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Brian Enoのアンビエントシリーズ最新作『REFLECTION』が、秋を迎えて再びアップデート

2017.10.13

Brian Enoが、自身のキャリアにおけるライフワークとするアンビエント・シリーズの最新作として2017年1月1日に〈Warp Records〉からリリース、国内盤CDが高音質UHQCD仕様になっている他、プレミアム・エディションとして、iOS、Apple TV対応アプリでのリリースも話題になった『REFLECTION』。

アナログ盤とCDリリースされたヴァージョンの『REFLECTION』は、従来の音楽作品と同様、録音媒体に記録されたアルバム形式の作品となっている。アプリ版では、カラフルな色彩が目を引くグリッド状のグラフィックが表示され、音楽の再生がはじまり、短い電子音が散発的にメロディーを奏でつつ、音のゆらぎがテクスチャーをつくっていく。この音楽は収録された音の自動生成によって成立し、『REFLECTION』という音楽作品の、エンドレスかつ無限に変化し続けるヴァージョンを生み出すものとなっている。

そしてこの度、時間帯や季節に応じて聴く度に表情を変える『REFLECTION』の特性に合わせ、春と夏に続き、Apple MusicとSpotify上で秋をテーマに再びアップデートされた。アプリ版を購入したユーザーも新たな音色を体験できる無料アップデートが可能になっている。

本作は、2017年6月から10月にかけてバルセロナにて開催された、自身の作品を網羅した展覧会『Lightforms / Soundforms』と『Sonar Festival』開催に合わせて、バルセロナのエル・プラット空港にて、空港内全体の音楽として『REFLECTION』が使用されたことも話題となった。また今月10月LAにて開催されるDavid Lynch がキュレーションする『Festival of Disruption』内のエリア、“Meditation”のオープニング/クロージング音楽としても使用される。

以下はEno本人による、アプリ版に添えられた『REFLECTION』のキャプションである。

『REFLECTION』は、私にとって最新のアンビエント実験作で、これまでのところ最も精巧な作品となっている。私がアンビエント・ミュージックを手掛けることになった当初の意図は、エンドレスな（＝無限の）音楽、すなわち、聴き手が望む限りずっとそこに流れている音楽を作ることであった。そしてその音楽が流れている間ずっと、常に異なる展開を生み出し続けることも求めていた。「流れる川のほとりに座っている時のように」だ。つまり、そこにあるのは同じ川だが、流れる水は常に変わり続けているということ。しかし録音作品は、アナログ盤であれCDであれ、その長さが限られており、再生する度に毎回、全く同一の内容を聴くことになる。そのため私は従来、音楽を作り出すシステムを開発しても、その後30分もしくは１時間の音源を録音し、それをリリースしなければならないという制限を受けてきた。アルバム形式での『REFLECTION』は、アナログ盤もCDも、そのようなものとなっている。しかし『REFLECTION』の制作に用いた本アプリには、そういった制限がない。本アプリによって、『REFLECTION』という音楽作品の、エンドレスかつ無限に変化し続けるヴァージョンを生み出すことが出来るのである。

キャリアを通じて“Thinking Music”というコンセプトを掲げ、聴き手の環境に作用するという意味での、アンビエント・ミュージック作品を制作してきたBrian Eno。今や非常に広い意味を持ったアンビエントのはじまりとなったアーティストが追及する、「アップデートされる」音楽作品を、ぜひチェックしてみよう。

リリースの詳細は以下の通り。

Brian Eno
『REFLECTION』

Release date: 2017/1/1 (Sun) on sale
Label: Beat Records / Warp Records
cat no.: BRC-538
Price: ￥2,400+tax