WWW X presents “Discwoman – Amplify Each Other” Talk Session at DOMMUNE
- 2018/11/22 @DOMMUNE
Text : Hibiki MizunoSpecial thanks : DOMMUNE, Shimpei Kaiho, Sapphire Slows, YonYon, Arisa Shirota
2019.2.7
“お互いを高め合う”ためのトークセッション
Warning: compact(): Undefined variable $matches in /home/hrfq/higher-frequency.com/public_html/wp/wp-content/plugins/advanced-responsive-video-embedder/php/fn-oembed.php on line 135
Warning: compact(): Undefined variable $a in /home/hrfq/higher-frequency.com/public_html/wp/wp-content/plugins/advanced-responsive-video-embedder/php/fn-oembed.php on line 135
2018年11月24日(土)に開催された、WWW XでのUmfang、mobilegirl、DJ HARAM、DSKE、Mayurashkaをゲストとして迎えた『WHEREABOUT feat. Discwoman Showcase』のプレイベントとして、ニューヨークからDiscwoman創設者のFrankie Dechaiza HutchinsonとUmfangを、日本のローカル・シーンからSapphire SlowsとArisa Shirotaを迎えて、ジェンダーとダンス・ミュージック業界についてのトークとDJにYonYonを迎えて実施した。
ニューヨーク在住中にDiscwomanのメンバーらと知り合い、今回の企画を提案した水野響がモデレーターを勤め、Art Translators Collectiveの田村かの子が通訳として参加。ニューヨークと東京、それぞれのシーンでの現状を共有しているこの貴重なトークをぜひご覧ください。
水野 響(イニシエーター / モデレーター)
数年前の春、ブルックリンの無許可のレイヴにいったある夜明けのこと。ようやく自分の居場所を見つけたニューヨークを離れ、東京に引っ越すことをUmfangに伝えた。「Discwomanをぜひアジアでやりたい」というその時の彼女の言葉を今でも覚えている。その思いがあってこそ実現した今回の企画だ。
この怒涛の時代だからこそ、今までかき消されてきた声へ、様々な規範に縛られない生き様とプレイを繰り広げる、フェミニズムやクィア性を基盤としたDJたちに耳を傾けてほしい。
彼女たちのスローガンである “amplify each other”、「お互いを高め合う」という率直な連帯のスタンスを感じ取り、ダンスフロアで体現していくこと。そして、ジェンダーやセクシャリティとダンスミュージックの関係性について、このトークのようにオープンに語りあうことで、より多くの人にとって開放された、自由な場所へのヒントが見つかるかもしれない。
Sapphire Slows(プロデューサー / DJ)
日本で活動している私はしばしば、インターネット上で白熱する議論や海外のフェミニストたちを見ながら取り残されているような気持ちになることがある。ジェンダー・マイノリティーやセクシャル・マイノリティーに関する問題は場所やコミュニティに関わらず存在しているものなのに、数年前まで日本の音楽コミュニティにそのような議論は実際には存在していないかのようだった。何かを言葉にすることを想像しても、真空の中で口をパクパクさせることしかできないような気がして、孤独で、力不足で、窒息しそうだった。
けれど近年、Discwomenのような存在が増えるにつれて私はだんだん普通に息ができるようになり、そこには緊張感だけではなく暖かさがあって、泣いたり怒ったりしてもハグしてくれるような仲間がいるのかもしれないと思えるようになった。今回彼女たちの来日とトークが実現して、その暖かさが遠く離れた想像上のものではなく肌に当たる太陽のように現実に感じられた。今回のトークは議論というよりも落ち着いた深い語り合いのようで、それはとても意味のある、特別なことだった。けど、数年以内にはこういうことが何も特別でない当たり前のことになればいいと思う。フェミニズムについて考えるのは難しいことでも、怖いことでもない。私たちがどうしたら自信を持って、大好きな音楽と一緒に幸せに生きていけるか。一つ一つの議論がそういうことを考えるきっかけになれば嬉しく思います。
Arisa Shirota(DJ)
「何をするかに気をつけなくてはいけないよ。未来はきみたちにかかっているのだから。とても大きな責任だ。毎秒、正しいことをしなければならないんだ。毎秒ごとにしなければならないよ。次の瞬間は君にかかっているのだからね。君には未来への責任がある。それが私たちの責任だ。もしも私たちがそうしなければ、私たちの前に生きてきた全ての人や、人類が美しくなるためになされた全てのことを裏切ることになる。だからこれは君たちの世代にとっての責任であり、人間の行動で、人類に影響を及ぼさないことなんてないんだ。」と、先日亡くなったフィルムメーカーのジョナス・メカスが残しています。今を生きる私たちにとっての正しい、とは何なのか。そのような責任を考えられる自分や、社会であってほしいと願っています。
YonYon(プロデューサー / DJ)
Discwomanの活動は、英文のインタビューや彼女達のSNSを通してチェックをしていたものの、自分の中では遠い憧れというか、手に届かない所にいると感じていたので、こうしてアジアに来てくれて、直接会って彼女達の話を間近で聴けるのは本当に嬉しかった。Umfangが今回のツアーで韓国でDJプレイしに行った時にあなた(YonYon)の話を聞いたわと話してくれた時は、微力ながら日韓の距離を縮める活動を続けて良かったと思った。WWWXでのイベントはもちろん素晴らしかったが、Dommuneという配信媒体を通して全国に彼女達の思想や活動内容が日本語の通訳と共に広がっていくことに大きな意味があった。今置かれている環境に不満の声を上げるのではなく、自分たちの活動を通して一から中身を変えていこうと努力するその眼差しは、フェミニズムの問題を超えて社会全体へ対する必要なメッセージだったと思います。