Space Lab Yellowが6月21日に閉店を迎える。
この箱が築き上げてきたものを表現するのは難しい。私が始めてYellowにいった時は自分には分不相応な大人の空間のように感じた。いいDJを聴きたくて毎週のように遊びに行くようになるとYellowで仲良くなった友達もでき、心から楽しいと思えるパーティを何度も体験した。何年もたった今でもフロアでYellow独特のあのしっかりした音を聴くとやっぱりいいなと思う。Yellowに足を運んだことがある人は皆それぞれに自分なりの思い入れを持っていると思うが、その蓄積がYellowという箱を特別な場所にしているのかも知れない。閉店するのはさびしいが、今回の特集を通して、各々自分だけのYellowに思いを馳せていただき、残り少ないパーティにも是非足を運んで、日本のクラブシーンの大きな1ページとなるであろう「今」を体験して欲しいと思う。
今回はSpace Lab Yellow店長へインタビューを決行。
店長として今感じていること、クラブシーンについて、Yellowというお店について、非常に誠実に答えを返していただいた。
Interview : Ryo Tsutsui (HigherFrequency)
Q: Yellowがクローズしてしまうというニュースを受け、残念に思う声をとても多く聞きますが、ご自身では今どのように感じてらっしゃいますか?
A: 現在16年間の集大成とも言える日々を過ごしています。久しぶりにいらっしゃるお客様から16年間通い続けてくださっているお客様まで、「一日でも多く」とYELLOWに足を運んで下さるので正直忙しいです。また最後の店長として歴代の先輩達に引けをとらないように頑張っております。
Q: 今東京のクラブが置かれている状況をどのようにとらえていらっしゃいますか?
A: 現在の東京は世界のクラブの中でも重要な位置を占めていると思います。東京でブレイクしたDJが世界でも有名になったり、何年もギグを行っていなかった海外のDJが再度注目を浴びるような事も見受けられます。それだけ東京のクラブオーディエンスが世界にも通用する感性を持っていると言う事ですので、更に個々のパーティー性を高められれば、世界のクラブシーンを索引していく存在となるのではないでしょうか。
Q: 東京のクラブシーンにおいて、Yellowというお店は常に現在進行形でありながら、長年のファンも多く、世界にも名を知られた特別なクラブだと思いますが、ご自身ではイエローとはどのようなクラブだと感じてらっしゃいますか?
A: 確かにこの規模で16年という営業年数を持つクラブは世界的にも貴重ですし特別な場所だと思います。また、インターネットの普及により世界中に広く知れ渡る事が出来たとも思います。しかし実際に働いているスタッフは常に目の前のお客様を楽しませる事を第一とし、東京の情報発信基地であると同時に地域密着を大切に営業してきました。
Q: これまでお店を運営されてきた中で大きな変化も体験されてきたと思いますが、ご自身の中で印象に残っているターニングポイントがありましたらお教えください。
A: 何度か感じました。まずはID CHECKで干支が同じお客様が来店した時。(笑) 最も感じたのはDJがアナログからCDへ、そしてPCへと移り変わる流れを目の当たりにした時ですね。クラブの本質は音の良さに寄るところが大きいと思っていたので、その魅力を最大限に引き出せるアナログからCDへの移り変わりは絶対に無いのではと言う気がしていました。 しかし、現在25歳のDJがいたとしたら、DJを始めた時に既にCDJはあっただろうし、DJ達がお客様の要望に応える為にもデジタルの導入も仕方なく、そういった環境での音質向上等を新しい視野で広げていかなければと感じた時です。
Q: 日々運営をされてきて、東京のクラブシーンは変化したと感じますか?また変化したと感じている場合は、どのように変化したと感じますか?
A: 変化していると思います。ただクラブ自体ではなく、そのシーンを取り巻く環境が大きく変わり始めたのではないでしょうか。雑誌、TV、インターネット等の情報媒体が発達した結果、今まで地下に潜っていたマイノリティーが大きくクローズアップされる事によって本来の良き伝統を流行に変えてしまう可能性がある気がします
Q: これまでYellowでは数え切れないほどのすばらしいパーティが開催されてきました。 難しいとは思いますが、その中でご自身の中で特に印象に残っているパーティを3つほどお教えください。
A: EARTH PEOPLE これは私がイエローで初めて開催したD&Bのパーティーでした。 Theo parrish 04/2/21(sat)集客動員1600名の記録的な集客と新しい時代を感じた瞬間。 Yellow 16th anniversary party DEF MIX 20th anniversary vol.2 こちらは去年のアニバーサリーです。モラレス、フランキーの二大DJが同じブースに立つ事はイエロークラスの規模では奇跡的ではないでしょうか。
Q: Yellow閉店後、次のYellowは計画されていらっしゃいますか?
A: 現在新しい出店場所を探している段階です。もう暫くすれば詳しい事をお伝えできると思います。
Q: では最後に残りあと1ヶ月、時間ももう限られてきていますが、Space Lab Yellowを代表して、読者の方々にメッセージをお願いします。
A: 今まで沢山のお客様とDJの方達に救われながら営業してきましたが残念ながら閉店です。 この16年間は私たちスタッフのみではなくお客様と一緒に築き上げたものだと思っております。これまでの集大成を見て頂きたく残りの日々を営業していますので、自信過剰と思われるかもしれませんが伝説を一瞬でも体感しに来て下さい。インターネットでは感じられない生のクラブを感じられます。スタッフ一同皆さんのお越しをお待ちしております。
End of the interview
HigherFrequencyで掲載したYELLOWでのパーティーレポートから特選イベント一挙掲載!