Andrew WeatherallがMinistry of Soundのミックスシリーズ「Masterpiece」を発表!!!

Link : http://jp.residentadvisor.net/news.aspx?id=16361

 

このニュースを聞いて、世界中のAndrew Weatherallファンが狂喜したハズ。

僕も、そんなAndyファンの1人です。

今週、日本でもこのCDが発売ということで、1人のAndrew Weatherallファンとして、この作品について書こうと思います。

月に1、2回はAndyのプレイを生で体感してるので、それなりに説得力はあるはずです。。

酒の肴程度に読んでもらえれば幸いです。

 

 

「Masterpiece」は、Giles Peterson, Fabio&GrooverideやFrancois Kなどが過去に監修を務めた、Ministry of Soundのミックスシリーズ。

Ministry of Soundと聞くと、王道のメジャーなダンスミュージックというイメージですが、この3枚組のミックスシリーズは他のMinistry of Soundのミックスシリーズとは一線を画して、アーティストの個性が強く打ち出された作品だと個人的には思います。

 

そして今回のAndrew Weatherallによる「Masterpiece」を語る上で、大事なキーワードは”A Love From Outer Space”とThe Drop”。

A Love From Outer Space(以下ALFOS)は、Andrew WeatherallとSean Johnstonの二人が、毎月第三木曜日に北ロンドンのStoke Newingtonに位置するパブの地下でホストを務めるパーティーの名前で、この作品中でも1枚目の1曲目と、3枚目の最後の曲に違ったバーションで収 録されているA.R.Kaneの楽曲『A Love From Outer Space』が名前の由来と言われています。

 

開場となるキャパ100人くらいの小さなベニューの名前が”The Drop”。ちょうど2年くらい前からひっそり始まったイベントで、木曜日の夜10時から深夜2時までの4時間、レジデントであるAndyとSeanの プレイを満喫できる贅沢なマンスリー・パーティーです。

最近では、新聞やラジオで紹介された事もあって、毎回入場制限がかかる程の人気パーティーになりましたが、始まった頃はフロアに50人から60人く らいしかいなくて(しかもロンドン、ハウス、ディスコ界の重鎮ばかりの少数精鋭達)、2回目の開催にはPrimal ScramのBobby Gillespieが友情出演としてDJで現れるというサプライズなどもありました。 そんなALOFOS@The Dropに2年くらい、ほぼ毎月かよい続けています。 そしてその経験から、はっきり言える事は今回のミックスCDは、ALFOS@The DropでのAndyのプレイがそのまま3枚組のCDになっているという事です。しかも丁寧に、CD1がEleven O’Clock Drop、CD2がTwelve O’Clock Drop、CD3がOne O’Clock Dropと時間帯ごとに区切られて、いつものAndyのプレイがそのまま自宅で楽しめるという贅沢な3枚組のCDです。ALFOSは10時に始まるのに Ten O’Clock Dropがないのは、いつもその時間にSean Johnsonがプレイしているからです。

 

Andyが、ゲストとしてALFOS以外のイベントに出演している時の選曲は、パーティーによって異なりますが、もっとテクノよりだったり、アシッドだったり、たまにロカビリーだったり、レゲエだったりします。

Hardway borsの片割れである、Sean Johnstonと二人でALFOSを始める前は、Ivan Smaggheと二人でWrong meetingというイベントをやってたAndyですが、あの頃と比べるとBPMが極端に遅くなったのが、最近のAndyのALFOSでのプレイの特徴で しょう。ALFOSではいつもBPM105くらいからスタートして、BPMが120を越える事のないままパーティーは終了します。

そして去年からALFOS名義で、Sean JohnstonとのB2Bでフェスティバルに出演するなど精力的に活動を続けている二人。

Seanは、Hardway Brosとしてより、ALFOSとしての方が、活動が活発な気すらする。。

そんなA Love From Outer Spaceを体感できる、今回の「Masterpiece」は現在進行形のAndrew Weatherallを知れる貴重な音源です。

 

 

長々と書いておりますが、簡単なディスクごとのレビューをここからは書いていきたいと思います。

 

<Eleven O’Clock Drop>

とにかく激ヤバのCDなんですが、いきなり気になったのは1枚目の1曲目。本人から聞いてないので違うかもしれませんが、歌ってるのはAndrew Weatherall自身だと思うんですよね。The AsphodellsはAndrew Weatherallと彼のスタジオミュージシャンである、Timothy J Fairplayからなるユニットなんで、たぶん本人でしょ。

そして1枚目はAndyの素晴らしいremixトラックが多くの割合を占めていますが、それに埋もれないように、際立って怪しい輝きを放っているの が、5曲目Craig Bratley / Birdshellと、8曲目Chida / Danca。Chida氏本人には、お会いした事無いんですが、いつもこの曲はThe Dropで聞いて、踊らせていただいております。そして勿論ですが、AndyがRemixしたトラック達も、アシッドなベース、暗黒ディスコ・ダブ・サウ ンドが暴れ狂う激キラーチューン達です。1枚目の全体的な印象としては、The Asphodells、Timothy J Fairplay、Hardway Brosと身近な仲間達のトラックとAndyが手掛けたremixに厳選されているので、非常にまとまった感じがします。

 

 

<Twelve O’Clock Drop>

すでに10回くらい、このCDを3枚続けて聞きましたが、比較的にベースがヘビーではないのが2枚目。

1枚目と3枚目に比べて、暗黒な要素が抜けて、浮遊感が漂いコスミックでパーカッシブルな印象です。個人的に一番知らない曲が多かったのも2枚目。 ハイライトは、気だるいボーカルラインがツボな4曲目、Bonar Bradberry / You were awayから、跳ねるシンセの音が気もちいいRudy’s Midnight Machine / Ecstatic Love Grow、そしてインドネシア人プロデューサーのKen AdhityaによるプロジェクトMidnight Savari / Phantom Galactonへの流れは何回聴いても鉄板です。そして、9曲目Cut Copy / Sun GodのAndy remixはもちろん言うまでもなくALFOS@The Dropのアンセムの一つではないでしょうか。美しいピアノの旋律とトライバルなドラムを交差させ宇宙飛行へと誘ってくれる2枚目の最後の曲、 Pacific Horizon / Stealing the fire from Heave。この曲はTwelve O’Clock Dropを終わらせるのにピッタリハマった素晴らしい楽曲です。

 

 

<One O’Clock Drop>

1時台に突入。最後の1時間となる3枚目はALFOSのアンセムのオンパレードと言っても過言ではないはず。NY新世代アーティストBlack Light SmokeによるディープなトラックSwitchbackや、New Waveを彷彿させるボーカルものSoft Rock / Magic Milkなどが選曲されているところは注目ですが、4曲目以降は全曲がいつもフロアを爆発させているキラー・チューンばかりで、とにかくエグい。

実際に音を聞いて欲しいが、トラック後半の旋律が美しくも切ないMartin Brodin / Badabing、イタリア人デュオAjelloによるディープ・イタロ・ハウスCrystal Babeあたりから、グイグイと最後のラストスパートが始まり、6曲目のName in Lights/ Ur Oskunni、7曲目のBrioski / Radio Anatomyで荒れ狂う暗黒のビート。そして8曲目のToddla T with Roots Manuva /Watch me Dance (Roots Manuvaの声はremixなんで入ってないですが)のAndy remixをぶち込んでくるあたりで、もう失神ものです。さらに追い打ちをかけるように、始まる9曲目のTodd Terje /Ragyshはもう説明不要の名曲なんで放心状態。そんな放心状態を優しく包むように癒してくれるのが、Primal Scream / Uptown。

僕は今でもPrimal Screamの最高傑作はScreamadelicaだと思っていますが、AndyとPrimal Screamは20年以上ずっと仲いいみたいです。そして、最後の曲は冒頭でも説明したA Love From Outer Spaceのテーマ曲A.R. Kaneによる”A Love From Outer Space”。

MixCDの一番始めと一番最後に同じ曲を違うバージョンで入れるなんて素敵ですよね。

 

 

 

気が付けば、大変長い文章になってきてますが、もし僕が3曲だけ、A Love From Outer Spaceの代表曲を選ぶとしたら、

 

1 Teengirl Fantasy – Cheaters (John Talabot’s Classic Vocal Refix) 

2 Toddla T with Roots Manuva /Watch Me Dance(Andrew Weatherall remix)

3 Todd Terje / Ragysh

 

なんですが、何故か今回のMasterpieceにはTeengirl Fantasy – Cheaters (John Talabot’s Classic Vocal Refix) が収録されてません。

ここ1年以上、彼がALFOS@The Dropでプレイしなかったのを見た事がないくらい、もっとも盛り上がる曲なんですが、これは現場だけのエクスクルーシブという事で、あえて収録しなかったのかについては、次回会った時に聞いてみようと思ってます。

個人的にはどこかに入れて欲しかったですけど。

 

 

最後に告知です。

Andrew Weatherallが、7月に開催される代官山UNITの8周年に登場します!!!

僕も年内にブックしようと、ずっと交渉してたんで正直悔しいんですが、日本でAndyを見れる機会は多くないので是非体感してみてください。

マジで悔しいですけど、UNITにAndyはハマると思うので。

いいな〜、UNITの周年行きたいなー