KORGがvolcaシリーズ第三のリズムマシン「volca drum」を2月中旬に発売
2019.1.17
株式会社KORGが、“beats”、“kick”に続く、volca第三のリズムマシン「volca drum」を2月中旬に発売する。
アナログ、PCM、FMなど、そのサウンドに拘り、面白いものだけを取り込んできた volcaシリーズに新たに加わった異彩を放つリズムマシン、デジタル・パーカッション・シンセサイザー「volca drum」。シンプルなトリガー波形をベースに、ウェーブ・フォルダーやオーヴァードライブによる倍音や歪みを加え、ウェーブガイド・ レゾネーター・エフェクトによってリアルな響きを与える。6パート構成のDSPシンセ・エンジンは通常のドラム・マシンとは全く違った発想で作られたもので、想像を超える多彩なサウンドを生み出す。そしてもちろん、このサウンドをvolcaスタイルのシーケンサーで演奏でき、かつコンパクト・サイズ、電池駆動、内蔵スピーカーにより、どこへでも気軽に持ち出し、いつでも演奏を楽しむことができる。
デジタルというと、一般的にはバス・ドラム、スネア・ドラム、シンバルなどをサンプリングしたPCMをベースにした音作りをイメージするが、「volca drum」はDSPによるアナログ・モデリングによってドラム・サウンドを作り出す。各パートのオシレーター波形はサイン波、のこぎり波、ノイズなどが搭載され、それぞれドラム・サウンドに最適化された3タイプから選択するピッチ・モジュレーターとアンプ EGで構成されるレイヤーを2系統装備している。様々な変化を加えることで、リアルなものから独特なものまで、 ドラムだけには留まらず、幅広いヴァリエーションのパーカッション・サウンドに対応する。個別に2つのレイヤーを持つ6つのパートは、“ここはバス・ドラム、ここはシンバル”などのルールや制限は無く、全て同じ仕様となっている。この6つのパートには、ドラム・セットに拘らずに自由なイメージで新しいサウンドをアサインすることができる。アサインした6パート構成のキットは、ウェーブガイド・レゾネーター・エフェクトの設定も含めて16個メモリー可能となっている(工場出荷時のプリロード10個入り)。
レイヤーのパラメーターは個々にエディットするだけでなく、同時にエディットすることも可能なので、2つのレイヤーに同じ音を重ねて厚みを得ることもできる。できあがったトリガー波形に対し、ビット・リダクションによってザラザラ感を、ウェーブ・フォルダの深さを調整して複雑な倍音を加え、オーバードライブで歪みを調整して、自分好みの音色に変えていく。音色を設定したところで、ステップの発音タイミング、パン、ミックス前のゲイン調整、エフェクトへのセンドなど、各パ ートのバランスを整える。このように一般的なドラム・マシンとはひと味違う音源の構成が、「volca drum」ならではの個性的なサウンドを生み出すことができる。
エフェクト部には物理モデリングをベースとしたウェーブガイド・レゾネーターを搭載し、サウンドに共鳴による響きを加えることができる。ウェーブガイドは太鼓の胴や長いパイプのような筒状の響きを加えるチューブと、メタリックな感じの弦の響きを加えるストリングスの2タイプから選択可能となっており、パネル中央部の3つのツマミによりDECAY(減衰量)、BODY(音のキャラクター)、TUNE(ピッチ)の設定が可能で、TUNEを小さな値にすると、ディレイのような振る舞いをし、これらのツマミはサウンド・メイクだけでなく、ライヴパフォーマンスでも活躍することは間違いない。
さらに、パターンは各ステップに対応した16個のボタンを使って簡単に設定可能てとなっており、ステップ・レコーディングのほか、ループ再生しながらパターンを組み立てていくリアルタイム・レコーディングにも対応。また複数のシーケンス・パターンを続けて再生するパターン・チェイン機能によって、番号の連続する任意のパターンを連続再生することも可能。最大16個のシーケンスを繋げて256ステップのパターンを構築することもできる。ドラム・パターンを単純に鳴らすだけでなく、ツマミの操作をリアルタイム・レコーディングをしながら記憶し、再生時に再現するモーション・シーケンス機能は、実に全69種ものパラメーターを記録することが可能であり、パターンの作り込みのほか、ライヴにおいてオリジナリティ溢れるプレイを発揮できます。
「volca drum」には、選択中の1パートのサウンド(レイヤー)をランダムに変化、また同様に1パートのパターンのステップ、スライス、アクセント、アクティヴ・ステップ設定をランダムに変化させる、2つのランダマイズ機能を搭載。パフォー マンス中にランダマイズ機能を使うことによって、サウンドやパターンに思いがけない変化や展開を加えることができる。
エッチング加工で作られた高級感のあるアルミ製パネルは、文字や細い線もその繊細な凹凸表現によって表現し、プリント・レスてで制作。またvolcaシリーズで初めてカスタムLCDを採用しており、高輝度で見やすいディスプレイは、複雑な設定をグラフィカルにひと目でわかりやすく表現し、この新しいドラム・マシンの理解を早 めるのに役立っている。
〈KORG〉のグルーヴ・マシンと手軽に接続できるシンク端子を装備しているので、他のvolcaシリーズやelectribe、SQ-1などのマシンと接続し、シーケンサーを同期再生してのセッションも可能。またスタンダードなMIDI IN端子を装備しているので、「volca drum」をDAWなどの音源モジュールとして活用可能である。
「volca drum」のさらなる製品詳細は下記リンクからご覧いただきたい。