international news _ 2005.05.25
Text by H.Nakamura (HigherFrequency)
ゴールデン・ウイーク中に今年初めての来日公演を行い、相変らず超満員のクラウドを相手にエネルギッシュなプレイを披露してくれたばかりの
Richie
Hawtin が、自身が展開するミックスCDシリーズ"DE9"の次回作を、今年の9月頃にリリースすることを明らかにした。
"Decks, EFX & 909"を略したタイトルのこの"DE9"シリーズは、Richie のレーベルである M nus から過去に2作品が発売されているが、前作"Closer
To The Edit"から数えると今回のリリースは実に4年ぶりのこと。合計で100をも超えるトラックから様々なサンプルやループを抽出し、それをあたかも音のジグソー・パズルのように組み合わせて一つのノン・ストップ作品に仕上げるという、単なるミックスCDという枠に留まらない、Richie
らしい革新的な手法で注目を集めてきた作品である。最近では、Ableton Live などの一般的普及によって、こういったカットアップ的な手法を駆使したミックスCDというのもあたり前になりつつあるが、Richie
がこのシリーズを旗揚げしたのが99年であることを考えると、やはりこの人の先進性とチャレンジング・スピリッツには脱帽させられてしまうところだ。
収録予定の「素材」はまだ明らかにされていないが、前作では54分の中に、トラック ID だけで31箇所、実に125ものトラックから抽出したループなどが変幻自在に組み合わされていただけに、今回も同様に多数のトラックを
Richie なりに再解釈・再構築した内容になりそうだ。しかも、今回は CD と DVD が組み合わさったハイブリッド商品としてリリースされ、5.1チャンネルのサラウンドでもそのミックスが楽しめるとのこと。常に数年先を見据えて歩き続ける
Richie の面目躍如といった作品になることは間違いないだろう。
なお、Richie はこの5.1チャンネル・サラウンドを駆使したDJセットを、スペイン・バルセロナで行われる Sonar
フェスティバルで行うことになっている。
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インタビュー : Richie Hawtin in Tokyo (2004/06/25)
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