Sonia Calicoによる“台湾で同性婚が合法になるまでの体験”を描いた映像作品がBoiler Roomのプラットフォーム「4:3」で公開に
2019.6.17
台湾発のアーティストで近年はヨーロッパでも精力的な活動を見せるSonia Calicoによるヴィデオ『Clutter Confines』が、Boiler Roomが運営するユースカルチャーやドキュメンターなどに焦点を当てたプラットフォーム「4:3」にて公開された。
『Clutter Confines』は、2019年5月17日に同性婚を認める法案が可決され、5月24日に晴れてアジア初の同性婚が合法化された国となった台湾において、それが成し遂げられるまでの現地のLGBTQコミュニティーやアーティストの体験を描いた作品。全部で4つのセクション「Fury(怒り)」「Deep Sorrow(深い悲しみ)」「Communication(コミュニケーション)」「Celebration(お祝い)」に分かれており、それぞれのセクションに異なるヴィジュアルとサウンドの手掛かりが示されている。
台湾における同性婚は、現職の中華民国総統である蔡英文が2016年の就任時に同性婚を支持することを表明し、翌2017年には司法院大法官会議(憲法裁判所にあたる機関)で同性婚を認めないことを違憲として以来、2年以内に法整備をするように進められていた。しかし、2018年の国民投票では、既存の民法を改正して同性婚を合法化することへの反対派が多数だったことから一時は見送られたが、2019年に特別法案で対応したことによって、2019年5月に同性婚合法化の可決を成し遂げた。4:3のディスクリプションには、その過程について「長く困難なものでした」と記されている。
本作は、プロデューサーのSonia Calico、コレオグラファーのJasmin Lin、写真家のAsh Kin、ファッションスタイリストのYinyin Lu、アーティストのByron DuvelとYa-Wen Liが協力して制作。プレスリリースでは「Celebration(お祝い)」のセクションについて、「Sonia Calicoが明るいパーカッシヴなサウンドではじめ、トラックをより速く押し上げていくドラムのビートを徐々に積み重ね、一風変わった華やいだ雰囲気を作り出しています。ここでは協力者の友人たちが集まり、それぞれがユニークな方法で踊り、より良い未来への希望を抱く、最も希望に満ち溢れたセクションです。5月17日、台湾はアジアで初めて同性婚が合法化された歴史的な国となりました。これによって台湾はより平等に近づきましたが、とは言え、まだ達成すべきことは多いです」と解説されている。
「私たちが差別や偏見から自分自身を解放する勇気を十分に持ち、全てを平等に愛して尊重する時、それは私たちが混乱した状態から抜け出し、自由を見つけることができる時です」- Sonia Calico
Crew & Credit
Producer: Sonia Calico, Ash Lin
Director: Ash Lin, Sonia Calico
Camera: Ash Lin
Music: Sonia Calico, Byron Duvel
Choreographer: Jasmine Lin
Stylist: LUYINYIN
Editor: Sonia Calico, Jasmine Lin
Colorist: Ash Lin
Cast: Jasmine Lin, Byron Duvel, Ya Wen Li, Suan6, San, Wei Yi Liu, Yinyin Lu, Min Liu, Sonia Calico
Copywriter: Angela Lin