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LONDON RIOTS

  • 2011.8.10

ロンドンの街が大変な事になってます。

僕は暴動があったHackneyに住んでいるので、現地の状況を日本に届けられればと思い、久しぶりにblogを書いてます。

 

その前にひとつ告知となりますが、先週の金曜日にGlastonbury 2011のレポートがHigher FrequencyにUPされました。

世界最大のフェスティバルについての10,000字レポートと言うと響きが大袈裟ですが、僕の目線から観たゆる〜いフェスティバルレポートです。

ビールでも飲みながら好きな音楽をBGMに読んでもらえれば幸いです。

 

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Glsastonbury Festival ’11

https://www.higher-frequency.com/highlight/4342

 

 

さてさて、本題の暴動の話です。

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今回の暴動については、先週の木曜日にギャンググループと予想されているMark Dugganを警察が射殺した事が発端と報道されてますが、土曜日の昼に人権団体が抗議活動を行っていた時点では暴力的な事件は起きていませんでした。

土曜日の夜になっても警察から正式な謝罪がないという理由で、ロンドン北部のTottenham地域の一部のギャンググループが追悼という1人の男性の死を理由に暴れ始めたのです。

しかし、今回の暴動にいちばん腹を立ててるのは、事件の発端になった抗議活動をしていた人権団体だそうです。

そして彼の遺族も彼の死を暴動の口実に使われる事を遺憾に思うと声明を出しています。

 

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Mark Duggan

 

遺族の切実な思いは暴徒には伝わらず、翌日にはTottenhamから飛び火した暴動はBrixtonやWalthamstow、そしてOxford Circusなどのセントラルロンドンにまで広がりました。

僕は日曜日の時点では、現在の様な混乱を予想してなくて「暴動あったらしいね」って他人事のように言っていたのですが、twitterなどのソーシャルネットワークが騒がしくなり始めて暴動が拡大している事に気が付きました。

友達とそんな話をしていると、燃えた車がレッカーされて目の前を走り去って行ったのを見てこれはヤバいかもとさすがに焦りだした。

 

そして、月曜日の昼に家の最寄りの大型スーパーがあるHackney Centralに行く途中で、街の異変に気が付いた。

Mare Streetのお店が全てシャッターを降ろして閉店している。銀行から飲食店まで全てである。

そしてHackney Empierの前には警察のバスが10台くらい並んで停車してるのを見た時は、「Hackneyにも暴動が来る」と安易に想像ができた。

家でBBCのニュースを見てると、さっきまで買い物していたHackney Centralでは警察とギャングがすでに衝突していた。

そしてヘリコプターからの映像では、僕の家も移ってるくらい近くで暴動が始まった。

目の前で起こっている暴動を写真を撮りたい気持ちに掻立てられて、カメラを持って飛び出したのが全ての間違いでした。

 

家から出て1、2分くらいのところで、すでにショッキングな事件は起きていました。両替所や宝石店などはシャッターを破られてガラスも割られ、どんどん中の商品やお金が盗まれてました。

同時多発的に行われている破壊行為と略奪、そして駐車されている車やバイクは燃やされてました。

BBCで繰り返し映されていた映像は、警察と一部の破壊行為だけでしたが、実際はお店が片っ端から破壊行為の標的となっていました。そして驚いたのはほとんどが10代の子供の犯行だということです。

中にはどさくさに紛れて、壊れされた電気屋やゲームショップから商品を盗んでいる大人も紛れていましたが、

僕の家の近くにあり、先週のセールで買い物して来たCarharttのアウトレットも完全にやられたみたいです。

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被害現場には警察がいる所もありましたが、大体は暴徒達が逃げた後に到着した様子で多くの店が被害を受けていました。

さらには、家を燃やしたりする悪質な輩まで現れる始末。警察は圧倒的に数が足りてなく、暴動は広がるのを阻止する事はできてなかったのが現状だと思います。

そして僕にも悲惨な事件が起きました。まわりの忠告を無視して、騒ぎが起きてる所を追いかけながら撮影していると、暴動に巻き込まれ黒人ギャングに囲まれてボコボコに蹴られた挙げ句にカメラを強奪されました。(涙)

なので、今日ここで紹介している写真は僕の写真ではなく、インターネット上から拾ってきた写真です。

ショッキングな瞬間をたくさん撮影していたので、非常に残念です。

カメラは保険で返ってきますが、写真は返ってこないんで。。。

とりあえず体が無事でよかったですが、親父狩りにあった方々の気持ちが少し理解出来ました。

 

現場から逃げるように警察署に駆け込むと、僕と同じような状況の人がたくさん詰めかけていました。

ちなみに土曜日は一日で999(警察への通報)が20,000,000件以上あったあそうです。

ここで始めて、「暴動に近づいてはいけない」という事を体で学びました。

そして、もちろんそのまま家に帰って狂ったように酒を飲みました。

 

 

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そして、今日起きると音楽ファンにとっては大変ショックなニュースが飛び込んできました。

多くのインデペンデントレーベルを取り扱うディストロビューターPIASの倉庫が、SONYの倉庫と一緒に燃やされている映像です。

 

 

PIASでは、WARP, NINJA TUNE, ROUGH TRADE, Buzzing Fly, Sunday Best, Sub-Pop などの多くのインディーレーベルを扱うディストロビューターだっただけに、音楽ファン、そしてレコードファンにとっては多大なる文化の損失であり、音楽に 対する侮辱であります。

 

これには、さすがに憤りを隠せなかったが、燃えたものは燃えてしまったのである。

非常に残念ではあるが、PIASを助ける為には彼等のwebsiteでデジタル音源を買う事くらいしかできないのが現状。

PIAS http://www.pias.com/uk/

 

 

さらに昨夜の間にロンドンから、バーミンガムやブリストルなどにも暴動は飛び火した。

今日も日が暮れるまでは静まり返った街も、夜になって騒がしくなり始めた。

マンチェスターでも大規模な暴動が発生してい他、イギリスの多くの都市にも影響が出ている模様。

暴動一層する為に市民が立ち上がり、昨夜は6000人動員されていた警察も、今夜は1,6000人に増えるらしく家のまわりでも警察を乗せたバスが数10台で列を作って走ってている状態。

パトカーや救急車は走り回っているし、暴動の勢いは収まるどころか加速する一方だ。

 

そんな中、イタリアで休暇中だったキャメロン首相も休暇を切り上げて帰国。

しかし同じくホリデー中だったロンドンの市長、ボリス・ジョンソンは休暇を切り上げるつもりはないと発言。

もちろん世論はボリス市長を激しく批判し、最終的にはホリデーから帰って来たが、

本当にロンドンは大丈夫なのか???

 

 

つづく