HOW TO VM-50 feat. TAKASHI TESHIGAWARA a.k.a. Tessie
2021.12.27
ーー 本日は〈Pioneer DJ〉の最新モニタースピーカー「VM-50」をご使用されている方に実際の使用感などを伺おうということで、プロデューサーのTessieさんのスタジオにお邪魔しております。ではまず自己紹介をお願い致します!
Tessie: 音楽プロデューサーのTAKASHI TESHIGAWARA a.k.a. Tessieです。 こちらのmusic bar & studio Apt. の経営もしております。よろしくお願いします。
ーー では早速なんですが、Tessieさんが使用されている〈Pioneer DJ〉のVM-50の気に入っている所を教えてください。
Tessie: 以前にも他社の5インチのモニタースピーカーを使っていたんですけど、VM-50だと結構ローエンドの部分がくっきりしていて使い易いなという印象です。
ーー そもそもモニタースピーカーを選ぶ時に重視してるポイントはどういう部分ですか?
Tessie: 制作をする上でフラットに音が出た方がやっぱり作り易いなという部分と、あとは見栄えとかも含めてスタジオに馴染むかどうかも大事なので、デザインの要素とかも結構気になりますね。
ーー Tessieさんは普段どういうジャンルのトラックを作られてるんですか?
Tessie: 僕が普段作っているのは、上音が結構アンビエントな感じのもので、ビートはずっしりとくるような、ビートミュージックを作ってます。
ーー アンビエントっぽい上音と、ずっしりくるビートのトラックをVM-50で聴いた時のバランス感は実際いかがですか?
Tessie: VM-50はやっぱりローエンドが結構しっかり出ますし、トラックを構築していく時に下の音を作ってから上音を重ねていくのでミックスは凄くし易いですね。
ーー このスタジオではトラックを作る以外に、普通にリスニングもされるかと思うんですが、どういうジャンルの音がVM-50と相性が良いと感じましたか?
Tessie: 全般的に言うと、ダンスミュージックが良いのかなって思いました。ドラムがはっきりしてるような楽曲が相性が良いのかなっていう印象ですね。
ーー このVMシリーズには、「DSPコントロール」というスピーカーのEQみたいな機能が付いてるんですが、Tessieさんは使っていますか?
Tessie: 使っていますね。他のスピーカーには無い珍しい機能で、楽曲制作をする時にはLOWをL2、HIGHをH2にしてフラットな状態にしています。あと制作した音でビートライブをしたりするんですけど、その時はHIGHをH4にして、LOWもL4にしてベースがキツく鳴るようにして、ちょっとテンションを上げてライブセットを組んだりしますね。
ーー マックスの設定でライブセットの準備をしているんですね。そうすると、もう少し現場の雰囲気とか音の鳴りを意識しやすくなりますか?
Tessie: そうですね。セットリストを組む時に現場のテンションに持っていって、曲順を決めたりとかしたりしてます。あと、これDSPコントロールのツマミが後ろにあるんですけど背面がセットし易くて、見ずにも簡単にツマミを調節できるってのが凄く利点だと思いますね。
ーー アーティストとしてトラックをプロデュースしたり、それをライブセットで披露する場合の使用法をここまでお話しいただいていますが、TessieさんはCMの楽曲も作られているのですよね。CM用の楽曲をリファレンスする時にDSPコントロールを変えることもあるのでしょうか?
Tessie: CMの楽曲も作り始める時はフラットで作るんですけど、今だとやっぱりスマートフォンとかPC、あとはテレビだったりとか皆さん色んな環境で耳にすることが多いので、そういう時にはリファレンスチェックとして最小設定のH1とL1にして、真ん中に寄せて作ったりもしていますね。
ーー 最初に、スピーカーを選ぶ基準の話をしていただいた時に「スタジオに馴染むかどうか」と仰っていたのですが、VM-50のデザインは使っていてどうですか?
Tessie: このフロントのアルミバッフルが凄い良いなって思いますね。あと僕はスタジオの雰囲気で黒を選びましたけど、VM-50は白も出ていて、白だと住環境とかに合わせて選べるのかなと思いました。スピーカーがあると結構な存在感ですけど、主張し過ぎない白とかは、女性とかでも選び易いのかなって思いますね。
ーー 確かにフロントのアルミバッフルはVMシリーズの大きなポイントですよね。
Tessie: これ凄いですよね。なかなかこの価格帯でアルミバッフル 4mmを使っているのは、凄い企業努力だなって思います。
ーー そしてやっぱりスタジオというだけあって機材が多くてワクワクしますね。折角なので並んでいる機材をご紹介いただけますか?
Tessie: DAWはAbleton Liveを使っていて、コントローラとしては同じ〈Ableton〉のPush 2を使うことが多いですね。あとはフィールドレコーディングとかで〈SONY〉のレコーダーを使ったりしてサンプルしたり、後はVST(Virtual Studio Technology)のシンセとかもいっぱい入っているんですけど、〈MORG〉のSub Phattyでベースを入れたりとか、あと〈KORG〉のmicroKORGもよく使っていますね。あと少し音を汚したい時は、〈Roland〉のSP-404を通したりとかしてます。
ーー Tessieさんがずっと使っていて思い入れのある機材はどれですか?
Tessie: やっぱりSub Phattyが1番ですね。曲の中でも一箇所で、基本的にベースに使っているのですが、隠し音で使うこともありますし、登場回数が1番多いのかなっていう感じですかね。
ーー ここはエフェクターですか?
Tessie: そうです。これがTIMELINEって言って〈Strymon〉っていうところから出てるディレイで、こっちがBigSkyっていうリヴァーブですね。結構ギタリストの人とかが使うエフェクターなのですが、僕は結構DTMで通しちゃって使ってます。
ーー ちなみにスピーカーが、今回お話しいただいているVM-50と、もう1台ありますが、どういう風に使い分けているのですか?
Tessie: これは〈KEF〉のスピーカーですね。大体、作り始めの時は内側のVM-50を使ってフラットな音で制作をしていて、レンジの確認とかそういう部分をチェックしたい時にどんどん〈KEF〉のスピーカーに切り替えて、両方で聴きつつヘッドホンとかも使ってミックスしていってます。
ーー Tessieさん的にご自分のスタジオのお気に入りポイントはどこですか?
Tessie: お気に入りポイントは、逆にこの狭さと言うか、手が届く範囲に機材が全部あるっていうのが制作をする上で凄くちょうど良いんですよね。コックピット感があってやり易いというか。
ーー 確かにコックピット感が凄いありますね。防音材や吸音材とかもいっぱい貼ってあって、この上にある素材も形が凄いですね。
Tessie: やっぱり狭いので、本当だったらもっとスピーカーと壁とかも距離を取りたいですけど、どうしてもこの広さだと吸音とかでカバーするしかない部分はありますね。
ーー 今日はTessieさんのスタジオにお邪魔して、色々なお話を伺わせていただきましたが、最後にTessieさんはVM-50をどういう人にオススメしたいですか?
Tessie: 価格帯的にもコスパが凄い良いので、やっぱりDTMをこれから始める人とか、DJを始める人とかですかね。VSTを買ったりとか、楽曲とかレコードを購入したりで、それぞれにお金を使わなきゃいけないところもいっぱいあるので、そういう人たちがそういった部分にもお金かけつつも、モニタースピーカーを購入できるという部分で、このVM-50はコスパが最強だと思いますね。
ーー ちなみに今日お邪魔させていただいているこのスタジオ、ちょっと変わった造りになってるんですよね?
Tessie: そうなんですよ。実はスタジオの表側はバーになってて、夜は“music bar Apt”としてもやっていて、DJさんに入っていただいて音楽をかけてもらったりとかお酒も飲めたりとかします。昼はこのスタジオで制作したり、レコーディングもできたりするっていう、結構変わった造りになっています。秘密基地感があるっていう。
ーー こちらのスタジオはTessieさんにお願いすれば使えるのですか?
Tessie: そうですね。制作の方ではお貸ししていないんですけど、結構ラッパーさんとかシンガーさんとかが声を録りに来たりとか、あとナレーション録りとかも最近は増えています。
ーー お店にお酒を飲みに遊びに来つつ、スタジオでレコーディングもできて、この場所から輪が広がっている感じですね。
Tessie: music bar & studio Apt. は祐天寺にあるのですが、周りにはミュージシャンとかアパレル関係の人とかも結構住んでいるので、皆さん集まって交流の場になってる感じです。
ーー ではこのインタビューをご覧いただいた方は、ぜひmusic bar & studio Apt. に足を運んでいただけたらということで、本日はありがとうございました!
TAKASHI TESHIGAWARA a.k.a. Tessie
岐阜県出身の音楽プロデューサー、コンポーザー/DJ。日本人感性を大切にした 心地よいグルーヴ、特異なBEATに描かれるサウンドスケープはディープで革新的。ジャズやラテン音楽、電子音楽の影響を強く受けており、Hip Hop、Electronicaを中心にあらゆるジャンルを横断する唯一無二のアーティストだと称される。
大阪でキャリアをスタートした後、NEW YORKに渡り、帰国後は東京を拠点とする。アーティストの楽曲提供や企業CM制作、リミックス、音楽監修など多方面で活躍する。
music bar & studio Apt.の代表も務める。
TAKASHI TESHIGAWARA a.k.a. Tessie Instagram: https://www.instagram.com/tessie_tatata/
music bar & studio Apt. Instagram: https://www.instagram.com/apt._yutenji/