HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Carl Cox

FUTIC MANAGEMENT 11TH ANNIVERSARY F08: CARL COX GLOBAL @ SPACE LAB YELLOW, TOKYO

DATE : 18th December, 2004 (Sat)
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)



HRFQも全力をこめてフィーチャーした、フューティーク・マネージメントの11周年アニバーサリー・パーティー、John DigweedとSatoshi Tomiieが夢の競演を果たしたF07 : "DREAM"に続いて行われた、"F08"。今回はテクノ・シーン、そしてダンス・ミュージック・シーンのドン Carl Coxをフィーチャーして行われた。昨年の来日時とほぼ同じ日程で、ageHa@STUDIO COASTそしてSpace Lab Yellowと行われた今回の来日ギグだが、HRFQが今回Yellowでのレポートをチョイスしたのは、先日発売されたCarl Coxコンパイルによる"Back To Mine"で表現されていたような、多ジャンルにわたる選曲がロング・セットで披露されるという噂を耳にしていたから。当日は取材が2件重なり、Carlのプレイが始まってから1時間以上経っての入場となってしまったのだが、それでもこれからもまだまだ続くであろう彼のロング・セットに期待し、足取りも軽く入場する。

フロアに足を踏み入れると、お客さんの入りも音も、いい感じで調和された空間が出来上がっていた。写真撮影のためブースに近寄ると、Carlが体を動かしながら全力投球&満面の笑顔でプレイしている。CarlがどんなにビックなDJであろうと、見た目がちょっと怖そう(失礼?)でも、私たちが"親しみやすくて、チャーミング"(実際そうなのだが)というイメージを彼に対して抱くのは、プレイ中のこういった姿からなのだろう。そんなことを考えながら、Yellowのサウンド・システムと完璧なコンビネーションをみせるCarl独特のタフでファットなビートに身を任せ、絶妙なタイミングで次々と入り込んでくるトラックに早くも"仕事オフ・ムード"でクラウドに溶け込んでしまう。セットも中盤に入り、フロアの盛り上がりも最高潮に達してくると、その極めつけにCarlがDerrick Mayのクラブ・アンセム "Strings of Life"のストリングスとピアノの部分をテクノのビートと絶妙にミックスし、満員のクラウドを熱狂させると、セットは段々とハウスとテクノの織り交ざった、プログレッシヴ・ハウス/テック・ハウス寄りの、ファンキーな方向へ移行していった。

Carl Cox
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セットも終盤に差し掛かってくると、ハードなテクノ・トラックも多くスピンされたが、CarlのテクノDJとしての魅力が発揮されたのはやはりここから。トラックの繋ぎかたや、雰囲気のつくり方で、音がハードであろうと決してこちら側を疲れさせない。スムーズでありながら、ハリのある最高のテクノ・セットにクラウドも最後まで追いつこうと体を動かし、そんな彼らとCarlの間には、熱いコネクションのようなものが感じられた。

すると、ブースには何やら見覚えのある顔が!Laurent GarnierがageHaでのギグを終えて、Yellowまでやって来たようだ。突然のビックDJの登場に、最後まで残っていたクラウドは大喜び。Laurentがメロウな上音のあるハウス・トラックでセットをスタートさせると、フロアの空気は一気にLaurent色に染められていく。改めて2大DJの実力を感じた瞬間だったが、二人のつくり出す空間の違いにしばし圧倒されながら踊り続ける。ハウスやテクノ、ダブといったLaurentらしいジャンルレスで美しいセットの後、イベントは終わりを迎えたが、それでもなかなか去ろうとしないクラウドに対しては、この二人も圧倒されてしまったらしく、Carlがドラムン・ベース・トラックをドロップし、Laurentがフロアからジョークで野次るなどお茶目なハプニングも。こうして東京のダンス・ミュージック・シーン史に残るような、素晴らしい夜は幕を閉じるのであった。

Carl Cox
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