Martynがドラムンベースのサンプリングを応用した新作EP『Odds Against Us』を〈Ostgut Ton〉から7月にリリース
Photo : Josh Sisk
2019.6.20
アメリカを拠点に活動するオランダ人プロデューサー、Martynが〈Ostgut Ton〉から新作EP『Odds Against Us』を7月26日にリリースする。
2010年には〈Ostgut Ton〉への加入を果たしたMartynは、Berghain/Panorama Barで長年レジデントDJを務めていることでも知られている。2018年には、ワシントンD.C.のステジオで心臓発作を起こして瀕死状態に陥った経験から、深くパーカッシヴなルーツへと回帰し、独創的なリズム、ベースライン、空間で構築したアルバム『Voids』を〈Ostgut Ton〉リリースし、1stアルバムから10年の節目に華を添えた。それ以来〈Ostgut Ton〉からのリリースは本作が1年ぶり、EPというフォーマットで絞ると4年ぶりとなる。
『Voids』の制作以来、その多くの要因が、ドラムンベース、ゴム(Gqom)、ポストダブステップ、リズミカルなオフシュートに対するMartynの統一されたアプローチを形作り続けている。『Odds Against Us』では、Martynはその共通項を「ドラムンベースによって革新されたサンプリング」として作品全体に投影しているが、タイトルトラックの浮遊感、Havocのようなミニマルなピアノのリフ、ミュータントなUKガラージ、無定形なベースラインを示すことによって、いわゆるドラムンベースのBPMからは独立して、その共通項を作用させている。その一方で、Bサイドの1曲目“B.C. 2”では、SFと感情が交わるように、ロンドンのレンズを通してデトロイトの深みを見るようなBPM170をフル回転させるトラックとなっている。
レーベルは、「『Odds Against Us』は、Martynが自身の音楽の原点に立ち返るのを捉えていますが、サウンドと感情は、リズムとダンスミュージックの総体的な視点からもう一度明らかになります」と解説している。
Martynが自身の音楽の原点へと立ち返るきっかけとなった出来事 ── ワシントンD.C.のステジオでの作業中に心臓発作を起こし、1分間の心停止で瀕死状態に陥ったが、幸いにもペースメーカーによって救われた経験(ちなみに元プロサッカー選手だったMartynの父親も心臓発作によって56歳の若さで亡くなっている)から、再びスタジオに戻ってからの心境の変化について語ったドキュメンタリーが、『Resident Advisor』にて公開されている。
Martynの新作EP『Odds Against Us』の詳細は以下の通り。
Martyn
『Odds Against Us』
Release date: 2019/7/26
Label: Ostgut Ton
Cat.No.: O-TON 121
Formats: 12″ EP / Digital
Order here: https://ostgut.bandcamp.com/album/odds-against-us
Tracklist:
A1 / 1. Odds Against Us
B1 / 2. B.C. 2
B2 / 3. Rhythm Ritual