HigherFrequency ハイヤーフリケンシー

Andrew Weatherall

INTERVIEW

Andrew Weatherall

  • Text & Interview : Kenjiro Hirai

  • 2016.2.26

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2

最高のオヤジから教わる、最高へのこだわり[vol.1/2]

僕がクラブに行くことができる年齢になったのは、2年前のこと。PCの画面やレコードを通して憧れを抱き続けていたものだから、初めてクラブに行った時のことは今でも鮮明に覚えている。最初は遊び慣れた大人にばかり囲まれていたが、最近は僕と同じ、もしくは少し上世代のオーガナイザーによる素晴らしいパーティーも増えてきた。ちょうど、この文章を書いている今週末もフレッシュなパーティー『apostrophy』に足を運ぶ予定で、きっと素晴らしい夜になるはずだ。クラブは常に若い人のもの、とまで言うつもりはない。しかし、(若い力の先達を)食ってしまわんばかりの勢いを感じながら、シーンはこうして循環していくのだと思う。

 

自分より歳上の人の方がはるかに多いクラブシーン……と言っても、自分の父親と同じ歳の人に会うことはそう多くはない。だから僕のような若輩者にとって、あるいは多くのクラブの先輩諸兄にとっても、約30年もの間、UKのアンダーグラウンドに居続けるAndrew Weatherallは、「御大」あるいは「大ボス」や「ゴッドファーザー」と呼びたくなるような人だ。

先日、本人名義としては7年半ぶりにリリースされたアルバム『Convenanza』や、90年代からAndrew Weatherallと付き合いのあるUKのアシッド・フォークのシンガーNina Walshとの共同名義であるTHE WOODLEIGH RESEARCH FACILITYの新作『PHOENIX SUBURB(AND OTHER STORIES)』を聴けば、その30年のキャリアの中で揺るぎない彼のこだわりを知ることができる。ダブやディスコやパンク、エレクトロニックミュージックを余すことなく土台に置いた彼の新作の濃さは、クラビングを始めたある若者には衝撃を、ずっとクラブシーンを見てきたベテランには思わずニヤリとさせられてしまうような、Weatherall節を感じさせてくれるはずだ。Andrew Weatherallは、いつの時代もAndrew Weatherallとして背中を見せてくれている。

 

多くのクラバーが彼を畏敬を込めた言葉で呼びたくなるのは、ただDJ/プロデューサーとしてのキャリアが長いからではない。素晴らしいクリエイターであると同時に、その30年の長きに渡ってこだわり続けた人としての感性、蓄積がそうさせるのだ。彼が10代の頃から愛する19世紀末~20世紀初頭のエドワーディアン・スタイルを基調にした、厳格そうなその風貌や、勤勉な読書家であるがゆえの博識に基づく語り、そして彼が主催する南フランス・カルカソンヌの古城を舞台としたパーティー、『CONVENANZA FESTIVAL』。僕らが触れる彼の全てが、安っぽく消費されていく流行ではなく、不変の良さのさらに深みに潜っていくような、彼の心意気を感じさせてくれる。その姿勢を、1人の最高に格好良いオヤジの姿だと思わずにはいられない。

 

格好良いオヤジの話は、時に若者にとって代え難い気付きを与えてくれる。Andrew Weatherallの言葉も、若いクラバーに新たな視界を開けさせてくれるだろうし、自分はもう若くないと思っている人には「自分もまだまだこれからだ」と思わせてくれるようなエネルギーがあるに違いない。今回お届けするインタヴューは前後編に渡るが、その長さに比例する以上に興味深い、主催するパーティーや愛するファッション、街、文学へのこだわりの話を聞くことができた。

特に以下の前編では、主催する『CONVENANZA FESTIVAL』へのこだわりや、彼のパーティー観について語っている。最高のオヤジ、Andrew Weatherallが冗談を交じえながら、真剣に僕たちに語ってくれた、その言葉をしかと受け止めていただきたい。

 

 

 

ーーあなたが主催した『CONVENANZA FESTIVAL』は、精錬された優雅さと怪しい雰囲気が同居した古城で行われたそうですね。そのシチュエーションは、あなたが生み出す音楽や、あなたが好むファッションとマッチしていると感じていますが、そこはご自分でも同感ですか?

 

Andrew Weatherall:そうだな。俺は優雅で、かつミステリアスな人間だからね!

 

 

――(笑)。

 

Andrew Weatherall:はっはっはっはっ!そう形容したのは君の方じゃないか!

 

 

――ええ、そうですね(笑)。

 

Andrew Weatherall:冗談はともかく……。その優雅で怪しい雰囲気ってのは、歴史が反映されたものなんだろうね。あの城は築900年でね。だから、あそこでイベントを開催させてもらえる、それ自体が非常に光栄なことだよ。その一方で、向こうが俺にフェス開催を認可してくれるのは、俺自身に古城の歴史への理解があることを先方も分かっているからじゃないかな。俺はあの城の持つ歴史を知っているし、だから軽々しく考えたりしていない。そもそも、あのフェスを「CONVENANZA」と呼ぶのだって、かつてあの城塞の中に住んでいたカタリ派(10世紀頃にフランス南部/イタリア北部を中心に広がった宗教的集団で、キリスト教から異端視され弾圧された)が執り行っていた、「超越」を意味する儀式=CONVENANZAにちなんでいるんだ。だから自治体の側も、俺が歴史をリスペクトしていて、あのエリア(南仏カルカソンヌ県)の歴史への敬意とある程度の知識を持っている奴だと承知してくれていると思う。俺は歴史に対して強い興味を抱いている人間だし、その意味でも、あそこでフェスをやらせてもらえるのをとても名誉なことだと思っているよ。

 

 

――では、その『CONVENANZA FESTIVAL』へのあなたなりのこだわりを教えてください。

 

Andrew Weatherall:とにかくこちらとしては、確実にサウンドを良いものにしたいし、良い音響を提供しようとしているよ。やっぱり難しいからね、12世紀に建てられた古城の中庭で良いサウンドをモノにするのは。

 

 

――そうでしょうね。何か特別なことをしてるんですか?

 

Andrew Weatherall:100フィートもの高さの石壁に囲まれているしさ。だから、フェスのプロダクションチームは実に優れた仕事をしてくれているんだ。たくさんの人々が「いかにサウンドが素晴らしいか」とか、プロダクションの面を誉めるコメントを残してくれている。それはすべてチームの功績だよ。バーニー・ファブロウって奴が仕切ってくれていて、彼がフェスの実務面での運営について、俺を補佐してくれている。あの古城自体が素晴らしいヴェニューなわけだけど、やっぱりサウンドもアメイジングじゃなくちゃいけない。そのためには、色んな面をきちんと処理する必要がある。フェスのチームは、コンピューターを使ってディレイやスラップバックエコーだのを算出して、パーフェクトな音響を作り出してくれている。というわけで、これは「現代の魔術」なんだ。かつて古代の魔術/儀式が行われた場所で、俺たちはモダンなマジックを行っている、と。

 

 

――ちなみに、それら以外の点で何か気を遣っているところは? 例えばフェス全体の雰囲気をフレンドリーなものにしよう、だとか。

 

Andrew Weatherall:雰囲気は狙って作れるものじゃないと思うけど、あのフェスに来てくれるお客は基本的に優秀な人たちで、「音楽に熱心な連中」だっていうのかな? 開催の告知もそれほど派手じゃなかったし、勘違いしたバカども、「このフェスに行くのがクールだから行く!」や「ファッショナブルだから行こう」みたいな考えのアホな連中は寄ってこない。要するに、俺のフェスでは、音楽はそっちのけでセルフィーを撮るのに必死な類いの連中にはあんまり出くわさない、と(苦笑)。

 

 

――分かります(笑)。

 

Andrew Weatherall:はっはっはっ(笑)。例えば人々は、とある著名なフェスに参加して、そこで「証拠」のセルフィーを撮ったら、「リストの条項のひとつを無事消化した」とばかりに、また次に開催されるフェスに移動してしまう。じゃあ何故その人間がそのフェスに行ったのか、そこにはちゃんとした動機が無い。ただ、あのフェスにはもうちょっとエクストラな何かがある。俺たちのフェスに来てくれるクラウドは、その開催地の持つ歴史に対する理解と敬意もちゃんと持っているような人々だからね。かつ、彼らは音楽にハマってるタイプの連中だし。

 

 

――「フェスでキめまくる、やんちゃになる!」が目的じゃないっていう。

 

Andrew Weatherall:そういう連中だってもちろんいるよ(笑)。ただ、そんなことをする必要すら無いんだよな。あの古城を目にする、その経験だけでもかなりファンタスティックなものだから。音楽を流すまでもなく、そもそもあの城自体に秘教的な、奇妙に超越したような雰囲気が備わっているわけだからね。

 

 

 

――「CONVENANZA」は新しいアルバムのタイトルにもなっていますよね。フェスでの経験や体験が今回のアルバム制作に及ぼした影響はありますか?

 

Andrew Weatherall:影響はしているかもしれないけど、俺自身にはわからない。俺は計画してアルバムを作るわけではなくて、ただ音楽を作りたい時に作っているだけだからな。でもだからこそ、自分がやること全てが作る音楽に反映されているんだとは思う。無意識にフェスがインスピレーションになっている可能性はあるね。アルバムを『CONVENANZA』というタイトルにしたのは、さっきも言ったようにあの言葉が儀式と超越を意味するからだ。宗教的でない人々の儀式と超越こそが、ナイトクラブというものだからさ。

 

 

――『CONVENANZA FESTIVAL』で、あるいはその前身の『Andrew Weatherall Weekender』において、あなたが「最高だ!」と感じた瞬間について教えていただけますか(『CONVENANZA FESTIVAL』は今年で3回目となっている)。

 

Andrew Weatherall:ああ、今は『CONVENANZA FESTIVAL』名義だけど、現行のサイトではまだ2回しかやってないんじゃないかな? 古城の他のエリアでも1回やったことがあって。話を整理すると、元々はこのフェスは城の中のごく小さなエリア、城内のレストランを舞台に始まったものなんだ。

 

 

――ああ、そうなんですか。

 

Andrew Weatherall:その時のお客の数は300人で、とある週末を使って行われた無料イベントとして始まったものなんだ。第3回で、今やらせてもらっている中庭に移動したんじゃなかったかな?

 

 

――なるほど。で、それらの経験の中で、特に「これは最高!」みたいな、印象に残っている瞬間は何でしたか?

 

Andrew Weatherall:900年の歴史を持つ古城の中庭に設置されたあのステージに立つ、それ自体がもう、かなり「特別な瞬間」だよ。さっきも話したように、あのフェスは派手に宣伝していないのに人々がわざわざ来てくれるし、それこそ一種の「巡礼」とでもいうか。いやほんと、気分としては900年前に戻ったようなもんだよ。一種、宗教的なフィーリングがあるっていうのかな。だからなんだよ、フェスが『CONVENANZA』って名称なのも。CONVENANZAはカタリ派の儀式だったわけだし、ある意味あのフェスには、あの城にかつていたカタリ派のリチュアルを、同じ場所で900年後に蘇らせるような、そんな感覚がある。かなりすごい感覚なんだ(笑)!

 

 

 

――『A Love From Outer Space』(Weatherallが主催する、キャパシティ100人ほどの小規模なパブではじまったパーティー)のように、あなたは小さいヴェニューを好むイメージがあったので、大きな古城でパーティーをすると聞いた時は驚きました。

 

Andrew Weatherall:いやいや、そうは言ったって、来るお客の数は(現時点では)800人程度なんだよ! 大観衆というわけではないし、近くて親密なフィーリングはかなり残っている。

 

 

――なるほど。

 

Andrew Weatherall:どんな音楽であれ、やっぱり「近さ」を感じられる環境で体験するのがベストだよ。君の好きな音楽グループが誰なのか俺は知らないけど、やっぱり君だって、そのグループの演奏を100万人レベルのスタジアムで眺めるよりも、100人規模のクラブで観たいだろ?

 

 

――それはもちろん、小さい会場で観たいですね。

 

Andrew Weatherall:思うに、大観衆の集まるビッグなギグっていうのは、時として、必ずしもそこで鳴っている音楽そのものが重要事ではなくて、むしろ自分以上の巨大な何かの一部になる、そこがポイントだってこともあるんじゃないかな。

 

 

――確かにそうですね。

 

Andrew Weatherall:それはそれで俺にも理解できる。ただ、そうした経験は別物であって。それも一種の「超越の経験」なんだけど、それは小さくて親しみのあるギグで感じるフィーリングとは異なる、また別の形の「超越」だよ。俺はいつだって、大会場よりも小さめのヴェニューの方が好みだよ。で、それはどうしてかと言えば、単純な話、俺は大観衆の中のちっぽけな一部になるよりも、パーソナルで親密な空間の方が好きだからであって。それは恐らく、俺の個人的なエゴとも関わっているんだろうけどね(笑)。

 

 

――そうなんですか(笑)。

 

Andrew Weatherall:俺は「自分は特別だ」って感じたいんだろう。よく知られたバンド等の巨大なファン/クラウドの一部になるより、「自分はこの、まだ誰にも知られていない、少数の“ギャング”のメンバーなんだ」って風に思いたい。ところが、たとえば観客が5万人レベルの大ギグに行くと、「自分は大衆の一部なんだ」と感じる。俺自身のエゴのせいなんだろうと思うけど。

 

 

――そういうエゴを持つのは、むしろヘルシーなことじゃないかと思いますが?

 

Andrew Weatherall:まあ、それはそれでアリだよな(笑)! 親密さを保つってのは良いことだし、自らのエゴが肥大しないように自己チェックさえ続ければ、少しばかりエゴを持つのはいいかな。それと、俺が思うに、大会場のギグでは周りにいる人々、「同胞たる人類」との結びつきをもっと感じるんじゃないかな(苦笑)?

 

 

――なるほど、結びつきが少し異なると(笑)。

 

Andrew Weatherall:それは「1対1」のパーソナルな繫がりではないし、もっと大きな意味での、「人類全体」とのコネクションだ。たとえば君が小さい親密な雰囲気のギグに行くと、君はそこで自分自身との繫がりを感じる。それは君と、君自身がそこで何を感じるか、にかかっていて、だから内面との対話なわけだ。ところが、もっと大きな会場のギグに行くと、それはむしろ「自分は大いなる何かの一部だ」というコネクションを感じる経験、「人類の一部」というか、君個人以上にもっと大きなサムシングに属しているんだ。そこがポイントだよ。

 

 

――あなたが考える遊び、クラビングの本質というのは、自分自身との繫がりを感じるような体験にあるのですか?

 

Andrew Weatherall:そうだな……。俺にとっては、遊びに出かけるっていう行為、特にクラブに繰り出すのは、突き詰めれば俺にとっては……、「超越体験」を求めることだ。「自分の体内の外に自分が存在する状態」を達成しようとするんだ。

 

 

――超越体験、とはどういうことですか……?

 

Andrew Weatherall:そういった超越体験というのは、多くの場合、スモークや色彩を伴う照明効果、反復系の音楽を用いている。例えば、古代ギリシャで行われていた儀式、紀元前の2000年くらい前に遡る儀式があって。四角い部屋に人々が集まり、スモークが焚かれ、色付きのライティングと共に音楽が演奏されたんだ。俺たちは、現在のクラブを「モダンで洗練されたものだ」と考え、「こんなことをやったのは我々の世代が人類史上初だろう」なんて思っているわけだけど、実はそういう儀式は何千年も続いて来たものなんだ(笑)。かつての俺にとっての夜遊びやクラビングの本質は「超越すること」、要は自分自身の内側から逸脱するってところにポイントがあったね。

 

 

――なるほど。分かり易い例えですね。

 

Andrew Weatherall:だから、ダンスミュージックやクラブカルチャーについて書いたり論じるのは難しいんだよ。「その瞬間真っ只中にいる」という経験が非常に大きいカルチャーだからね。クラブでは「その瞬間に存在している自分」を強く感じるんだ。残りの世界や人類からはすっかり切り離された状態に陥るし、それを文章に表現するのは難しい。例え一瞬我に返って言葉を見つけても、30秒後には再び「自分だけのこの瞬間」に戻っていくわけだから、そのマインドを客観的に判断するのが非常に難しい。例えば、俺はフロアにいて踊ってる時、凄くわがままになるんだ。

 

 

――わがままと言いますと?

 

Andrew Weatherall:その瞬間は「俺だけの世界」だからね。誰かに肩を叩かれるのもイヤだ(笑)。もちろんクラビングというのはとても社交的な行為でもあるけど、誰かがフロアに立ち「この瞬間」ってものを謳歌している場面というのは、とても主観的なシチュエーションだ。

 

 

 

――では、他にどこか古城以外に、パーティーを開いてみたい場所はありますか?

 

Andrew Weatherall:そうだな……。

 

 

ーー例えば、イギリスのどこかとか?

 

Andrew Weatherall:いやぁ〜どこがあるかな? たぶん……そうだね、アイルランドのどこかとか? いや、自分でもよく分からないな。ってのも、「他のどこか」ってことを考えること自体がちょっとクレイジーに思えるっていうかさ。だから、俺は既に、地球上に残るもっとも素晴らしい場所の内のひとつで、ああやってフェスをやらせてもらえてるわけだけど、君は今「他にパーティーを開きたい場所はあるか?」と訊いているわけでさ(苦笑)。だからある意味……俺としてはもう既に「その面は満たしたな」みたいに思ってるっていうかね。それに、ぶっちゃけて言えば、俺は何も、美しい城だの建物を眺めるたびに「ワオ! ここでギグをやってみたいもんだ」なんて考えたりはしないしね(笑)! 俺はそういうことは考えないんだよ。例えば、カルカソンヌの古城にしたって、自分が最初にあそこを訪れた時に「おお、ここでパーティーをやりたいな」なんて思いすら浮かばなかったしね。だから、その意味で、イベントを依頼された自分は何てラッキーだったんだろうと思うし。そうは言っても、気になる場所はあるけどね。例えば、アイルランド南部のとあるエリアとか、あるいはスコットランドのハイランド地方ね。

 

 

ーーどうもこう、あなたは辺鄙でアクセスしにくい地域に行きたがってるようですね? オーディエンスに楽はさせない、みたいな(笑)。

 

Andrew Weatherall:あぁ、そりゃもちろんその通りだ! っていうか、そうであるべきなんだよ。さっきも言ったように、俺のフェスに来てくれる人々は巡礼者みたいなものだし、何がしかの「超越体験」を求めてどこかに向かおうとするのなら、やっぱりその過程で苦労したり、努力しないと。かつての巡礼者たちは、聖地を訪れるべくヨーロッパ全土を徒歩で移動したわけだろ? しかも裸足でさ(苦笑)。

 

 

――当時も今も頑張った結果に報いがあるということですね。

 

Andrew Weatherall:そうだ。特別な場所でパーティーをやるんなら、それは一種の「巡礼行」であるべきだと思う。だから、かつては人々にとって聖地とされていたような、そういう場所でやれればいいなと思うんだ。当時の人々の観念や思考はもはや歴史の彼方に消え去っているかもしれないけど、そうした考えを今の我々と再びコネクトさせたいね。その意味で、シルベリー・ヒル(Silbury Hill)は、俺にとってとてもスペシャルな場所だね。あれはストーンヘンジの近くにあって、今となってはでっかい盛り土みたいな見た目なんだけど。でも、塚が作られた当時は、あそこは様々な儀式の中心点とされていてね。だから、当時の人々は塚の周りを掘って水を流して、堀で囲っていた。あの丘の周縁は白墨と水とでマーキングされていて、炎を使って影だの、色付きのイメージだのを丘の側面に投影させていたんだよ。集まった人々にとってはそれが儀式だったわけ。今はあのサイトはすごく保護されていて(ストーンヘンジ、エーヴベリーとその周辺の遺跡群は英ウィルトシャーにあるユネスコの世界遺産登録物件)。だから、あそこは俺にとって特別な場所だ。もしも、仮に「イギリスのどこでも1カ所だけ、好きなところを選んでパーティーをやってもいい」と許可をもらえるんなら、うん、たぶんあのシルベリー・ヒル周辺のエリアを拠点にしたもので、かつ、あの丘のてっぺんで俺がDJするってもんだろうな。

 

 

――あなたは本当に神聖な物事に惹かれているんですね。

 

Andrew Weatherall:俺はとにかく、過去にあった「聖なる儀式」と改めてコネクションを結ぶのに興味があるね。俺たち人間は、今みたいな科学/テクノロジーの進化した時代においては特に、「人間は非常に洗練された高度な動物だ」って風に考えがちなわけだけども、実は俺たちの日常生活ってのは、今も様々な儀式に囲まれているし、「日常から逸脱する」っていう試みは今も続いているわけ。特に、今みたいに世界が不確実な状況ではその傾向は強いよね。

 

 

――今だからこそ、「日常から逸脱する」試みとしてのパーティーだということですね。

 

Andrew Weatherall:とは言っても、世界というのは常に不安定な場所だったわけだし、だからこそ儀式やスピリチュアリティといったものは、不安定に揺れる世界の中において、昔からある程度の「確実性/不変性」を象徴していた。だから俺としても、何百年も前、あるいは何千年も前に造られた建物でもいいんだけど、それらを使って過去の儀式との結びつきを再生したい、そこに残るエネルギーを使わせてもらおうと思うね。まぁ、あんまりコズミックな迷信っぽく聞こえるのは避けたいけど(笑)。

 

 

ーー「自分はヒッピーとは違う」と。

 

Andrew Weatherall:そうそう、その通りだ(苦笑)! 俺はヒッピー系じゃないし……そうは言っても、彼ら(=ヒッピー)の考え方は理解できるけどね。だから、ある種のエネルギーが特有な場所から発されている、みたいな見方とか、あるいは古代の儀式が行われた場所に、何千年にもわたってその残滓が続いている、みたいな考え方。それって「どこかに内在するエネルギー」ってことなんじゃない? それがどういうものかはよく知らないし……。要するに、俺は何も、ダウジング・ロッド(※水脈や金鉱を探し当てるためにかつて使われた、竿/棒状の探知器具)を持って歩き回ったり、エネルギーを集める水晶をポケットいっぱいに詰めたり、レイライン(※古代遺跡の持つ直線的な配置性に関する考察から始まり、ニューエイジ流の地勢エネルギーの思想にも影響)について言い争ったりしないからさ。

 

 

(インタヴューは後編『最高のオヤジから教わる、最高へのこだわり[vol.2/2]』へと続く……)

 

 

 

 

リリース情報

 

Andrew Weatherall Convenanza

ANDREW WEATHERALL

『Convenanza』
Release date: 2016/01/22 (Fri) on sale
Labels: Rotters Golf Club / Beat Records
Cat No.: BRC-494 国内盤CD
Price: ¥2,200+tax
国内盤特典: ボーナストラック追加収録 / 解説付

 

Tracklist:
1. Introduction
2. Frankfurt Advice
3. Confidence Man
4. The Last Walk
5. Kicking The River
6. Disappear
7. We Count The Stars
8. Thirteenth Night
9. Ghosts Again
10. All That’s Left (Bonus Track for Japan)
11. Youth Ozone Machine (Bonus Track for Japan)

 

Order here:
beatkart http://shop.beatink.com/shopdetail/000000001993/
amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B017VXB79G
tower records http://bit.ly/1O2hTUH
HMV http://bit.ly/1QSOqCP

 

More info:
http://www.beatink.com/Labels/RGC/Andrew-Weatherall/BRC-494/

 

 

イベント情報

 

ANDREW WEATHERALL “CONVENANZA” JAPAN TOUR

【東京】
2016/4/30 (SAT)
Venue: WOMB, TOKYO
Doors Open: 23:00
ADV: 3000YEN
Door: 3500YEN

 

【大阪】
Date: 2016/5/1 (SUN)
Venue: CCO クリエイティブセンター大阪
Open: 14:00 / Close: 22:00

ADV: 3500YEN

DOOR: 4000YEN

GROUP TICKET(4枚組): 12000YEN

More info: http://www.namura.cc

 

All info: BEATINK

03 5768 1277
http://www.beatink.com

 

Ticket outlet:
[先行発売] 1/22 (金) ~
beatkart: http://shop.beatink.com
Resident Advisor: http://jp.residentadvisor.net/
clubberia: http://www.clubberia.com/ja/
iFLYER: http://iflyer.tv/jp/

 

[一般発売] 2/6(土)~
beatkart、e+、ぴあ、ローソン、HMV Record Shop、テクニーク、Diskunion (新宿・渋谷・下北沢クラブミュージックショップ)、タワーレコード新宿店

 

 

RDC2016_20151202_Andrew Weatherall

RAINBOW DISCO CLUB 2016


Date: 2016/4/29 (Fri) 9:00open/12:00start 〜5/1 (Sun) 19:00close (2泊3日) 


Place: 東伊豆クロスカントリーコース特設ステージ

Line up:


ANDREW WEATHERALL 


RUSH HOUR ALLSTARS (Antal / Hunee / San Proper / Soichi Terada)
MOVE D
KENJI TAKIMI


KAORU INOUE

and more(約20組予定)

 

Ticket:
一般発売チケット(15,000円)


販売期間 2月1日(月)正午〜4月28日(木)


オンライン販売: 楽天チケット, Resident Advisor, clubberia, BANANA


店 頭販売: TECHNIQUE, LIGHT HOUSE, JET SET, GAN-BAN, ディスクユニオン(渋谷クラブミュージック ショップ / 新宿クラブミュージックショップ / 下北沢クラブミュージックショップ / お茶の水駅前 / 池袋 / 吉 祥寺 / 町田 / 横浜西口 / 千葉 / 柏 / 北浦和 / 立川 / 高田馬場 / 大宮)

 

駐車券(2,000円)


販売期間 2月1日(月)正午〜4月28日(木)

販売先:楽天チケット (http://r-t.jp/rdc)

 

テント券(3,000円)


販売期間 2月1日(月)正午〜4月28日(木)


販売先: BANANA (http://bnana.jp/products/rainbow-disco-club-2016)

 

当日券(17,000円)
*前売券が規定枚数に達しましたら当日券の販売はございません。
*夜間は自然を静かに楽しんで頂くため音止めを致します。

 

More info: http://www.rainbowdiscoclub.com

Pioneer DJ

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