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Functionが6年ぶりのソロアルバム『Existenz』を〈Tresor〉から11月末にリリース

2019.8.30

NYを拠点とするテクノシーンにおける重要人物、Functionがソロとしては2作目となるアルバム『Existenz』を〈Tresor〉から11月29日にリリースする。

〈Ostgut Ton〉からの『Incubation』以来、6年ぶり2作目のソロアルバムとなる『Existenz』は2016年から2019年までの間にレコーディングされた作品で、4LPないし2CDにまたがる超大作となっている。本作は、幼少期から最近まで、FunctionことDavid Sumnerが生涯を通して抱えていたトラウマへのリアクションとして、「宗教」「セクシュアリティ」「癒し」をテーマに制作されており、深く内在化した過去からの明確な解放として、これまで数年間に渡って彼がリリースしてきた肉体的なテクノとは一線を画す作風となっている。またヴォーカルとしてアルバムの1曲に参加している彼のライフパートナー、Stefanie Parnowが制作プロセス全体を支え、精神的な癒しを与えたことによって、『Existenz』は完成したという。

ティーザーが示す通り、『Existenz』は、1980年代に爆発的な成長を見せ、1990年代に創造的な文化を捉えた番組に満ち溢れた“アメリカのケーブルテレビ”からの影響によって制作されている。Functionは当時、ポップアートやレイヴ、ゲイシーン、KraftwerkやStrafeを輩出したブロックパーティーの記憶などと深く結びついた影響から、彼は性的な解放を追求するために90年代には隠れた違法レイヴを探し求め、ディスコが切望する現実逃避の使命と影響力のあるJeff MillsのDJセットを混同して楽しんでいたという。

「アメリカのケーブルテレビ業界は1980年代に爆発的な成長を遂げ、多様な番組の放送や、下層/低層な文化が家庭に押し寄せました。コミュニティ・ステーションは当時のデジタル発展に便乗して、電話や放送関連会社を通じて、その存在を拡大させました。ニューヨーク市のような土地で育った世代にとっては、ローカライズされた放送が家庭に届き、ケーブルテレビによって印象的で多様な音と映像に晒されていました。1990年代に入ると、ニューヨークは、ケーブルテレビを発端としたコミュニケーションの熱狂からくる創造的な新興文化に溢れんばかりに満たされました。Rammellzeeの変身から、故Judy RussellとFrankとKaren Mendezによる〈Nu Groove〉のレゲエ、ポエトリーとハウス、都市の壁から生まれた新たなアイディアとの融合、〈Sonic Groove〉ストアの店内、Stakkerの『The Evil Acid Baron Show』などのVHSリリース、最もワイルドで最先端のアシッドハウスによる伝説的で色鮮やかなサイケデリック・トリップまで。シーンが拡大して、アイデンティティが発達するにつれて、そのような個人たちは本能的な出来事を乗り越えて、予測のできない未来に自分自身を表現するようになります」

ー『Existenz』のプレスリリースより

80年代〜90年代のケーブルテレビを背景に持つ作品『Existenz』に基づいて構築された新たなLive A/Vセットは9月1日に『Berlin Atonal』でプレミア披露され、その後はジョージアのBassianiでのレジデンシー、日本の『rural 2019』、オランダの『ADE (Amsterdam Dance Event)』など、25ヶ所以上を巡る欧米ツアーでパフォーマンスする予定となっている。

Functionの6年ぶりとなるソロアルバム『Existenz』の詳細は以下の通り。

Function

『Existenz』