DATE : 4th December, 2004 (Sat)
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : H.Nakamura (HigherFrequency)
前々回のFabioをフィーチャリングした06S以来、すっかりドラムン・ベースの虜となってしまった筆者であるが、今回はブラジリアン・ドラムン・ベース界の最高峰MarkyとXRSがWOMBに登場するとあって出かけてみることにした。HigherFrequencyが先日行ったDJ Akiとのビデオ・インタビューにおいても、「Markyとかブラジル周りのアーティストの音だったら、普段ドラムン・ベースを聴いていない人でも入りやすい」と述べていただけに、かなりの期待感を胸に会場へと向かう。 その日は、季節はずれの台風襲来(その頃には熱帯低気圧に変わっていたが)であいにくの雨模様。しかも気温が低く、街の人通りもいつもの半分以下といったところ。しかし、WOMBの中はそんな下界の冷たい雨を沸騰させてしまうかの熱気に包まれ、ほぼ超満員のクラウドたちがDJ AKiの繰り出すグルービーなサウンドに身をゆだねていた。今回もまた思ったのは、クラウドたちの純度の高さ。みんな音に敏感に反応し、本当にドラムン・ベースが好きな人が集まっているという感じで、雰囲気とそのエネルギッシュなテンションがとにかく最高なのである。最近特に思うのだが、クラブに入って10分くらいで雰囲気に引き込まれるパーティーは、まず外すことはない。今回も前回同様、10分もしないうちに、完全にこのパーティーの持つエネルギーにグイっと袖をつかまれた感じで、気がつくとフロアのど真ん中で早くも右手を上げてしまっている自分がいた。 | |
それにしても、DJ AKi のプレイはよくクラウドを動きを読んでいる。ダークでサイバーな疾走系のトラックで流れを作ったと思うと、ときおり歌ごころ溢れるメロディアスなトラックが挟まれ、何しろ展開が非常に流麗で、わざとらしさや奇を衒ったところがない。自分の好きなトラックをクラウドの雰囲気を見ながら、楽しみながらプレイしているところがスゴクいい。レーザー光線が彼のおなじみのシルエットを形どり、DJ AKiの文字がスクリーンに大きく投影されると、クラウドたちからは大歓声が。これだけファンからサポートされている日本人DJもそれほど多くはないだろう。 そして、いよいよMarkyが登場。クリスプで透明感あふれるサウンドと共に彼のセットが幕をあける。最初の数曲は、レベルがちょっと低かったこともあって、筆者は少し乗り遅れてしまった感じがしたが、やがてペースを完全につかんだMarkyの繰り出すビートに完全にのめりこんでしまった。とにもかくにも「楽しい〜!」のである。まさに緩急のツボを押さえられてしまったという感じで、ここでビートがほしい!と思ったところでガツンと低音が来て、ここで抜いてほしい!というところで透明感あるブレイクがやって来るのだからたまらない。こんなに暴れたのは何年ぶりだろう、というくらいに全身汗だらけになりながら盛り上がってしまった。そしてその後バトンタッチを受けたXRSも、よりダークでディープなテンションでありながらも、ストーリーテラーのような巧みな選曲を披露してくれ、筆者は最後の最後までフロアに釘付けにされてしまうのであった。 どうやら本格的にドラムン・ベースにはまってしまったらしい。マジで・・・。とにかく、理屈抜きに楽しいし、勿論、プログレやテクノのパーティーが好きなことに変わりはないが、新しい世界に触れてしまったような感動をここ何回かのパーティーからもらったような気がするのだ。DJ AKiが提唱する"New Type Drum'n Bass"というテーマも改めて納得!といった感じで、筋肉痛になってしまった足をチョッとだけ後悔しながら会場をあとにした。 | |
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