〈Cocktail D’Amore〉が設立10周年を記念した書籍とコンピレーション『Nothing Matters When We’re Dancing Vol.10』を12月にリリース
2019.11.11
イタリア出身のDJ/プロデューサーデュオ、Discodromoが主宰するパーティー/レーベル〈Cocktail D’Amore〉が設立10周年を記念した3枚組コンピレーション『Nothing Matters When We’re Dancing Vol.10』を12月9日にリリースする。
今では、国際的なクィア・パーティーにおける主要な団体のひとつとして知られている〈Cocktail D’Amore〉は、2009年9月にDiscodromoのGiacomo GaravelloniとGiovanni Turcoによって始動した。初めの5年間は、クラブから違法な会場、廃倉庫、ドイツ民主共和国(東ドイツ)のスーパーマーケット、サーカスのテントに至るまで、ベルリン周辺の約15ヶ所を巡りながらパーティーを続けてきた。また当初は単にDiscodromoを中心とする友人の集まりだったが、「土曜日の夜に始まり、月曜日の朝まで続く」このパーティーが口コミで次第に盛り上がりを見せると、増加するオーディエンスに対応するために2014年に現拠点地であるベルリンのヴェニュー「Griessmuehle」に移り、現在の形へと発展していった。
特に〈Cocktail D’Amore〉のユーモラスで遊び心に溢れ、またウィットに富んだヴィジュアルコミュニケーションは、パーティーの雰囲気に直接作用した要素であり、初期からPindaros Andriopoulos(Pindar)がキュレーションを行なっている。従来の印刷物によるPRから環境に優しいヴァーチャルアプローチへと移行してから、〈Cocktail D’Amore〉のFacabookグループは非常に活発なコミュニティへと成長を遂げ、この数年間はパーティーの予告映像としてヴィデオコラージュを発表している。
〈Cocktail D’Amore〉には、著名なDJからフレッシュなDJまでがラインナップしており、それぞれがプレイする質の高い音楽が他のパーティーと一線を画してきたポイントでもある。そしてパーティーのそういった一貫したコンセプトは、設立から2年後の2011年にレーベルを形作り、この8年間でコンスタントに約40作をリリースしてきた。そのカタログの中には、パーティーの常連でもあるSfireやJuan Ramos、そして2019年9月にデビューアルバムを同レーベルから発表したKris Baha、1980年代後半から90年代にかけて作品を発表してきた電子音楽のパイオニアであるIury Lech、そしてPowderやMori Raといった日本人アーティストなども名を連ねている。
コンピレーションに先立って、10年を記念してリリースされている書籍は、パーティーのこれまでの経験の感覚と、“異なるバックグラウンド、民族性、性別、そしてセクシュアリティの人々が真の自由を表現できるユートピア的なセックスポジティヴなセーファースペース(Safet Space)である”という〈Cocktail D’Amore〉の指針となる願望の両方を捉えている。書籍の収益は、「難民、先住民、黒人や有色人種に焦点を当てている、またレズビアンやゲイ、バイセクシュアル、トランス、インターとクィアをサポートする、ベルリン及びドイツに拠点を置いている3つのLGBTQと非営利NGOに寄付される」という。
プレスリリースによると、Discodromoが編集したコンピレーションは、「10年間のパーティーと、その発展を最もよく連想させるサウンドを特徴としている」内容となっており、3枚それぞれがパーティーの3つのフロアのスタイルとムードをテーマとしている。ダウンテンポでサイケデリックな「Cosmic Hole」にはBézierやKris Bahaが、“低俗なバンガー”の「Main Room」にはSleep D & Samo DJやMascaras & Powderなど、万華鏡のように押し寄せる「Garden」にはTornado WallaceやBell Towersなどが参加している。
『Nothing Matters When We’re Dancing Vol.10』の詳細は以下の通り。
V/A
『Nothing Matters When We’re Dancing Vol.10』
Release date: 2019/12/9
Label: Cocktail D’Amore
Cat no.: CDA10Y
Formats: 3 x 12″ compilation
Tracklist:
[Release 1: MAIN ROOM]
A1. Jonathan Kusuma – “Energi Hall”
A2. Sleep D & Samo DJ – “No Mans Land”
B1. Mascaras & Powder – “RealGold”
B2. DJ City – “Torreyson Drive”
[Release 2: GARDEN]
A1. Tornado Wallace – “Start Again”
A2. GreenVision – “Sleeping Bag In New York”
B1. Bon Voyage Organization – “Presque Cassini”
B2. Bell Towers – “In The Garden”
[Release 3: COSMIC HOLE]
A1. CPI – “Mount Anal”
A2. Juan Ramos – “Skincrawler”
B1. Kris Baha – “Parallelled”
B2. Bézier – “Starpoint”