〈Mute〉が創立40周年を機に立ち上げたプロジェクト『MUTE 4.0 (1978 > TOMORROW)』を発表
2018.8.20
世界の音楽シーンに多大な影響を与えてきたUKのインディペンデント・レーベル〈Mute〉が創立40周年を記念したプロジェクト『MUTE 4.0 (1978 > TOMORROW)』とその内容を発表した。
『MUTE 4.0 (1978 > TOMORROW)』の発表にあたって、プレスリリースには、「〈Mute〉は常に、その多岐に渡る所属アーティストのことに集中してレーベル運営を行なっており、これまで一度もそのレーベル本体に限った施策を行うことはなかった。そして、この『MUTE 4.0 (1978 > TOMORROW)』でもその姿勢を崩すことはない。1978年の創立から40年経ったことを確認しながらも、このレーベルが目を向けるのはこれからの未来に関してであり、来たるべき明日に向けて脇目を振らず歩みを続けていくのである。このプロジェクトの第一弾は以下の通りとなり、また今後も次々に発表していく予定だ」と記されている。
『MUTE 4.0 (1978 > TOMORROW)』の第一弾概要は、8月24日から25日にイギリスで開催される『Sea Change Festival』にてレーベルイベントを開催し、Josh T. Pearson、Throbbing GristleのChris Carter、CANのダモ鈴木、Cajun Dance PartyやYuckで活躍したDaniel Blumberg、Lost Under Heaven(LUH)がライヴパフォーマンスを行うほか、元Throbbing GristleのCosey Fanni Tuttiと『Worldwide FM』で番組を持つジャーナリストEmma Warrenがトークセッションを行う。
そして10月13日には、ロンドンのレコードショップ「Rough Trade East」を1日ジャックし、Throbbing GristleのChris CarterやA Certain Ratio、Lost Under Heaven(LUH)がライヴを、MapsがDJを披露する予定となっている。
〈Mute〉が新たに契約した、マンチェスターの伝説的ポストパンクバンドA Certain Ratioが『ACR:SET』に新曲を2曲追加して発売するほか、〈Mute〉が初めて契約したFad Gadgetのデビューアルバム『Fireside Favourites』のリイシュー、Yazooの4枚組ボックスセット、Throbbing Gristleの80年代作品やApparatの『The Devil’s Walk』のカラーヴァイナル化など、多数のリミテッドエディションがリリースされる(ラインナップは以下リンクからご覧ください)。
https://www.roughtrade.com/gb/mute-4-0
そして、〈Mute〉が発売してきたアナログ・シンセ「MUTE SYNTH」の最新型が発売されるという。こちらの詳細は近日中に発表される。
(動画は、2014年に発売されたMUTE SYNTH IIのティーザー)
〈Mute〉は、オーナーのDaniel MillerがORG700SとTEACの4トラックレコーダーで制作したThe Normal名義の『T.V.O.D. / I Warm Leatherette』を発売するにあたり、ロンドンにある自宅の一室でレーベルを立ち上げたことから始まった。以来、商業的に強力な作品を送り出す一方で、〈Mute〉には常にアーティスティックな自由度の高さ、クリエイティヴな挑戦を支えるスピリットが存在してきた。これまでに、Depeche Mode、New Order、SWANS、Throbbing Gristle、goldfrapp、Erasure、Nick Cave & The Bad Seeds、Ben Frost、Liars、Irmin Schmidt、それにCANなど、実に多岐に渡るアーティスト達を育成し、共に活動を続け、世界的な存在へと大きな飛躍を果たした今もなお成長し続けている。現在では最近復活を果たした〈NovaMute〉や「Mute Song」(音楽出版)、「Noviation」(ライヴ・エージェント)、「Mute Management」などの部門を抱え、オフィスをロンドンとニューヨークに置いて活動している。
HigherFrequencyでは、2016年に〈Mute〉の創始者Daniel Millerへのインタヴューを掲載している。こちらもあわせてご覧いただきたい。