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Rabih Beaini at Organik Festival

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Rabih Beaini主宰〈Morphine Records〉がベイルート港での爆破事故で苦しむ現地の人々のためにチャリティーコンピレーションをリリース

  • 2020.8.18

レバノン出身で現在はベルリンを拠点に活動するプロデューサー/DJのRabih Beaini(f.k.a Morphosis)が、自身主宰のレーベル〈Morphine Records〉から先日のベイルートでの爆破事故で苦しむ現地の方たちのために企画したチャリティー・コンピレーションをリリースした。

 

日本の友人の皆さんへ

すべての人々が大変な困難を経験している現在、他にも様々な支援が必要とされている状況ですが、私たちにとって8月4日のベイルートの災害は最も危惧すべき出来事になりました。

ベイルートの緊急事態は極めて深刻であり、どんな小さな援助も重要な意味を持ちます。もしあなたがこのコ ンピレーションに収録されている音楽を気に入って購入してくださった場合、あなたは助けを必要としているたくさんの家族に直接手を差し伸べることになります。〈Morphine Records〉は集まったお金を必ず、現地で働くボランティアが食事を準備したり、水や物資を提供するために送金手数料なしで直接届けます。ご支援に感謝します。このコンピレーションに収録されている素晴らしいミュージシャンたちによる、私たちのために愛情を込めて作られた音楽を、ぜひ楽しんでください。

 

– Rabih Beaini (Morphine Records)

 

 

Beainiの声明の本題は、8月4日(火)の現地時間午後6時に、レバノンの首都・ベイルートのベイルート港の第12倉庫で相次いで発生した爆発事故。第12倉庫には、2013年にモザンビーク行の貨物船がベイルート港に寄った際に、予期せぬトラブルから留置することになった3,000トン近くの硝酸アンモニウムがあった。この留置物を巡っては、2014年から3年に渡って税関の係官がベイルート緊急事態判事に6通の書簡を送り、首都街に壊滅的な被害をもたらす危険性があるため処分するよう求めていたという。しかし以降も担当機関からの対策が講じられることはなく、7年もの間、放置されていた。

 

今回の爆発事故により、220人以上の死者と数千人の負傷者が出ている。加えて30万人が家を失うほどに爆発地点周辺の被害は壊滅的なレベルであり、ベイルートの街全体で構造物や建造物に深刻な被害が報告されている。初期調査では、“数十年来の政治体制による国家資金の略奪によって、経済的・社会的に既に荒廃している国における犯罪的な過失と腐敗”が指摘されており、生存者の捜索活動の不足、緊急国際援助の略奪や拒否、体制側への直接資金援助を求めるなどの恥ずべき状況が続いていることが報じられている。

 

もとよりレバノンにおける政治腐敗の蔓延は、“国民の3人に1人”という驚異の失業率を引き起こし、また5人に1人が極度の貧困状態にあったという。そんな状況下でベイルート港で爆発が起こったことで、食糧や医薬品・医療機器の唯一の輸入経路が断たれ、食糧備蓄のあったサイロは燃え吹き飛んでしまい、国を崩壊させた政権の不注意と腐敗に対する怒りを抱える国民は今まさに食料、避難所、医薬品を必要としている。

(家族がレバノン在住であるという、レバノン系カナダ人のデザイナー/作家/社会運動家 Céline Semaanによる『VOGUE』掲載のレポートは必読です。)

 

 

〈Morphine Records〉は、レーベル創始者のRabih Beainiとその友人や親戚を通じて、様々なレベルの従事の仕方で支援キャンペーンを展開。第1弾としては、8月7日に実施されたBandcamp Friday(※Bandcampが通常アーティスト/レーベルなど販売者に課している販売手数料が無料になり、収益の100%を販売者が受け取ることができるキャンペーン)での購入を呼びかけ、 その収益である相当額を現地で活動するNGOのFood Heritage Foundation、Matbakh Albalad、レバノン赤十字などに寄付した。

 

そして第2弾として、チャリティー・コンピレーション『The Sacred Rage』(=“不可侵の憤怒”)を8月12日にリリース。困難を極めるベイルート市民、Beainiを始めとする多くの同国出身者のレバノン当局に対するの怒りと失望を共有し、募金活動に貢献したいと考えていたDonato Dozzy、Neel、The Bug、”A”trio、Monolake、Thomas Brinkmann、Havlovi、Rashad Beckerなど12組の優れたミュージシャンたちより正義と平等と尊厳を訴える未発表曲を集結させた、愛と大きなエネルギーが込められた作品となっている。

 

本作の売り上げによる全収益は、食料、医薬品、ドアや窓などの構造物の資材供給、爆発によって深刻な被害を受けた避難所の修理など、ベイルートの現場での実際の作業に充てられる。そして併せて、前述の団体への直接的な寄付も是非ご検討してみていただきたい。

 

〈Morphine Records〉のチャリティー・コンピレーション『The Sacred Rage』の詳細は以下の通り。

 

 

 

Various Artists

『The Sacred Rage』

Morphine Records The Sacred Rage

 

Release date: 2020/8/12

Label: Morphine Records

Cat no.: DLEF001

Formast: Digital 

 

Order here: https://morphinerecords.bandcamp.com/album/the-sacred-rage

 

Tracklist:

1. John Kameel Farah and Thomas Brinkmann – “Sans Titre”

2. “A”Trio – “Over”

3. Monolake – “Beirut”

4. Irena and Vojtech Havlovi – “Radek 2”

5. Donato Dozzy – “Onde”

6. Rabih Beaini – “Ghadab”

7. Radwan Ghazi Moumneh – “Qaluli (they told me)”

8. Rashad Becker – “matraquage”

9. Natalie Beridze – “Swinglow”

10. The Bug – “Destroy me (Version)”

11. Neel – “Forza”

12. Stefan Fraunberger – “Reprise”

  • 9/10
  • 2/1 追加
  • 9/10
  • 2/1 追加

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