONICMANIA 2018
- MAKUHARI MESSE / 幕張メッセ
Text : Hiromi MatsubaraPhoto : (c) SONICMANIA All Rights ReservedSpecial thanks : EUREKA (Negative Cloud)
2018.8.29
絶えず、インパクトのある話題とリリース、そしてFlying Lotusのマインドに実直と言える型破りな進化を遂げ続けてきた〈Brainfeeder〉も今年で10周年。Flying Lotusが〈Warp〉からの一発目『Reset EP』で衝撃的な登場をした、あの日のことを未だ鮮明に覚えている方も多いはず。ちなみに筆者はFlying Lotusが現れた当時、背伸びして洋楽雑誌を読み漁り、少しでも多くLA発のビートミュージックを聴いてみたいとネットでディグして、SamiyamやRas Gのビート集をiTunesで聴いていた中学生だった。今年の『SONICMANIA』にいた現在20代半ばから後半の人にとっては、〈Brainfeeder〉はそういう思い出を彩るレーベルの代表格なのではないだろうか。あれからもう10年が経ったとは未だ俄かに信じ難い……。しかし〈Brainfeeder〉はあの当時からずーっと面白い。“兄弟!”と呼び合うFlying LotusとThundercat始めアーティスト同士の家族のような親密な関係性と、ボーダーレスに、どんどんドープになっていく音楽性。今年はと言えば、Ross From Friendsの〈Brainfeeder〉ファミリー入りは本当に驚きだった。
意気揚々と『SONICMANIA』に遊びに行く、現在の大学生世代の20代前半の人たちにとってみれば、〈Brainfeeder〉が始動した時は小学生ぐらいだったと思うが、彼らにとって〈Brainfeeder〉はどういうレーベルなんだろうか。先日、青山の某DJバーで会った年下の友人で、大学生ながら都内でパーティーを主催している超若手DJのEUREKAくんが「『SONICMANIA』に行ってきたんですよ!」と話してくれたので、『Brainfeeder Night in SONICMANIA...READ MORE
Rainbow Disco Club 2017
- 2017.05.03(Wed) - 05(Fri ) @ Higashi izu Cross Country Course
Text : Kenjiro HiraiPhoto : Jiroken, Ken Kawamura, Masanori Naruse
2018.4.19