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Baba Stiltz

INTERVIEW

Baba Stiltz

  • Text & Interview : Hiromi Matsubara

  • 2018.10.10

  • 10/13 追加
  • 3/30 追加

僕は僕 ── 真摯な表現者

なにも突然現れたわけではない。そのひとつひとつがあまりに衝撃的な親密さだった、という話である。多民族国のスウェーデン、北欧の水都であるストックホルムから現れた、無国籍感漂う貴公子のような出で立ちの人。その名はBaba Stiltz。

〈Ramp Recordings〉や〈Flogsta Danshall〉のコンピレーションに参加していたMrs. Qeadaという前名義期を含めて見ても、Baba Stiltzは着実にステップアップを重ねてきた。いい加減もう食傷気味になってきたロウハウス(サンプリングハウス)に限らず、激動の2010年代の帯に刻まれたあらゆる時節に深く干渉することなく、何処と無く、隙間をすり抜けるようにして。いくつかの自身のミュージックヴィデオで見せている、身の熟し柔らかなダンスの動きのまま、するりするりと。

 

時に気怠そうに見えてしまう程、如何にも自然体で、決して奇をてらった訳でもなく、至って自分自身に誠実な人。そのままマイペースで在って欲しいと願うほどに繊細な波動で身体に流れ込む音楽と、リリックが纏っている思わず惑わされる葛藤の匂いが魅力的で仕方ないのは、Baba Stiltzのアーティスト性よりも人間味がよく表出している証拠だと思う。今になって考え直してみると、ブレークスルーの火種になった2014年のアルバム『Total』は、若干20歳の気鋭がサイケデリックでアトモスフィアリックなハウスに実験的なアプローチを意図的に詰め込んだ作品だったのではなくて、当時のそのままの意味の“トータル”=“Baba Stiltzの全て”だったのだ、というかそれでしかなかったのだ。通りでああだこうだの細かい説明が要らなかったわけだ。今回のインタヴューをするに当たって、3年ぶりかに改めて『Total』を聴き返してみたら、初めて聴いた当時より鳥肌が立った。余計に感傷的にもなった。

 

2014年のアルバム『Total』以降の作品は、よりダンスミュージック的なものであれば、ソリッドで強く響く、フロアに有機的なトラックになっている傾向にあり、2018年に〈XL Recordings〉から発表された最新EP『Showtime』のような、よりヴォーカルを前面に出したトラックであれば、ますます“フリーキー”と言うべきか“フリー”と言うべきか、彼個人の心象の変化を実直にコンパイルした仕上がりとなってきている印象を受ける。そして今のBaba Stiltzの真骨頂はと言えば、“Maze”のような、“アンセム”とも“フロアキラー”とも呼べそうな、その両極の衝突に思わず驚嘆の声が出てしまうようなトラックである。Baba Stiltz本人がDJセットの中で“Maze”をどうやって使うのかが気になるところ、でもまずは踊りながらその時を待ちましょう。それではまた、ダンスフロアで。

 

BabaStiltz

 

ーー こんにちは! ツアーが忙しそうですが、調子はいかがですか? あなたが最新作を〈XL Recordings〉からリリースしたことは日本でも大きな話題となりました。リリースおめでとうございます!

 

Baba Stiltz:やあどうも! そうですね、でもスケジュールが忙しいのは幸せなことですよ。最新作については、僕もとても嬉しかったですよ、ありがとう。

 

 

ーー 6月にロンドンでライヴショーをしていましたが(ロンドンでのライヴショーは初だった)、ご自身の感想や、お客さんのフィーリングはいかがでしたか? 

 

Baba Stiltz:あの日のショーは素晴らしかったですよ。ライヴショー自体は、この2年間で毎年何回かやっているんですが、いつもとても親密な雰囲気になるんです。そのほとんどは僕の地元のストックホルムでやっているんですが、多くの場合、僕のライヴショーは伝統的ないわゆる“ライヴ”というよりは、“パフォーマンス”に傾倒しています。

 

 

ーーちなみに、10代の時にバンドなどをやっていた経験はありますか?

 

Baba Stiltz:若かった時に「TBBC」というプロジェクトをやっていました。

 

 

ーークラブには若い時から普通に遊びに行っていたんですか?

 

Baba Stiltz:僕はクラブに行き始めたのが遅かったんです。行き始めたのは、17歳かな? そのぐらいだったと思います。僕は友達に恵まれていて、毎回違うクラブに行く友達が多かったので、クラブに行くのはいつも楽しくてワクワクでしたね。

 

 

ーーそれで、エレクトロニックミュージックはいつから作り始めたんですか? 10年前に今とは違う名前で何作かEPをリリースしていたそうですが。

 

Baba Stiltz:エレクトロニックミュージックは2007年に初めて自分のコンピューターを手に入れた時から作り始めました。〈Dell〉のタワー型コンピューターだったんですよ!

 

 

(※ Baba Stiltz以前の2008年頃にはMrs Qeadaとしてリリースをしていた。)

 

 

ーーあなたが手掛けているトラックは、ハウス、ミニマル、ヒップホップ、エレクトロニックR&Bなどなど……実に幅広い印象を受けるんですが、どのようにして音楽の幅を広げていったんですか?

 

Baba Stiltz:僕自身は、ジャンル関係無く、思い付いた音楽を僕なりに心を込めて作っているんだと思っています。

 

 

ーーあなたはリリースしている数も多いですし、トラックを作るのがとても早いプロデューサーだなと感じているんですが、そのための何か特別な方法はあるんですか?

 

Baba Stiltz:自分にとって快適な環境に身を置くことこそが音楽を制作する際に重要なことです。僕自身は制作をするのにとても素晴らしいスタジオを持っているので、とても幸せですよ。それ以外で言えば、制作作業に時間を費やす以外の方法はありません。努力して、考えて、根気強く作業を続けることです。

 

 

 

ーーあなたは自分の楽曲の歌詞も書いていますよね。詞を書くときに意識していることは何ですか?

 

Baba Stiltz:詞を書く時は、少しだけ書いてみて、あとはあまり考え過ぎないようにしています。レコーディングを始める時に、あらかじめ書いておいた想いや短い詞、それとは別のテーマから選りすぐりして作っていきます。

 

 

ーー楽曲の中であなたが歌っている“Love”は単純な愛よりも少し複雑な哲学を持っているように思うんですが、あなた自身は何を考えながら“Love”について歌っているんですか? この複雑さを読み解くヒントがあったら教えて欲しいのですが。

 

Baba Stiltz:“愛こそ全て”ですよ!

 

 

ーーヴォーカリストか詩人で、あなたが深くシンパシーを感じる人や参考にしている人はいますか?

 

Baba Stiltz:Don Henleyの作品は“なんて素晴らしく、力強い歌声なんだろう”と聴いて楽しんでいますよ。

 

 

ーーでは、音楽以外でも構わないのですが、ここ最近あなたが影響を受けた“芸術作品”は何ですか?

 

Baba Stiltz:最近はThe EaglesとかSteely Danとか、クラシック・ロックをたくさん聴いています。そして、Sly & The Family Stoneの『There’s A Riot Goin’ On(邦題:暴動)』は聴き続けていますね。音楽以外だと、Trinh T. Minh-haとBurcu Sahinの著書は、この一年間僕とって非常に重要でした。

 

 

 

ーープロデュースの一方で、あなたはDJとしても活躍していますが、DJをする時に心掛けていることはありますか? 個人的には、挑戦的にジャンルを横断していくあなたのスタイルが好きなんですが、あなたが考えているDJを通じて見せたいBaba Stiltzの個性というのは、どういったものですか?

 

Baba Stiltz:ダンスミュージックはとても特別なものです。僕はうっとりするほど魅力的で、共同体になれるような機能的なダンスミュージックが好きなんです。それこそが僕の目指しているもので、それは何か特定のジャンルや音ではないんです。

 

 

ーーちなみに、今みたいにプロデューサーやDJをやっていなかったら、自分は何の仕事をしていたと思いますか?

 

Baba Stiltz:おそらく統計学の仕事をするか、もしくはプロの料理人になっていたと思います。

 

 

 

ーーあなたが多くの作品をリリースしてきた〈Studio Burnhus〉のクルーや、コラボレーションを頻繁に行なっている〈Born Free〉のSamo DJとはどうやって知り合ったんですか?

 

Baba Stiltz:〈Studio Barnhus〉のメンバーとは2013年にスイスで会いました。僕はパートナーと一緒にいて、彼らはワインの大会のためにその場にいて、たまたま同じレストランで食事をしていたんです。そこで彼らと話をして、その場で最初のリリースの契約をしました。Sam(Samo DJ)とは長い付き合いで、昔からずっと良い友達です。みんな僕にとってとても大切な友達ですし、僕も彼らのこと大好きです。

 

 

ーー彼らのようなあなたと同郷のプロデューサー、ひいてはスカンジナヴィア(北欧地域)のアーティストには、他のヨーロッパ諸国のアーティストたちと比べて、何か異なる特徴はあると思いますか?

 

Baba Stiltz:いや、僕はスカンジナヴィアのアーティストと他のヨーロッパのアーティストたちに大きな違いがあるとは全く思いませんね。

 

 

 

ーーでは、日本人アーティストについてはどう思いますか? あなたはPowderや5iveなどと公私で良い関係にある思うのですが、彼らの音楽から日本人ならではの要素を感じることはありますか?

 

Baba Stiltz:まだ日本に行ったことがないので、僕には本当の意味でその判断をすることはできません。何かを言い切ることもできないと思います。唯一僕が知ってるのは、Powderの作品も、5iveの作品も素晴らしいことだけですね!

でも日本には、彼ら以外にも、僕が大好きな、色んなスタイルの音楽が非常にたくさんあることは知っていますし、Fumiya Tanaka(田中フミヤ)、Susumu Yokota(横田進)、Shunji Moriwakiなどは大好きですよ。

 

 

ーー初めての来日が目前に迫っていますが、日本人の友人や、Axel BomanやSamo DJ、Will Bankheadなど頻繁に日本に来ているあなたの友人からは、日本についてどのように聞いていますか? 

 

Baba Stiltz:良い話はたくさん聞いているよ。行くのが待ちきれないね。

 

 

ーーでは、「日本」や「東京」と聞いた時に思い浮かべる言葉を5つ教えてください!

 

Baba Stiltz:“Food”、“music”、“fun”、“happy”、そして“wild”!

 

 

ーー日本での初めての公演に期待していることはありますか?

 

Baba Stiltz:期待じゃなくて、ただただオープンマインドでいることだね!

 

 

End of Interview

 

 


 

「Baba Stiltzが渋谷WWW Xの新パーティーシリーズ『WHEREABOUT』に初来日出演」

 

WHEREABOUT feat. Baba Stiltz, CYK & C’est Qui

Date: 2018/10/13 (Sat)
Venue: Shibuya WWW X

Open/Start: 23:00

ADV:¥2,000

Door: ¥2,500

U23:¥1,500

 

Line up:

Baba Stiltz (XL/Stockholm)

CYK (Tokyo)

C’est Qui (Seoul)

 

More info: WWW X

http://www-shibuya.jp/schedule/009439.php

03-5458-7688
※未成年者の入場不可・要顔写真付きID / You must be 20 or over with Photo ID to enter.

 

 

 

CYK Feat. Baba Stiltz with C’est Qui Asia Tour

CYK Baba Stiltz

 

 

【大阪】

CYK Feat. Baba Stiltz with C’est Qui

Date: 2018/10/12 (Fri)

Venue: CIRCUS Osaka

Open: 23:00

Door: ¥2500

ADV: ¥2000

 

Line up:

Baba Stiltz (XL/Stockholm)

C’est Qui

CYK TOKYO (Nari,Kotsu,DJ No Guarantee,Naoki Takebayashi)

 

More info: CIRCUS Osaka

http://circus-osaka.com

 

 

【韓国・ソウル】

Date: 2018/10/20 (Sat)

Venue: CONTRA Seoul

Open: TBA

Door: TBA

 

Line up:

Baba Stiltz

CYK TOKYO (Nari,Kotsu,DJ No Guarantee,Naoki Takebayashi)

…and more

 

More info TBA

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