HigherFrequency ハイヤーフリケンシー

Melting Point

INTERVIEW

Face to the World Situation: Melting Point

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

ダンスフロアで問題への無関心を溶かす

2018年、Ben UFOによるSNSのポストによってダンスミュージック・シーンで起こった社会的運動として記憶に新しい「#DJsForPalestine」。イスラエル政府がパレスチナを不法に占領/占拠し、同年7月にイスラエル国会で可決された「ユダヤ人国家法」によってパレスチナ人の人権を侵害しようとする動きを受けて、世界的に活躍するアーティストたちが次々と、そのハッシュタグと共に自身のアーティストとしてのパレスチナとイスラエルの政治状況に対するスタンスをインターネットで共有した。それは、イスラエルで行われるDJギグをキャンセルし、イスラエルとの文化的関わりを拒否しようとする動きであり、ダンスミュージックにおけるBDS運動(※ ボイコット・投資引き上げ・制裁をすることで非暴力的な圧力をかける運動)のトピックについての論争を生んだ。そして同年9月には、ベルリンのクラブ ://about blankが、「#DJsForPalestine」に参加したベルリンのプロモーター・パーティー『Room 4 Resistance』とレーベル〈cómeme〉による同クラブにて開催予定であったパーティーをキャンセルし、クラブとプロモーターのそれぞれが政治的スタンスに関するステイトメントを出すに至った。   そんな2018年を締めくくり、そして2019年の幕開けを迎える夜に、アメリカはニューヨークでも同様に、ダンスミュージック・シーンでの政治的メッセージを含む動きが見られた。その一晩で、パー ... READ MORE

ENTER

Simple Symmetry

INTERVIEW

Budding Groove: Simple Symmetry

  • Text & Interview : Shigeru Tamaru (Huit Etoiles), FLEDtokyo (Tu.uT.Tu. / Test Press Tuesday)

  • 2019.4.19

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

モスクワから湧き立つ現実逃避への情熱

僕たち『Huit Etoiles』は、世界的には人気のあるニューディスコ(Nu Disco)を、海外と遜色無く東京クラブシーンに根付かせるために5年前から活動を始めました。当時はリエディットが人気がありましたが、段々とその中心が変わりつつあるのを、レコードであったり、アーティストであったり、自分達が海外へ行って経験する事で少しずつ感じ取り、アウトプットしてきました。 いま自分たちが居る場所は“モダンエスニック”と言われていたり、“オルタナティヴ・ハウス”と言われていたりしますが、Red AxesやMoscomanに代表される音楽に魅力を感じています(オルタナティヴ・ハウスも、ニューディスコ同様に非常に幅広く、曖昧な言葉ではあります)。 今回、4月20日(土)にVENTで開催するパーティーは『Huit Etoiles』の5周年という事で、その中でもいま一番、自分たちにとって非常に魅力的であり、世界的には人気がありながら、日本未踏のアーティスを紹介したいと思い、ロシア発のライジングスターデュオである、Simple Symmetryをブッキングしました。   彼らはインタヴュー本文中にあるように、前述のMoscomanのレーベル〈Disco Halal〉からのリリースをキッカケとして人気が出たのですが、その中でも僕たちのお気に入りは沢山あって、2017年リリースの『Plane Goes East』というEPに収録されている“Voodoo Your Ex”であったり、イスラ ... READ MORE

ENTER

Jaxx Madicine

INTERVIEW

Budding Groove: Jaxx Madicine

  • Text & Interview : Midori AoyamaTranslation : Ayami KageyamaPhoto : Ki Yuu

  • 2019.3.7

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

ミラノが生んだ奇跡のトリオ

イタリアはロンバルディア州の州都ミラノ。“ファッションの聖地”として世界中から多くのファッショニスタやデザイナー、そしてアートや文化の感度が高い人が集まるヨーロッパの主要都市。しかし、音楽となるとどうだろうか? かつて“イタロ・ハウス / ディスコ”という形で誘惑的なイタリアの音楽が日本にも入ってきたが、ことシーンで言うならば、イタリア、そしてミラノのダンスミュージック・シーンは今だに謎に包まれている印象だ。   しかし、近年は「Tunnel」、「Volt Club」、そして「Santeria」など海外から数々のトップアーティストを招聘するクラブやライヴハウスが増え、NTSやRed Light Radioに続くように、ここミラノでもローカルラジオ「Radio Raheem」が誕生。ミラノの外でも過去にSoichi Teradaがプレイした『Fat Fat Fat Festival』がヨーロッパの主要フェスに名を連ね、昨年はナポリ出身のデュオ、Nu Guienaがアルバムでスマッシュヒットを飛ばすなど、ミラノに限らずイタリア全土が熱を帯びている。   2017年の夏。僕はJaxx Madicineに会いにミラノを訪れた。ミラノに向かう前、ロンドンでとあるDJに「ミラノに一体何があるんだい?」と言われたのも印象的だった。そう、ヨーロッパのダンスミュージックシーンから見てもここは“何も無かった街”なのだ。だが、ローカルな雰囲気が漂う古い町並みに、ゴミだらけの ... READ MORE

ENTER

legowelt

INTERVIEW

Between the Studio and Booth: Legowelt

  • Text & Interview : Hiromi MatsubaraPhoto : Atsushi Harada PhotographySpecial Thanks : KEWL

  • 2018.12.19

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

唯一無二のメタフィジカル・ミュージシャン

Legoweltというのは、Danny Wolfersによる監督の元で創造される、ウェストコーストじみたレトロフューチャーな世界の主人公だ。 10代でエレクトロニックミュージックにのめり込んでから現在に至るまでのWolfersを最も体現している化身とも言えるだろう。持ち味は、生々しい質感のアシッドを使い熟しながら、デトロイトとシカゴを往来して、テクノからエレクトロ、レフトフィールド・ハウスへと探求を突き詰めてきたことである。   その一方で、Wolfersは20年近いキャリアの中で幾度も強烈なオルター・エゴを生み出しては、Legoweltから漏出してしまった自らを投影してきた。2016年に〈Dekmantel〉からその姿を現したことも記憶に新しいOccult Orientated Crimeや、ポーランドのコラージュアーティストと同名のFranz Falckenhaus、ダウンテンポやニューエイジ混じりのSaab KnutsonやNomad Ninjaにおいては、Legoweltの未来を模索するWolfersの気紛れな感情のアップダウンをドローンやアンビエントのスタイルによって映し出している。Calimex Mental Implant Corp.やUfocusにおいては抒情的なメロディーワークをプロト・イタロハウス/ディスコ的な電子音楽の中で昇華した、少しばかり陽気なWolfersを垣間見ることができる。Danny Wolfersという名義に至っては、レトロフュ ... READ MORE

ENTER

Ross From Friends

INTERVIEW

Ross From Friends

  • Text, Interview & Photo : Hiromi MatsubaraTranslate : Arisa Shirota

  • 2018.11.16

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

僕たちが憧れている“レイヴ”ってなんだっけ?

2018年現在、ローファイ・ハウス/テクノはあっと言う間に“ポスト”のタームに入ってしまった。フロアで聴いていれば気持ち良いけど、あの頃のようなリヴァイバルの大波が押し寄せてくる胸の高鳴りも新鮮味さえも、もはや無いに等しい。分かっていたことだけど、ローファイであることは単にアーティストの制作環境であって、聴く側からしてみれば“アナログ機材が好きで使ってるんだな”というひとつの在り方の認識になっている。ただ、シンセ、ドラムマシン、サンプラー、異なるベクトルで存在する制限下の極限を突き詰めた上で、かけ算を試し続けているLegoweltやSteve Summers、Palmbomen IIのようなアーティストは圧倒的に素晴らしい。この5月に来日して何ヶ所かでアナログ機材のみのライヴセットを披露していた、〈L.I.E.S.〉からのリリースで知られる、NGLYのパフォーマンス中の手捌きないし指捌きは傑出していて感動的ですらあった。   思い返せば、ローファイ・ムーヴメントの源流である〈L.I.E.S.〉や、一端を担っていた〈The Trilogy Tapes〉の話題で各所が完全に盛り上がっていたのは大体5〜6年前だった。気が付けば、いつの間にか話題の中心は〈Lobster Theremin〉や〈Shall Not Fade〉、Mall Grab、DJ Boringの“Winona”と移っていき、そこにはRoss From Friendsもいた。 リリースされたのはまだ2年前 ... READ MORE

ENTER

umfang

INTERVIEW

Umfang

  • Text & Interview : Arisa ShirotaSpecial thanks : Shimpei Kaiho (WWW)

  • 2018.11.16

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

テクノ・フェミニズム

1960年代から数十年間、NYは文化的全盛期と言われていた。1970年代にNYに集まっていた移民たちが、ブレイクビーツを編集して作った音楽を自分たちのパーティーでプレイし、そこに乗せた言詞がラップとなり、ヒップホップが生まれたのである。新しい潮流が次々と生み出されるNYは世界的に見ても特別な場所だった。しかし今では、年々ジェントリフィケーションが進み、LAやカナダやヨーロッパの諸都市へと、刺激を求める若者が流出している。それもそのはず。2010年から2018年の間にNYCの家賃は30%も上昇し、健康保険もあってないようなものだし、アメリカの雇用率は概ね低下の一途を辿る。 しかし、そんなNYに住むことを敢えて選ぶ若者たちがいる。そして彼らは、かつてNYを特別な場所にした若者たちと同じように、そこにしかない、何か新しいものが生まれそうな熱量を追い求めている。インターネットの出現、進化し続けるテクノロジー、収集のつかなくなっている政治状況などを踏まえて環境を考えたとき、現在のアンダーグランドは、過去にあったそれではなく、全く新しい時代を迎えているのかもしれない。UmfangことEmma Burgess-Olsonもまだ見ぬ刺激を追い求め、2010年にカンザスシティからNYへと引っ越した若者のひとりである。   NYでDiscwomanが結成されたのは2014年。Frankie Decaiza Hutchinson、Emma Burgess-Olson(Umfang)、C ... READ MORE

ENTER

Baba Stiltz

INTERVIEW

Baba Stiltz

  • Text & Interview : Hiromi Matsubara

  • 2018.10.10

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

僕は僕 ── 真摯な表現者

なにも突然現れたわけではない。そのひとつひとつがあまりに衝撃的な親密さだった、という話である。多民族国のスウェーデン、北欧の水都であるストックホルムから現れた、無国籍感漂う貴公子のような出で立ちの人。その名はBaba Stiltz。 〈Ramp Recordings〉や〈Flogsta Danshall〉のコンピレーションに参加していたMrs. Qeadaという前名義期を含めて見ても、Baba Stiltzは着実にステップアップを重ねてきた。いい加減もう食傷気味になってきたロウハウス(サンプリングハウス)に限らず、激動の2010年代の帯に刻まれたあらゆる時節に深く干渉することなく、何処と無く、隙間をすり抜けるようにして。いくつかの自身のミュージックヴィデオで見せている、身の熟し柔らかなダンスの動きのまま、するりするりと。   時に気怠そうに見えてしまう程、如何にも自然体で、決して奇をてらった訳でもなく、至って自分自身に誠実な人。そのままマイペースで在って欲しいと願うほどに繊細な波動で身体に流れ込む音楽と、リリックが纏っている思わず惑わされる葛藤の匂いが魅力的で仕方ないのは、Baba Stiltzのアーティスト性よりも人間味がよく表出している証拠だと思う。今になって考え直してみると、ブレークスルーの火種になった2014年のアルバム『Total』は、若干20歳の気鋭がサイケデリックでアトモスフィアリックなハウスに実験的なアプローチを意図的に詰め込んだ作品だったのではな ... READ MORE

ENTER

CEM

INTERVIEW

World Residents: CEM

  • Text & Interview : Yuko Asanuma

  • 2018.9.12

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

やりたいことをやればいい。何でも許されるが、やらなければいけないことは何一つない

ここ数年、若干の停滞が感じられるようになっていたベルリンのテクノ・シーン。そこに破竹の勢いで台頭してきた新勢力と言って間違いないのが、『Herrensauna』である。ノイケルン地区の名もない薄汚い地下室で始まったこのマンスリー・イベントは、インパクトのある名前(Herrensaunaは“男性サウナ”という意味)とアートワーク、そして何より体験者の口コミによって瞬く間に噂が広がり、ゲイ/クイアー・コミュニティーだけでなく、遊び慣れたテクノ・ヘッズやファッショニスタ、DJたちも引きつけ、街で最もホットなテクノ・パーティーとなった。   ややテクノに飽き気味で、あまり積極的に新しいパーティーをチェックする気分でなかった筆者に、一昨年の末頃から複数の友人が「だまされたと思って『Herrensauna』に一回行ってみろ」と耳打ちしてくるので、やっと重い腰を上げたのが昨年の5月。「今からシークレット・ゲストで(筆者の好きな)DVS1がやるから今すぐ来い!」というSMSが来たのが日曜の午後4時頃だっただろうか。そんなに言うなら……と渋々と徒歩圏の普段全く行かない会場に散歩がてら行ってみると、エントランスではもう満員で入れないと一度入場を断られた。中にいる友人に連絡すると、だいぶヨレた感じで迎えに来てくれて入場できた。中庭にはほぼ全員がモノトーンの、半裸/スポーティー/ゴスな出で立ちの、既に遊び切った様子のレイヴァーたちが何十人もたむろっていた。早い時間にThe Empire L ... READ MORE

ENTER

INTERVIEW

Daniel Avery

  • Text & Interview : Hiromi Matsubara

  • 2018.4.20

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

安静から覚醒への流れ、その狭間

DJスケジュールに「All Night Long」という言葉が驚くほど並んでいるのは、Daniel Averyが唯一だろう。2日連続もあれば、3日間の滞在で2回のスケジュールもあって、とにかくそのペースが驚異的なわけだが、衝撃の余韻を通り越しかけている次の瞬間にはもう、性格に合っているんだろうな、という心底の感心と言うべきか無性に温かな気持ちになる。勿論、これほどにオファーが殺到する状況にまで自身を磨き上げたDaniel Averyの誠実さに対してもだ。しかし今やロングセットが彼にとっていかにフラットな行いであるかを、シンプルかつ丁寧に説明してくれたというのが、これからの対話である。   DJに関する話題でも、最新アルバム『Song for Alpha』に関する話題でも、彼が口にする言葉は大して変わらない。それは双方を構成するものが今となって彼の中で共通しているからである。最終的には、自己の世界への没入によって分割した愛情が音楽によって纏め、相乗効果を起こし、瞑想状態を遥かに上回る没入の快感へと導くこと。そのためには「エナジー(Energy)」と「フロウ(Flow)」を崩さないことが重要であること。彼が説明に用いる「テクノ(Techno)」と「アンビエント(Ambient)」は、時折、其のジャンル(様式)を言い表しているというよりも、ダンスフロアにおける「ヒプノティック(Hypnotic)」を認識するための共通要素として、より概念的な用いられ方をしているように聞こえ ... READ MORE

ENTER

INTERVIEW

Opal Sunn

  • Text & Interview : Hiromi Matsubara

  • 2018.1.25

  • 2/1 追加
  • 2/1 追加

遠く離れた惑星から、ダンスフロアへ

"春の温かさが満開になる幾分か前、まだ遠く冷たい太陽が Planet Sundaeに明日への影を示す頃、そして Al Kassianの "Diamonds of Jupiter"が依然として惑星の軌道上を進むその時、我々は2017年の行き先を遠く離れた星座に定めた。 私たちは Opal SunnのデビューダブルEPの1作目を親愛なるあなた方に紹介出来る事を誇りに思います。Hiroaki OBAと Al Kassianのこの作品は2015年から2016年にベルリンで録音され、日々の激しい光とダンスフロアでの突風との境目を率直に目指したものです。" ーー『 Ⅰ (Part 1) 』プレスリリースより   〈Planet Sundae〉からのプレスリリースに記載されている作品紹介は、ポエム調の超短編物語のように読むことができて面白い。〈Planet Sundae〉のカタログナンバー1、Al KassianのEP『Diamonds on Jupiter』のを読むと、これがOpal Sunnに限ったプロモーションスタイルではなさそうなことがわかる。そして、アーティスト本人ではない第三者の目線から語られていく、地球上には存在しないであろう情景描写と、それに伴う思惑や決断については、レーベルがカタログを重ねる毎に展開していく連続性を感じることができる。しかし、英語の原文でもその和訳でも、何を言い表しているのか解らない部分はとにかく解らない。と言うか、ほとんどがよく解らない。意 ... READ MORE

ENTER

Pioneer DJ

COPYRIGHT © 2015 HigherFrequency ALL RIGHTS RESERVED.