Pioneer DJ Showroom Opening Event
Text & Photo : Hiromi Matsubara
2018.2.2
国内初のPioneer DJショールームが誕生
Pioneer DJ株式会社が、本社を構えている横浜・みなとみらいの「横浜アイマークプレイス」の1階に、国内では初となるショールームを1月18日にオープン。同日には、ショールームオープニングイベントと題して、新製品の発表も行われた。
まずショールームには、Pioneer DJがフラッグシップモデルとして2016年に発売し、クラブスタンダードとしても随時各クラブに常設が進んでいるCDJ-2000NXS2とDJM-900NXS2や、優れた音質とDJ機器設計で培われた操作性を搭載したターンテーブルPLX-1000とPLX-500、DJヘッドフォンの「HDJ」シリーズといった、Pioneer DJの看板であるDJ機器製品を始め、2017年より本格展開が始動した制作機器シリーズ「TORAIZ」からは、Dave Smith Instruments社との協業により開発されたスタンドアローン型サンプラーTORAIZ SP-16と、モノフォニック・アナログ・シンセサイザーTORAIZ AS-1など、現在のPioneer DJを代表する製品が勢揃い。ショールームの壁には、各製品を紹介するデザインパネルや、プロモーション映像を流しているモニターも設置されており、実際に使用して体験しながら情報も得ることのできる空間となっている。
そして、オープニングイベントの日には関係者向け製品紹介が行われた、2018年1月25日に発表されたDJコントローラー「DDJ-1000」も展開。今後も話題の最新機種はいち早くショールームで実際に触れることができるほか、ショールームを使った様々なイベントの開催も予定しているそうだ。
(※ショールームの一般公開日時、来場の予約方法に関しては、後日改めて発表とのこと)
ショールームオープニングイベントでは、Pioneer DJが提供しているDJ向け楽曲管理アプリケーション「rekordbox™」の、フレーズ解析機能やAutomix機能が追加されアップデートしたVer 5.1の公開と、2月20日にはrekordbox™で管理している楽曲と同期した照明演出を可能とする「LIGHTING MODE」を搭載した最新ヴァージョンをリリースすることが発表された。
また、アップデートに対応する2つの新たな製品、rekordbox™のDJプレイ機能である“rekordbox dj”を自在に操作できる専用DJコントローラーの最新型「DDJ-1000」と、rekordbox™の「LIGHTING MODE」で作成された照明演出情報を照明機器に送出できるDMXインターフェイス「RB-DMX1」がお披露目された。
rekordbox™専用DJコントローラーの最新型「DDJ-1000」は、プロフェッショナルDJから支持されているPioneer DJ社のDJプレーヤーCDJ-2000NXS2及びDJミキサーDJM-900NXS2と同じパーツをジョグの外観から内部構造に使用し、ボタンとノブの配置の踏襲と同様の操作感をコンパクトボディに凝縮し、かつDJ設備の無い場所への持ち運びできる高い可搬性を持ったモデルとなっている。
ジョグの中央に搭載された高精細液晶ディスプレイでは、再生時間、BPM、波形などの楽曲情報や、現在再生位置から「HOT CUE」や「LOOP」の設定ポイントまでの距離を小節単位で表示する「CUE SCOPE」など必要な情報を手元で把握でき、ミックスやスクラッチなどの操作をパソコンの画面を多く見ることなく、より素早く的確に演奏ができる。そして「DDJ-1000」の魅力は何と言っても、DJMシリーズで好評のBEAT FX 10種類に加えて新しく追加された4種類の新エフェクト「LOW CUT ECHO」「ENIGMA JET」「MOBIUS (SAW)」「MOBIUS (TRIANGLE)」の搭載にある。既存のエフェクトよりも効き方がマイルドでクセも少なく、ロングミックス中でも使いやすいエフェクトとなっている。またBEAT FX部分に専用ディスプレイが付いているため、エフェクト名や拍情報などをPCの画面で見ることなく、DJMシリーズ同様に手元で把握できる。また、プロフェッショナルDJ/クラブ向け2ch DJミキサー「DJM-S9」に搭載の「MAGVEL FADER PRO」の設計思想を踏襲した、操作可能回数1,000万回以上の高い耐久性とスムースな動作を備えた新しい「MAGVEL FADER」がクロスフェーダーとして実装されている。
「DDJ-1000」は、ジョグやクロスフェーダーの操作に対するソフトウェア処理も徹底的に見直しされて、操作に対する音声出力の追従性が大幅に向上しているため、テクノ/ハウスのDJだけでなく、スクラッチパフォーマンスをするDJの方でも満足できる高い演奏性が実現されたDJコントローラーとなっている。
そしてもう一方の「RB-DMX1」は、2月20日に公開予定のrekordbox™最新ヴァージョンに搭載される「LIGHTING MODE」で作成した照明演出情報を、手持ちのDMX512(舞台照明機器等の制御に利用される通信プロトコル)対応照明機器に送出し、誰でも簡単にエンターテイメント性の高いDJプレイを実現できる専用インターフェイスだ。
近年、世界各地のパーティー会場やアミューズメント施設などで、DJプレイと同時に証明演出なども行う、通称「モバイルDJ」の間では、よりエンターテイメント性の高い照明演出が求められているという。それには多くの手間を要していた照明演出の事前準備時間が必然的に必要となるわけだが、rekordbox™の最新機能「LIGHTING MODE」は、rekordbox™ Ver 5.1で搭載した「フレーズ解析」を応用することで、楽曲のフレーズ毎に効果的で、かつDJパフォーマンスに同期した照明演出を自動で作成し、手動で準備をする時間と手間を大幅に削減してくれる。「RB-DMX1」はPC/MacとはUSB接続ができ、コンパクトでつなぎ目のない頑丈なアルミ製の本体と端子部分を保護する形状の筺体のため、様々な環境で活動するモバイル DJが安心して手軽に持ち運ぶことが可能となっている。
もちろん、自動作成された演出パターンをより思い通りの照明演出へとカスタマイズすることができる「MACRO MAPPING」、時系列に沿って照明演出を直感的に編集できる「MACRO EDITOR」 も搭載されている、
「MACRO MAPPING」では、照明機器の動作や照明演出の色調を可視化したサムネイル画像のプリセットパターンから好みの照明演出パターンを選択するだけで、イベントの雰囲気や、リクエストに適応した照明演出を僅かな時間で調整することができ、「MACRO EDITOR」 では、波形やビートグリッドなどの楽曲解析情報を確認しながら、より細かな照明演出を作り込むことができます。直感的なGUIで楽曲に則したリズミカルな照明演出を簡単に編集することができるという。
「RB-DMX1」は、AtlaBase Ltd(AtlaBase社)の、13000種類以上の照明機器の情報を保有している照明機器ライブラリを採用しており、現在流通している幅広いメーカーのDMX照明機器に対応している。「FIXTURE LIBRARY」に登録されている照明機器を用いて、複数の照明機器設定を作成・保存することができる。いかなる照明機器設定を用いる場合でも、作成した照明演出を自動的に再現するように設計されているため、イベント会場の規模や用途に応じて柔軟に照明機器設定を変えることもできるようになっている。手持ちの照明機器の情報が登録されていない場合は、Pioneer DJ社のフォーラムから登録と申請することができるので、長期的な活用もできるというわけだ。