HigherFrequency ハイヤーフリケンシー

INTERVIEW

瀧見憲司

  • Text, Interview & Photo : Hiromi MatsubaraSpecial thanks : HITOMI Productions, Inc.

  • 2016.10.12

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2

パーティーの内側と外側で vol.2

朝井リョウ原作の映画『何者』がもうじき封切りされる。あの「自分が何者であるか」や「何者になりたいのか」といった迷宮的葛藤と、一方での「自分は何者でもない」という実際それほど深くもないけど「痛い」みたいな溝を、リアリティをもって執拗かつ鋭く突く描写が、佐藤健や二階堂ふみの演技を通じて、原作を読んでいない層にも浸透するのかと考えると、良くも悪くも胸騒ぎがする。上の世代の人たちがいまの20代前半〜半ばの人をどう見ているのかも少し気になるが、20代前半〜半ばの人が同世代やこの後の社会をどう見ているか、どのぐらいの規模で見ているかの方が僕は遥かに気になる。『何者』が舞台とする就職活動ってやつは、なぜか往々にして、根本的な「自分らしい生き方」を盲目にしているんじゃないか。そうじゃない人も、もちろん知っているけどね。   「どうなりたいの?」や「何がしたいの?」は、「どういう仕事に就きたいの」とイコールではない。現代の社会で生活していくことを少し度外視しているとも思うが、すでにフォーマットの決まっている職業に就かなくても収入を得たり生活を成立させる方法は大いにある。しかしそういう意味では、「DJ」は昨今、職業としての現実味や社会性を徐々に帯びてきているようにも思う。DJとしての生き方/在り方や表現の仕方、そこから派生する新たな活動を考えることも、いまの社会の一部分としてのエンターテイメントにおいては十分なリアリティを持っている。それはアーティストでも、いかにして好きなことを続ける ... READ MORE

ENTER

INTERVIEW

Daniel Miller

  • Text & Interview : Hiromi MatsubaraTranslate : 光山征児Special Thanks : Night Aquarium, HITOMI Productions, Inc. & Traffic

  • 2016.9.12

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2

ゴッドファーザーのいまも変わらぬ情熱

初めまして。僕は22歳の、東京で活動している日本人のライターです。1994年に生まれて、10代の前半頃から、ロックからエレクトロニックミュージックまで様々な音楽を追い続けてきた僕にとっては、あなたは遥かに偉大な存在です。今回は、いまあなたは何を考えながら昨今の音楽シーンと接しているのか、ということを伺いたいと思い、いくつかの質問を考えさせていただきました。   今回、Daniel Millerに送った質問表は上記のようなメッセージから始まる。僕は、メールインタヴューをする際に送る質問表の冒頭に自己紹介以外のメッセージやを付けることはほとんどの場合しないが、なぜか今回は少し特別に感じていたのか、自然と手が動いてしまった。   なぜ〈Mute〉最盛期に直面していない世代の僕にとってもDaniel Millerが偉大な存在かというと、近現代の音楽史及び音楽文化を遡っていくと、必ずと言っていいほど〈Mute〉の膨大なカタログに突き当たるからだ。これについては、〈Mute〉が35年を迎えた際にWeb版『ele-king』で行われたDaniel Millerのインタヴューの冒頭で、野田努氏が最も適切だと思える一文を残している。 「電子音楽好きで〈Mute〉を知らない人間はまずいないでしょう。もしいたら、それはブラジル代表の試合を見たことがないのにサッカー観戦が好きだとぬかすようなもの」だと。 もう少し僕なりに掘り下げてみると、Daniel Millerと〈Mu ... READ MORE

ENTER

takimi kenji

INTERVIEW

瀧見憲司

  • Text, Interview & Photo : Hiromi MatsubaraSpecial thanks : HITOMI Productions, Inc.

  • 2016.9.1

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2

パーティーの内側と外側で

やっぱり正直なところ、シーンは現場が突き動かしていると信じたい。現場で何かしらに揺さぶられて熱くなった人が動かしていると信じたい。音楽でも、クラブでも、アートやファッションでも、社会や経済でも、もう何でも。膨張するヴァーチャルだって結局はリアルな現場に流れ着く。そもそもリアルがあってこそ生まれたヴァーチャルだから、双方の地面は無意識に繋がっている。書は持たずとも、スマートフォンを手に、そしてMacBookを背負って町に出よう。 この東京、もとい日本に、特異な速度で流れている時間に僕はほとほと鬱屈する。24時間の中で、あるところは急速に動き、あるところは遅く流れる。鳴り続いている音楽は最新で面白いのに、フロアは一向に埋まらない。東京の辺境めいたディープスポットほど世界時間の感覚に敏感で、リアルタイムに欧米シーンを揺るがしている海外アーティストたちがやってくる。Instagramで見た動画やBoiler Roomのライヴストリーミングで見た景色と何かが違う。何かが遅く……何かがズレている。 瀧見憲司は、2016年9月3日(土)から始める20年ぶりのレジデントパーティー『OwK』から、東京のクラブシーンに生じたタイムラグとその因子にアプローチする。氏はローンチに際して「過去にも未来にも、水平方向にも垂直方向にも開かれた音楽が渦巻く、世代やテイストを超えて繋ぐユートピアでもありディストピアでもあるリアルなクラブパーティーにしたい」と言う。『OwK』の全てが詰まった内側 ... READ MORE

ENTER

Andrew James Gustav

INTERVIEW

Andrew James Gustav

  • Author : Philip Kearny (XLR8R)Photo : Carrie TangJapanese text : Hiromi Matsubara

  • 2016.6.16

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2
Andrew James GustavとGwenan。もしこの2人を知っているなら、あなたは相当なコアリスナーだろう。シーンの現状を見ると、プロデュースにせよDJミックスにせよ、一切リリースを持たずに活動をしているDJの情報はなかなか日本に伝わってこない。これだけワールドワイド、インターネット、SNS云々……と言っているにも関わらずだ。まして、2人のようにFacebookやTwitterのページを持っていない(あるのはSoundCloudページのみ)となると、もはや日本のシーンがどうこうは関係なく、2人が拠点とするロンドンのシーンを除く世界中の誰もが2人にアクセスする方法を限られている。しかし今、Andrew James GustavとGwenanはブッキングとトピックを増やし、いくつものウェブマガジンとラジオにDJミックスとポッドキャストを提供している。今回はその中から、『XLR8R』にポッドキャストを提供した際に行われたAndrew James Gustavのインタヴューの和訳版を特別にご紹介させていただく機会をいただくことができた。現代的なセルフプロモーション環境を持たず、ローカルなコミュニティーからグローバルなシーンへ躍り出しているAndrew James GustavとGwenanの現状は、わかりやすいぐらいにうなぎ登りだ。とはいえ、多くの出来事はあるひとつの側面と指標に過ぎないし、2人が飛躍している理由やプレイの良し悪しは、一概にはオンラインに転がっている情報だけでは ... READ MORE

ENTER

Holy Fuck

INTERVIEW

Holy Fuck

  • Text & Interview : Aoi Kurihara

  • 2016.6.1

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2

タイムレスな表現を求める精神

お帰り! 完成おめでとう! 『Congrats』というタイトルにはその完成までの年月の重みが含まれているのだろう。2015年の12月、6年の沈黙を破り突如カムバックの予告ビデオを公開したHoly Fuck。猫の置物を次々と爆発させるその映像は、かつて“Red Lights”のMVでライヴをしていたキュートな猫たちを自らに置き換えて、過去のイメージをぶっ飛ばすかのような衝撃的な映像だった。そして、5月についにリリースされた最新作『Congrats』は予告通り、いや期待をゆうに越える荒々さと繊細さを兼ね備えた作品に仕上がっている。 無機質的で記号的なアルバムのアートワークとは裏腹に、アルバムに収録されている楽曲はアヴァンギャルドでいくつもの原色がカラフルな渦を巻いている。ますます破壊的になった人力インストゥルメンタル・サウンドは、聴いているとトランス状態になりそうだ。まさしくMVで表現されているような暴力的なサウンドの“Tom Tom”で幕を開けたかと思えば、“Xed Eyes”では反響の連鎖でレイヴィーな側面を見せ、続く“Neon Dad”はゆったりとしたテンポのエモーショナルなロックナンバーだったり、ラストスパートの“Acidic”では2014年に解散したThe Raptureの魂を継承したようなフロアライクなパンクイズムを兼ね備えていたりと、1枚のアルバムの中で彼らが大胆に「実験」をしている様子が伺える。 流行になびかず、時代に抗うかのように、独自のDIY精神を掲げて ... READ MORE

ENTER

Pioneer DJ

COPYRIGHT © 2015 HigherFrequency ALL RIGHTS RESERVED.