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Report

Brainfeeder Night in SONICMANIA 2018

  • MAKUHARI MESSE / 幕張メッセ
  • Text : Hiromi MatsubaraPhoto : (c) SONICMANIA All Rights ReservedSpecial thanks : EUREKA (Negative Cloud)

  • 2018.8.29

  • 3/30 追加

絶えず、インパクトのある話題とリリース、そしてFlying Lotusのマインドに実直と言える型破りな進化を遂げ続けてきた〈Brainfeeder〉も今年で10周年。Flying Lotusが〈Warp〉からの一発目『Reset EP』で衝撃的な登場をした、あの日のことを未だ鮮明に覚えている方も多いはず。ちなみに筆者はFlying Lotusが現れた当時、背伸びして洋楽雑誌を読み漁り、少しでも多くLA発のビートミュージックを聴いてみたいとネットでディグして、SamiyamやRas Gのビート集をiTunesで聴いていた中学生だった。今年の『SONICMANIA』にいた現在20代半ばから後半の人にとっては、〈Brainfeeder〉はそういう思い出を彩るレーベルの代表格なのではないだろうか。あれからもう10年が経ったとは未だ俄かに信じ難い……。しかし〈Brainfeeder〉はあの当時からずーっと面白い。“兄弟!”と呼び合うFlying LotusとThundercat始めアーティスト同士の家族のような親密な関係性と、ボーダーレスに、どんどんドープになっていく音楽性。今年はと言えば、Ross From Friendsの〈Brainfeeder〉ファミリー入りは本当に驚きだった。

 

意気揚々と『SONICMANIA』に遊びに行く、現在の大学生世代の20代前半の人たちにとってみれば、〈Brainfeeder〉が始動した時は小学生ぐらいだったと思うが、彼らにとって〈Brainfeeder〉はどういうレーベルなんだろうか。先日、青山の某DJバーで会った年下の友人で、大学生ながら都内でパーティーを主催している超若手DJのEUREKAくんが「『SONICMANIA』に行ってきたんですよ!」と話してくれたので、『Brainfeeder Night in SONICMANIA 2018』(以下、『Brainfeeder Night』)の様子を詳しく聞いてみることにした次第だ。

『SONICMANIA 2018』の会場最大規模のステージにはNine Inch NailsやMy Bloody Valentineなどが、別のステージにはMarshmelloやClean Banditなどが出演していた中で、会場内の『Brainfeeder Night』に対する注目度はEUREKAくんにはどのように映ったのか。

「オープン直後はお客さんもまばらでしたが、トップバッターのDorian Concept、その前のJameszooの後半あたりではもう会場の 8割は埋まっていました。彼らを含め、最新の曲や人気のある曲での盛り上がりは十分ありましたし、例えコアな曲だとしても最前列付近に集まっている〈Brainfeeder〉ファンの人たちがリアクションしていたので、どのアーティストもステージで存分に表現できていたと思います。客層は20代後半から 30代後半くらいの、大人な方々が多い印象でしたね。『SONICMANIA』のイベント柄なのか、ファッション感度も高い人が多くて、みんなお洒落でした。George Clinton & Parliament Funkadelicがライヴをしている時に、自分の前に50代後半から60代前半ぐらいの 3人のおじさま方がいたのにもびっくりしました」

 

〈Brainfeeder〉の発展において必要不可欠なストーリーと言えば、クラシカルなジャズを参照して生まれた現代のジャズとファンクのアーティストを積極的に輩出したこと ──2010年以降のビートミュージック/ヒップホップやエレクトロニックミュージックにおいて顕著に耳を刺激するようになったジャズやファンクの新たなDNAを、現行の文脈で産出して流し込んだのは、間違いなく〈Brainfeeder〉ファミリーの仕業であり、Flying Lotusの手掛けた脚本である。そして今年の『Brainfeeder Night』には、2016年に〈Brainfeeder〉と契約を果たし、一大ファミリーのビッグダディとなったGeorge Clintonが、引退前最後の来日ライヴの可能性を含んでの登場ということもあり、「『Brainfeeder Night』出演アーティストの中でも特に人気があったのは、やはりGeorge Clinton & Parliament Funkadelicと、日本でもお馴染みなFlying LotusとThundercatの 3組でしたね」とEUREKAくんは言う。

EUREKAくんの『Brainfeeder Night』におけるベストアクトの1組もGeorge Clinton & Parliament Funkadelicだったそうだ。

「僕にとって人生で初めて見るファンクアーティストのライヴで、全てが新鮮でした。一音目が鳴った瞬間から徐々にグルーヴが形成されて、積み上げられていって、最後にはそれが爆発したようなライヴでしたね。渋くファンクやソウルが中心かと思いきや、グルーヴがヒップホップやR&Bにもなだれ込んでいって、本当幅広いパフォーマンスでした。でも自分含め、George Clinton & Parliament Funkadelicのライヴのノリに慣れていない人が多くて、一緒に歌おうとしていてくれていたのに歌えなかったりしたのが少し残念でしたけど、70代とは思えないエナジーで、“ジャンプしろ!”、“声を出せ!”、“しゃがめ!”などのお客さんを煽るような指示も結構多くて、今年の『FUJIROCK』でのN.E.R.Dや『Summer Sonic』でのChance The Rapperがヒップホップの乗り方をお客さんにちゃんとレクチャーしながらライヴをしてくれたのと同様なライヴだったと思います。初めて見た人でも楽しめたんじゃないでしょうか」

その一方で、2013年以降に急激な興隆を見せている「ローファイハウス/サンプリングハウス」における台風の目のような存在のRoss From Friendsは、年齢の近さから親近感や共感が生まれ易いことから、ダンスミュージック好きの20代前半世代がいま最も刺激を受けている目標となるアーティスト/DJと言える。EUREKAくんにとってはDJをする際にトラックを使っているアーティストということもあって、事前から特別な期待を寄せていたアクトだったそう。

「ひとりひとりがとても楽しそうに演奏していて、近所の仲の良いオタク友達3人が集まって楽しく音楽をやっているような雰囲気もあって、聴いているこっちもどんどん気分がノせられていきましたね。終始ローファイで、ミニマルな感じで、Ross From Friendsの元からの印象がとても出ていて良かったと思います。彼らのヒットトラック“Talk To Me You’ll Understand”をプレイしている瞬間とか、深夜から朝方にかけて聴くのにとても心地良かったですね。日本デビューにして大きな会場でのライヴセットでしたし、彼らの出番が最後だったこともあって最初はスカスカだったんですけど、終盤に向かうに連れてどんどんフロアも埋まっていったのも驚きでした。余計に今後あるであろう、クラブでのパフォーマンスにも期待できました」

そしてやはり、当日の会場に足を運ぶことができなかった筆者としては、『Brainfeeder Night』が本邦初披露されたFlying Lotusの最新3Dライヴが気になるところだ。過去にも三面スクリーンを用いた「Layer 3」や、立方体スクリーン「Hyper Cube」の中心に入り映像を纏っているような魅せるなど、刺激的なパフォーマンスで世界中のオーディエンスの度肝を抜いてきたFlying Lotusの新領域は言わずもがな『Brainfeeder Night』の1番の注目ポイントであった。Flying Lotusのライヴを初めて見たというEUREKAくんは「正直圧巻でした。VJが 2Dから 3Dに変わるだけでこんなにも衝撃の差が激しいのかと……」切り出す。言葉にして詳述したくても、それを全くさせてもらえないほどの衝撃があるであろうことは、過去のライヴを見ていれば分かる。

「……映像と音の大洪水でした。3Dによって、自分がその世界の中にいるような感覚になりました。ライヴの時は、目を瞑ったりして音に集中して聴くこともあるんですけど、視覚と聴覚が同時に刺激されて寧ろ、音への入り込み方が尋常じゃなかったです。本当に目の前に音も映像も溢れかえって、ちゃんと聴く、ちゃんと見ることに必死でした。選曲も素晴らしくて、個人的には『Twin Peaks』から『攻殻機動隊』に繋いでいった瞬間に胸を鷲掴みにされました。3Dの演出がそういう選曲にもがっちりはまっていて、まるで一本の映画を見ているようで……。全く新しい音楽の在り方みたいなものを体感しました」

 

今回の『Brainfeeder Night』の模様を教えてくれたEUREKAくんは、Flying LotusやThundercat、George Clintonは元から知っていたが、〈Brainfeeder〉というレーベルそのものを知ったのは最近だったそう。しかし『Brainfeeder Night』での各アーティストのパフォーマンスを体感して、「話題性だけでなく、しっかりと若手にとってもベテランにとっても〈Brainfeeder〉に所属することで新しいことを打ち出していけるということ、それを根幹から支えるFlying Lotusの音楽に対する真摯さのようなものを感じました」と語る。僅か一夜で〈Brainfeeder〉イズムの虜となったようだ。

「〈Brainfeeder〉は、Ross From Friendsのようにしっかりと実力のある若手アーティストもピックアップしていて、若い自分の立場からすると、ちゃんと音楽制作に向き合っていけば、いつか目に留まるのかもしれないと思いますよね。チャンスの幅が広がるなとも感じました。若い芽をしっかりピックアップしていくレーベルの姿勢も素晴らしいなと感銘を受けます。今後とも引き続きマストチェックなレーベルになりました!」


『BRAINFEEDER NIGHT Tシャツの受注生産販売が受付中!』

Gallery X  BY PARCOでのポップアップショップと『SONICMANIA』の会場で販売され、あっと言う間にソールドアウトした人気の「BRAINFEEDER NIGHT Tシャツ」が、オンラインでの受注生産販売されることが決定。

 

Brainfeeder x T

 

ポップアップショップと『SONICMANIA 2018』会場で販売されたものの、あまりの人気で完売となってしまった「BRAINFEEDER NIGHT Tシャツ」を受注生産で再販売。価格は3500円(+税)で、予約の受付は8月24日から9月9日(日)まで行われ、9月末より発送開始される(※受注状況により発送日が前後する場合がございます。ご了承ください)。

受注は以下のリンクから。さらに残りわずかとなったその他の〈Brainfeeder〉10周年記念グッズもオンラインで販売開始となっているので要チェックだ。 

http://www.beatink.com/products/list.php?category_id=2

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