毎年6月から9月の間、世界中のクラブ・フリークの視線を釘付けにしてしまう島といえば、イビザ島のほかにないだろう。夏の間、ほとんどのビッグ・ネーム DJ のスケジュールにはこの地中海に位置する小さなスペインの島の名で埋まり、島にある何十件というクラブは、毎日のように数千人規模のクラウドを集めるほどの賑わいをみせる……。クラブ・ファンにとって一度は訪れてみたい憧れの島 イビザに、HigherFrequency が2004年のオープニング・パーティー期間に行ったパーティー・レポートに引き続く2回目の取材を行ってきた。 |
昨年プライベートでイビザを訪れ、ビーチや美しい景色、美味しい食事といったスペイン独自の文化の中に、大きなクラブ・シーンが溶け込んでいるという光景を目の当たりにし、すっかりこの島の魅力に魅せられてしまった筆者。町や海を歩けば老人カップルや小さい子供を連れた家族が気持ちよさそうにバカンスを過ごし、バーに行けば様々な国から訪れた老若男女が楽しそうにお酒を飲む。そしてクラブにいけば、平均40ユーロはする入場料も何のその、何千人のキャパを誇るクラブにいっぱいになったクラブ・フリークが踊っているという数々の素晴らしい側面と魅力を持つこの島。ここ数年は、長年栄華を極めてきたイビザのバブルな状況に水をさすように、「イビザは変わってしまった」、「コマーシャルだ」など、DJやクラウドによる批判の声が飛び交っているのも真実ではあるが、そんな批判もさることながら、イビザに押し寄せる人の波は弱まることを知らず、島のクラブもそのスタイルを進化させながら常に流行の音楽と最先端の DJ 、そして何か新しいものを求める人々を引き寄せ続けている。その確かな証拠として、クラブではイビザから人気に火がついた楽曲が、サマー・シーズンの後、世界中でヒットするという流れはシーンにおいて未だに健在であり、そういった意味でもイビザはシーンにおける最重要の場所でありつづけるのだ。 |
今回HigherFrequency は、そんなイビザの素晴らしさを遠く離れた日本のクラブ・ファンに伝えるため、シーズンの中でもオープニング期間に劣らない盛り上がりをみせるクロージング・パーティー時期を狙ってイビザに再訪、クイック・ガイド的な’04年のレポートとは志向を変え、パーティーにフォーカスしたレポートを行ってきた。筆者がイビザ入りした日は、嵐や大雨、挙句の果てに雹が降り大停電というものすごい天気だったものの、それ以降は天気も見事に回復。週を通してカラッと晴れた見事なイビザ晴れとなり、イビザらしいビーチや町の風景をキャプチャーすることが出来た。そんな写真やレポートを通して、クラブ・ミュージック・ファンの永遠の楽園 イビザの魅力を少しでも伝えることが出来れば幸いだ。
Photo by Yuki Murata _ Report by Kei Tajima (HigherFrequency)
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