NEWS

Mika Vainioのトリビュートイベントが、Ryoji Ikeda発案の元で10月にWWW Xにて開催

2019.8.30

極北の中の極北、電子音楽史に名を残すフィンランドの巨星Mika Vainioのトリビュートイベントが、Ryoji Ikeda発案の元、WWW Xにて10月19日（土）に開催される。

本公演は、2018年に音源化が実現し、〈noton〉よりリリースされたMika Vainioとコラボレーションライヴも行った電子音楽家Ryoji Ikedaの発案の元で開催される。出演には、Ryoji IkedaとAlva Noto aka Carsten Nicolaiによるユニット「cyclo.」の8年ぶりとなる東京公演が実現。さらに欧州やアジアで目覚ましい活躍を見せる2人のDJ、ベルリン新世代による実験電子音楽の祭典『Berlin Atonal』にも出演する行松陽介と、『Future Terror』のレジデント/オーガナイザーで〈Butter Sessions〉から初作を発表したHarukaが、各々のMika Vainioトリビュートセットを披露する。

[ Info update 10/10 ]

さらに、DOMMUNEの主宰で、現在美術家の宇川直宏が貴重な“モジュラー& DJセット”で出演することが決定。

Mika Vainioは、80年代初頭にフィンランドの初期インダストリアル・ノイズシーンで電子楽器やドラムを演奏しはじめ、昨今のソロ作品はアナログの暖かさやエレクトロニックで耳障りなほどノイジーなサウンドで知られているが、アブストラクトなドローンであろうと、ミニマルなアヴァン・テクノであろうと、常にユニークでフィジカルなサウンドを生み出し続けてきた。そして、その革新的な音楽性は、「テクノイズ」「接触不良音楽」「ピュア・テクノ」「ミニマルとハードコアの融合」といった様々な形容をされてきた。

90年代初期にIlpo Väisänen（イルポ・ヴァイサネン）とのデュオPan Sonicの結成し、1994年の初EP『Panasonic』の発表と同時に自身のレーベル〈Sähkö〉を立ち上げて以来、本名名義のほか、ØやPhilusといった名義で、インダストリアル、パワー・エレクトロニクス、グリッチ、テクノ、ドローン、アンビエントなどの作品を〈Editions Mego〉や〈Touch〉、〈Wavetrap〉などから多数リリース。また、

SuicideのAlan VegaとIlpo VäisänenとのユニットVVV、Vladislav Delay、Sean Booth （Autechre）、John Duncun、灰野敬二、Cristian Vogel、Fennesz、Sunn O)))、 Merzbow、Bruce Gilbertなど、多数のアーティストとのコラボレーション、Bjorkのリミックスも行い、長きに渡って自身の音楽性の裾野を広げてきた。

特にPan Sonicの活動においては、自作・改造した電子楽器を用いた全て生演奏によるレコーディングで知られ、世界中の著名な美術館やギャラリーでパフォーマンスやサウンドイスタレーションを行っていた。中でもロンドンのイーストエンドで行った警察が暴動者を鎮圧する時に使う装置に似た、5000ワットのサウンドシステムを積んだ装甲車でのギグは伝説として語り継がれている。

アートとクラブミュージックのシーンをクロスオーバーした実験電子音楽のパイオニアとして、2017年4月13日に53歳の若さで逝去した後も再発や発掘音源のリリースが続き、Holly Heldon、Animal Collective、NHK yx Koyxen、Nicholas Jaar、〈PAN〉のBill Kouligasを筆頭に世界中の世代を超えたアーティストたちから、彼の類稀なる才能へ賛辞が贈られるなど、新旧の世代から未だ敬愛されているMika Vainio。ピュアなエレクトロニクスによる星空のように美しい静閑なサウンドスケープから、荘厳なノイズと不穏なドローンによる死の気配まで、サウンドそのものによって圧倒的な個性を際立たせる彼が描く“極限”の世界がWWW Xにて一夜限り実現する。

イベントの詳細は以下の通り。

WWW & WWW X Anniversaries “Mika Vainio Tribute”

10.19 Mika Vainio Tribute - Infinite - at WWW X