RESIDENT ADVISOR POOL PARTY @ WYNDHAM MIAMI BEACH RESORT
DATE : 24th March, 2005 (Thu)
DJs : Steve Porter, Hector Romero, Tyler Stadius, Gabriel & Dresden, Christopher Lawrence, Ricky Stone
PHOTOGRAPHER : Matt Cheetham (HigherFrequency)
TEXT : H.Nakamura (HigherFrequency)
Everything But The Girl の Ben Watt が、いまいち良くない客の入りが気になるのか、自分のパーティーの入り口でフツ〜に立ってたり、Mylo や Glimmers といった旬のアーティストが、お客もまばらなビーチ・サイドの野外会場で白熱のライブをしていたり、はたまた、ある超有名レーベルのリリース・パーティーがあると言われて駆けつけてみると、予定から30分過ぎてもスタッフすら来ていなかったり…。しかも、その作品を出したアーティスト本人は最後まで来なかったり…。とにかく、全てがゆる〜い感じで進行するマイアミは、厳格なスケジュールと過剰なサービス精神に覆われた日本の街で暮らす筆者にとって、何とも緩やかな時間の流れを与えてくれた。と同時に、「こんなんでいいの？」という戸惑いも…。しかし、そんな中でも、最も驚かされたパーティーと言えば、やはりこの Resident Advisor のプール・パーティーだろう。いろんな意味で…。
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まず驚かされたのはそのライナップ。Steve Porter に Gabriel & Dresden、Christopher Lawrence、Hector Romero などなど… 場合によってはちょっとしたフェスが出来てしまうくらいのメンツが揃えられている。「こりゃ〜激コミだろうね」などとカメラマンと話しながら会場へと向かうと、入口でいつも以上に厳重なパスのチェック。「うんうん、これはきっとヤバいことになってるに違いない」と確信しつつ、プール・サイドへのドアを開けてビックリ…。だ、誰も踊っていない…。というか、本来は踊るべきスペースに人が誰もいないのだ！。みんな、プールの中で泳いだり、ビーチ・チェアに横たわったり、バーでおしゃべりをしたり…。「ひょっとしてまだオープニングDJなのでは？」と思いつつブースを見上げると、うわわわわ、何とそこに居るのは Christopher Lawrence!ではないか！
一応断っておくが、彼は地元の有名DJとかいったレベルの人ではない。DJ Magazine の Top 100 で７位にランキングされるような、かなり偉い人なのだ。でも、誰も踊っていないし、Christopher も全く気にしていない。しかも、「次何かけようかなぁ」って感じで、何回かディスクを選び替えたりまでしている。「う〜ん、何なんだ、この空気は…」と戸惑いながらウロウロしていると、ステージ上には Gabriel & Dresden が登場!!「皆さ〜ん、Gabriel & Dresden ですよ。あの世界各地のフェスに引っ張りだこの…」と、筆者は心の中で叫ぶのだが、それでも誰も踊り出す気配がない。というか見てもいない。しまいにはプールに中で水かけ合戦が始まり、おまけに日が下がってきたので帰りだす人も出る始末。それでも彼らのプレイは真剣そのもので、Ableton Live を駆使して、二人でやたらと相談しながらガチャガチャやっているのである。
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そしてその次に登場した Steve Porter も同じ。お客がいるいないに関わらず、真剣そのもの。というか、プレイ自体を楽しんでいるのである。で、お客の方も、有名なDJだからといって、ガツガツ踊ったり「ブース前にきっちり集結！」というわけでもない。「だって、ここはプール・サイドでしょ」と言わんばかりに、マイペースに楽しんでいるのだ。そして極めつけは 最後の Tyler Stadius のプレイの時。始まって10分もしない内に、どこからともなくガタイの良いお兄さん達が集まり、次々と宴会場で使われるような高級な椅子をプールサイドに運び込み始めたのだ。どうやら、この後同じ場所で行われる International Dance Music Award の授賞式の準備のためらしいのだが、これには、さすがの Tyler も苦笑い。それでもやっぱり最後までマジメにプレイをしていているのだ。不機嫌にもならずに…。
そんな感じのゆる〜いパーティーではあったのだが、どうやらケツの座りが悪かったのは筆者だけで、どのお客さんも、カクテル・グラスを片手に持ちながら、世界のトップDJ がプレイする極上のダンス・ミュージックを BGM に、最高の天気とリッチな時間を心底楽しんでいたようだ。それに比べて、有名なDJと最新のダンス・ミュージックと聞くと「踊らなきゃ、騒がなきゃ」という先入観にとらわれていた筆者は、結局一杯のカクテルも飲まず、数回青い空を見上げただけで帰る羽目に…。「あ〜、自分は遊びベタだなぁ」とつくづく思い知りながら、プールサイドで遅まきながらチルアウトしていると、今度はさっきのガタイの良い兄さんの一人がやってきて「アワードが始まるから出てけ！」とのこと。 「ちぇっ、せめてプリーズくらい付けろよな」…と半ばいじけながら会場を後にした。
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