ポストロック風のサウンドとともに元素の結合を刹那的なダンスフロアの出会いに見立てたビデオクリップ。分子が引き離されて別の元素記号の原子とくっついて違う分子になったり、それをぽかーんと眺めている取り残された原子の表情が印象的です。

 

ははは、楽しくこんな風に化学を勉強できたらよかったのになあ・・・、なんて思いながら見ていて最後にびっくり。

 

このビデオクリップを制作したのはEuropean Commission、日本でいえば学術振興会みたいな研究に助成金を出す機関です。そこが、研究者になる若い人たちにアピールするためにこんなビデオを作ってるんです。題名からして”Chemical Party”ですから、ドラッグを連想させるので、こんなもの日本で作ったら、即怒られますよね・・・。

 

このビデオはあるオランダ人の友人(エコロジーの研究者、キノコに興味がある)から教えてもらったんですが、「なんで驚くの?科学に興味を持ってもらえるでしょ?」って言ってました。

 

ちなみに先日のAmsterdam Dance Eventでも、行く先々にドラッグの危険性を啓発するポスターが貼ってあったのですが、

 

Jpeg

 

「喉が渇いた時でも、エクスタシーをやっている時は1時間に2杯の水までにしましょう」

 

ドラッグやってはいけません!ではなくて、もしやるなら死なないように気を付けよう、という注意書き。どんだけ現実的なの?と驚いてしまいました。ほかにも、アムステルダム市の警告で「旅行者のみなさん、道で売人からドラッグを買わないでください。ヘロインとコカインが入れ替えられていて、昨年○人が死にました。」というメッセージを道で見ることもあります。

 

日本の保守的な人が考える、ディスコ=ドラッグ=不健康、というとんでもない穿った見方の図式がありますが、これは日本と比べてどうのという問題ではなく、もう全然考え方が違いすぎてついていけません。ヨーロッパ5年ぐらい住んでても、驚くことは多いです。