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〈Entr’acte〉のオーナーAllon Kayeのグラフィックワークを紹介する展示会が11/6まで開催

2016.10.26

2016年の現在において実験的な電子音楽を嗜む世界中のリスナーより最もその動向が注目されるレーベルのひとつである〈Entr’acte〉のレーベルオーナーであるAllon Kayeのグラフィックワークを紹介する展示会がgift_lab GARAGEにて11月6日（日）まで開催されている。

Allon Kayeはグラフィック・デザイナー/タイポグラファーとして様々なアーティストの作品集、展覧会の広報ツールや図録、エディトリアル・デザインを手掛けてきた人物。先頃、大阪で催された『Entr’acte by Allon Kaye』では彼のグラフィック・ワークの中から音楽関連にフォーカスした展示で日本では未だ知られざるAllon Kayeの活動を紹介する催しとして注目を集めていた。そんな彼がオーナーを務めるベルギー拠点の〈Entr’acte〉は、2005年から本格的な出版を始動。初期はノイズや実験音楽をリリースし、現在ではJoke Lanz、DanielLöwenbrück、Lee Gamble、Strategy、Giuseppe Ielasi、Dennis Tyfus、Sam Kidel、Imaginary Forcesなど、コンセプトの強い電子音楽から、熱を発するフリーなインプロ、追求していく現代のテクノといった、自らの実験精神を突き進む多彩な顔ぶれがレーベルのカタログには揃っている。これらが違和感なく並ぶことができるのは、Allon Kayeのデザインによる白く統制された美しいアートワークでパッケージになっているからだと言える。サウンドにおいてもデザインにおいても、〈Entr’acte〉のアンダーグラウンドへの愛ある先見性と質の高さは世界を見渡しても他に無く、まさしく現在の「エクスペリメンタル」の深化に伴って出現している。

10月20日から始まった『Entr’acte by Allon Kaye』の東京展は、フランス出身の実験音楽作家/愛好家Laurent Faironの『Musique Isotype』と、Peter Van HoesenとのユニットSendaiでも知られているベルギー出身のエクスペリメンタル・アーティストYves De Meyの『Late-Night Patching 1』という2作品の日本盤販売/流通に際して、ifm（space_inframince）、Allon Kaye（〈Entr’acte〉）、gift_labの協力のもと行われているもの。会場では、上記の2作品をKlipsch社のハイエンド・ヘッドフォンで試聴することができるという。

『Entr’acte by Allon Kaye』東京展の開催に際してのイントロダクションと、展覧会の詳細は以下の通り。

『Entr’acte by Allon Kaye』
現在、オンラインからデータで音楽を受容することは主流となりました。聴覚へのアプローチである音楽/音響芸術は視覚的なイメージが希薄となったデータ配信によって“表現・形式・媒体”における純粋性へ限りなく近づいたといえるでしょう。

しかしながら、現在でも世界各地では様々なインディペンデント・レーベルやアーティストたちがフィジカル・メディアによる作品を発表しています。加えて、近年は世界中でアナログ・レコードの需要が増加傾向にあります。このような現状を踏まえ、ビジュアル・デザインは今後どのように音楽へ関与/介入することができ、パッケージ・メディアにはどのような可能性が考えられるのでしょうか？

イギリス-ベルギーを拠点に活動しているデザイナーAllon Kayeが運営しているレーベルEntr’acteはこのような状況下において刮目すべき存在の一つと言えるでしょう。

実験的な電子音響を基調としながらユニークな内容の作品群に付与されたジャケットは主にタイポグラフィで構成されています。Allon Kayeがこれまでに手掛けてきたEntr’acteのアート・ワークを辿れば、レーベルやリリースしてきた作品に対して安易なイメージが定着することを拒否してきたであろうことは想像に難しくありません。

細やかな催しではありますが、Allon Kayeが手掛けてきたグラフィック・デザインの展示と併せて開催するEntr’acteのPop Up Shopへご来場いただくことが、”イメージと音楽の関係性”についての再考を促す切っ掛けになれば幸いです。

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