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PRIMITIVE INC. 12th Anniversary MASTERS AT WORK in JAPAN – Beautiful People –

  • 2018.11.18 (Sun) @ ageHa
  • Photo : Marisa Ueda, Arisa ShirotaText : Hiromi Matsubara

  • 2018.12.25

  • 9/10
  • 2/1 追加
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美しきハウスミュージックな人々

ハウスミュージックは、体内から無限に湧き上がる喜びを踏みしめるような音楽だ。フロアにいた子供を見ればよく分かる。例えそれが周りにいた大人の真似事だったとしても、それは4/4に合わせて四方八方にステップを踏むことを真似ていたのではないことは確かだった。聴いたことも無いほど大きな音量で降り注ぐ幸福を無心になって感じ、身体の中に眠っているインスティンクトを呼び醒すこと、その行いを真似ていたように見えた。そして、どんな卓越したステップを披露する大人たちよりも、圧倒的に型にハマらない自由なダンスを見せてくれた。忘れていた感覚が奥底から浮かび上がってくるような暖かな気持ちを、おすそ分けしてもらったようだった。

 

2016年に10年ぶりの来日を果たして以来、3年連続で開催されている『MASTERS AT WORK in JAPAN』に、僕は初めて足を運んだ。訪れた大きな目的は、この下に続く、Marisa SudaとArisa Shirotaに写真を撮影してもらうためだった。“Masters At Work全盛期の90年代に生まれた20代が『MASTERS AT WORK in JAPAN』を体験して、パーティー中のどういう光景を美しいと思い、どのように切り取るのか”というテーマを頭の隅に起いてもらいながら、カメラを持って存分に遊び回ってもらった。Marisa Sudaはフィルムで、Arisa Shirotaはデジタルで、なるべくフロアにいる人と同じ目線で。2人とも、あの日の床の震えやスモークの香り、角膜に焼き付いたライティングの残像を想い出してしまう、絶妙な質感が漂っている。そして奇しくも、2018年のサブタイトルが「Beautiful People」だった所以が写真を見返してみてよく分かる。

 

正直に言って、『MASTERS AT WORK in JAPAN』は他に類を見ないパーティーだと思う。まずはパーティーの高いクオリティを支えている二本柱、思い思いにハウスダンスをしている人々がいつの間にか自然とサークルになってしまうパーティー全体のピースフルな雰囲気と、一端の親ぐらいの年齢になって、少しばかりクラブから離れていたMasters At Work全盛期体験世代が、子供を連れてもageHaのフロアに帰ってき易い高水準なホスピタリティとのバランス感が素晴らしい。それでもって、何の気なしに親と一緒にやってきた子供がフロアで無邪気に踊っていたら、他人でも思わずグッときてしまって仕方がない。こんなに気持ちの良い原体験ができるなんて羨ましい限りだ。Masters At Workの2人を始めとする国内DJ陣のアップリフティングなプレイ、会場を行き交うメロディックなトラックやクラシックスによるものだけでは決して無く、期せずしてフロアに訪れる視覚的にエモーショナルな気分になってしまう瞬間も、このパーティーでは保証されている。ラインナップと相乗効果を生み出すハウスな人々の集い。日曜日のデイパーティーとしては実に理想的で、前日の明け方まで遊んでいたとしても、仮にMasters At Workをよく知らなくても、新木場まで足を運んでみる理由は山ほどある。それもこれも、ハウスミュージックのパーティーをクラブレベルから12年間も作り続けてきた、PRIMITIVE INC.だから成せることだとも思える一日だった。

Marisa Suda

 

 

Arisa Shirota

Pioneer DJ

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