DATE : 25th March, 2005 (Fri)
DJs : Pete Tong, Deep Dish, James Zabiela, The Bodyrockers, Behrouz, Nic Fanciulli
Gabriel & Dresden, Desyn Masiello, Oliver Lang, Judge Jules, Fergie, Eddie Halliwell
Donald Glaude, Lee Cabrera, Eric Prydz + many more DJ's and live acts
PHOTOGRAPHER : Matt Cheetham (HigherFrequency)
TEXT : H.Nakamura (HigherFrequency)
金曜日のお昼から明け方にかけて行われた"BBC RADIO ONE in MIAMI"。世界中のダンス・ミュージック・ファンに親しまれているイギリスのラジオ番組 BBC Radio One が主宰するこのビーチ・パーティーは、豪華なラインアップもさることながら、開放的なビーチ・エリアで真昼間からお酒とダンス・ミュージックが
楽しめるという雰囲気で、翌日に行われた Ultra Music Festival と並んで、マイアミの顔とも言えるイベントである。
幸いにもプレス・パスをゲットすることが出来た我々は、開演から3時間ほどたった午後2時ごろに会場に到着。入り口から何百メートルという長さで伸びる行列にまず圧倒される。このイベント、基本的には入場料が無料と、さすがはイギリスの国営放送が主宰するパーティーだけあって大盤振る舞いなのだが、それだけに中に入るだけでも一苦労。中には、裏手のフェンスの下にスコップで穴を掘って、そこから忍び込むタフガイもいたりして、それを見て筆者も「お〜、いかにも海外のフェスって感じじゃん!」と訳もなく嬉しくなってしまう。
会場の中に入ると、とにかく人・人・人の渦。殆どの客が水着姿にビール片手で、巨大なスピーカーから流れてくる音に体を揺らしている。丁度、ステージ上でプレイをしていたのは Deep Dish の Ali (Sharamの方は、このパーティーには参加していないようだった)。真っ黒なグラサンをかけて、いつものグルービーなセットで、ブース前に群がる超満員をクラウドを何度も爆発させているところだった。そして、その横にマイクを持って立っているのはご存知 Pete Tong。プレイが盛り上がってくると、やおらマイクを握り締め、毎度"BBC Radio One in Miami !!!…"と絶叫する「生 Pete Tong」の姿に、やたらと感激してしまう。
そう、このパーティーの模様は、ご存知 BBC Radio Oneの Essential Mix で全世界にオンエアーされているのだ。ステージ横に上ると、簡単なミキサー卓が置いてあって、「え、こんな簡単な機材で全世界に放送しているの?」と思ってしまったが、時折 Essential Mix のジングルが挿入されたり、Pete のお馴染みの声が響き渡るのを聞いて、「お〜、今この音がライブで流れているんだぁ」と、すっかりミーハー気分に…。そして、やおら「オレの声を世界中に響かせてやる!」と言いながら、目の前のスピーカー上に置いてあった歓声を捉えるための集音マイクに向かって、「イエー」と大きく絶叫してしまうバカな筆者なのであった。
さて、肝心のプログラム内容だが、一つ一つを説明していると、あまりに長くなってしまうので(既に充分長いのだが)、簡単にラッシュすると、Deep Dish の後に登場したのが、Yoshitoshi や Shinichi から作品をリリースしてきた Behrouz。その後、Nic Fanciulli、そして御大 Pete Tong 自らのセットなどを経るころには、辺りはクールな夕暮れの雰囲気に。お酒とビーチの日差しによってハイになったクラウド達のテンションは最高潮に達し、もう何をかけてもオッケーという感じになっていく。
そして、満を持して登場したのが Desyn Masiello。今、もっともアツイ注目を浴びているDJだけに、いとも簡単にクラウドの雰囲気を読み取って、自由自在に操っていく。そして、昨日の Resident Advisor のパーティーでは無人のフロアを前に、それでも楽しそうにプレイしていた Gabriel & Dresden が登場。今日は、まさに本気モード全開で、完璧に煮えたぎるクラウドの温度を更に上昇させていく。そして、最後にUSでは相変らず高い人気を誇る MURK がステージにあがり、1時間のプレイを披露、アウト・ドアのイベントは午後11時をもって終了する。
その後、さらに Judge Jules などが登場するインドアでのパーティーが朝まで続くのだが、筆者たちはさすがにここでノックアウト。エンドレスで盛り上がり続けるクラウドたちを背に、会場を後にすることにした。
ちなみに余談だが、昼間一旦会場を出て周囲を散策していると、ある観光客風の老夫婦に「Nikki Beachってどこですか」と尋ねられた。「あそこの賑やかなところがそうですよ」と答えると、二人とも「Nikki Beach はマイアミでも一番静かで雰囲気の良い場所と聞いていたのに…」とかなりがっかりした様子。その瞬間にPeteの雄たけびが会場から聞こえてきたのが、なんとも言えず印象的であった。
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