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Lorenzo Senni

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Lorenzo Senniが新作アルバム『Scacco Matto』を4月末に〈Warp Records〉からリリース

  • 2020.3.4

トランス〜レイヴを解体した前衛的なサウンドを生み出し続けるイタリア・ミラノ拠点の電子音楽アーティスト、Lorenzo Senniが新作アルバム『Scacco Matto』を4月24日に〈Warp Records〉からリリースする。

 

〈Warp〉からの初リリースとなったEP『Persona』から4年、Lorenzo Senniはミラノを拠点としながら、ロンドンのTate Modern、パリのCentre Pompidou、『Venice Biennale 2019』など様々な場所で展示やパフォーマンスを行い、芸術分野を探究するアーティストとして活動を行ってきた。さらに自身が率いるレーベル〈Presto!?〉を通じては、日本人コンポーザーのTasho Ishiによる作品『Dentsu2060』をリリースしたほか、Donato Dozzyのサウンドインスタレーションを編集したアルバムガバ〜ハードコア〜レイヴのネオタームを突き進むGabber Eleganzaのデビュー作を手掛けるなど、シーンのトピックを生み出し続けてきた。

 

 

4月にリリースされる最新作『Scacco Matto』では、Lorenzo Senni独自の“点描”の技法が用いられている。制限を加えられ張りつめたサウンドは、ドラム抜きのリズムとメロディーが主体となり、その中で本作は楽曲としての構造がより鮮明になっている。こうした大胆なサウンドを提示しながら、彼はトランスミュージックを巧みに操り、予期せぬサウンドを発生させ、新しい音楽形態を作り出している。トランス、レイヴ、ポップ、さらにはクラシックから参照された様々な要素は、デジタル化され、まるでベンディドット(Ben-Day Dots。※水玉模様の大きさや密度によって、様々な色合いや濃淡を表現する技法で、限られた色数でも表現できることから印刷技術などに用いられる)で描いたような世界を構成している。

 

Lorenzo自身が、「アルバムタイトルは、イタリア語で『チェックメイト』を意味していて、それぞれのトラックには必ず“対戦相手”が存在する ── 言うなれば、僕は自分自身とチェスをプレイしているようなものだ。楽曲が適切と思える形になるよう真剣に取り組んだ上で、そこから都合よく別のアプローチに切り替えた。『Quantum Jelly』以後、温めてきたアイデアをどこまで押し進められるか確かめたかった。それを実行するためには、自分で制限と規則を課す必要があったんだ」と語るように、レコーディングに臨むに当たって、常に自分自身が直前に打った手、すなわち“対戦相手”と相反する行動を取った。そして“対戦相手”に立ち向かわなければならないという障害があることで工夫を強いられ、結果、予想もしなかった興味深い手段を採用することができたのだ。

 

 

これは、アメリカの世界的写真家であるJohn Divolaによるイメージを起用したアルバムのアートワークにも反映されている。作品は絵画のように美しいカリフォルニアの風景を老朽化した窓枠越しに撮影したもので、窓枠には黒い塗料で複数の丸を描いた水玉模様がついている。Lorenzoは以下のように語る。

 

『Zuma #30』と名付けられたDivolaによる写真は、輝かしく色鮮やかで感動的な夕暮れが塗料で毀損された壁で切り取られていて、僕にとってこの画像は、壮大な景色に境界を設けて見る者を現実の世界に引き戻すように思える。感情を込めた音楽を作って、種々の制限にかかわらず抽象的な文脈で理解されるようにしたいという僕の意図や、そうしたふたつの要素を同じ作品で共存させなければならないという要求に、この写真は完璧に合致するんだ。

 

– Lorenzo Senni

 

LorenzoはDivolaの作品に自身の実践が表れていると考えている。彼はダンスミュージックを破壊するのではなく、既存の価値に風穴を開けようとしている。ダンスミュージックをバラバラに粉砕し、その破片でチェスをプレイする ── そうして緊張状態を生み出し、そこから最終的な解決を導こうとしている。『Scacco Matto』とはチェックメイトのことだ ── それは努力と戦略と創造的な心理プロセスを経て到達するべき究極の結果である。

 

 

『Scacco Matto』は、ピンバッジやポストカード、ポスターが封入された500枚限定の限定ヴァイナルセット、Tシャツとデジタルアルバムのセットなど様々な形態でリリースされる。

 

また〈Beat Records〉からリリースされる国内盤には2曲のボーナストラック“Win in The Flat World”と“The Shape of Trance to Come”が収録され、解説書が封入される。

 

 

 

Lorenzo Senniの新作アルバム『Scacco Matto』の詳細は以下の通り。

 

 

Lorenzo Senni

『Scacco Matto』

Lorenzo Senni - Scacco Matto

 

Release date: 2020/4/24 Fri

Label: Warp / Beat Records

Cat no.: WARPLP311 / BRC-633 (国内盤CD)

Formats: Limited Edition Vinyl / Vinyl / CD / T-Shirts+Digital / Digital

※国内盤CDにはボーナストラック追加収録/解説書封入

 

Order here: https://lorenzosenni.warp.net/?ffm=FFM_2c33f67d962892522e650b498500e2f0

 

Tracklist:

1. Discipline of Enthusiasm

2. XBreakingEdgeX

3. Move in Silence (Only Speak When It’s Time to Say Checkmate)

4. Canone Infinito

5. Dance Tonight Revolution Tomorrow

6. The Power of Failing

7. Wasting Time Writing Lorenzo Senni Songs

8. THINK BIG

 

9. Win in The Flat World (Bonus Track for Japan)

10. The Shape of Trance to Come (Bonus Track for Japan)

 

  • 9/10
  • 2/1 追加
  • 9/10
  • 2/1 追加

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