DATE : 12th November, 2004 (Fri)
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)
PHOTOGRAPHER :
ARTIST PHOTOS / Shigeo Gomi (STRO!ROBO)
FLOOR PHOTOS / Mark Oxley (HigherFrequency) Official Site
渋谷WOMBが持つ世界最高水準"PHAZON SOUND SYSTEM"をはじめ、ライティング、フルカラーレーザー、窒素ガスなど全部まとめて移動して、WOMBさながらのクラブ体験をさせてしまおうというWOMBモバイル化プロジェクト"CLUB PHAZON -WOMB MOBILE PROJECT-"がラフォーレ・ミュージアム六本木で行われた。そんな興味深いコンセプトに合わせて、DJにも日本でも絶大な人気を誇るテクノ界のカリスマRichie Hawtinと、8月のMetamorphose2004やWOMBでは日本のクラウドをすっかり彼の虜にさせてしまったハウス・シーンのイノベーター Ricardo Villalobosという世界最高峰の二人が登場。しかも今回は、世界中から熱い視線を集め最も注目されているこの二人のバック・トゥー・バックがアジア初披露される!ということでかなり注目度の高いイベントとなった。 | |
どうやら地図の見方を間違ったのか道に迷ってしまい途方にくれたHRFQだが、グリーンに照らされた会場をみつけてほっと一息。予定より30分ほど遅れて入った会場には既にかなりの人が集まっていた。広いラウンジ・スペースにはライトに綿を巻きつけたものが無数に天井からぶら下がっているなど、工夫を凝らした装飾がなされ、隣の更に広大なフロアではRichieとRicardoが早くから集まったクラウドに至福の時間を与えていた。今回はイベントがスタートしてから終了するまで二人がエクスクルーシヴにプレイするということで、どんな風にセットが構成されていくのかが気になったところだが、まずはダイナミックなビートでダークな雰囲気を匂わせながらも、その上に心地よい上音をのせてクラウドの耳と足元を刺激していく様なセット・スタイル。Richieの生み出す太くてダークなビートと、Ricardo特有のオーガニックなサウンドがバランス良く融合され、この二人の持ち味が最高に生かされた空間が出来上がっていた。そこにライティングやレーザー、窒素ガスも手伝ってクラウドの感度も増し、最高の音と雰囲気という"クラブの醍醐味"を存分に味わっているようだった。 | |
徐々にセットが後半に向かっていくにつれて、音にはRichieのカラーが色濃く現れるようになり、クラウドの気持ちを外から内に向かせるような選曲が続く。そこに時折入り込んで来る電子音や、ダイナミックでハイパーなトラックが波のようにフロアのテンションを起伏させ、その光景はまるで二人がデッキから音の魔術でフロア全体を操っているかのようだった。ふとビートが消え、スパニッシュ・ギターの美しい旋律がフロアじゅうに響き渡ると、一度クール・ダウンしたフロアにファンキーなテクノ・チューンが投入される。セットが終盤に差し掛かったのを察したのか、さらに激しく体を動かすクラウドの耳にHouse Nationの"House Nation"のヴォーカルが入り、ファンキーな音がフロアを埋め尽くしたところで、セットは終了。まだまだ足りないといった表情のクラウドにチルなエレクトロニカ・チューンをドロップし、二人のスターは笑顔でDJブースを後にしたのであった。 | |
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