international news _ 2007.03.26
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)
7月にセルビアのノヴィ・サドで開催される Exit Festival のマネジャー Bojan Boskovic が Skrufff とのインタビューに応え、今年のヘッドラインには Basement Jaxx、Beastie Boys、LTJ Bukem、Wu-Tang Clan といった面々が出演する予定だと話した。
ここ数年で世界に誇るモンスター・フェスティヴァルの仲間入りをした Exit の創始者である彼は、Exit が常に強力な DJ のブッキングが出来るのは、バンドより DJ の入国が簡単であった “暗い’90年代”に関連していると話した。
「'90年代のセルビアにとっては、ダンス・ミュージック・シーンこそ、僕たちの国と他国のポップ・カルチャーとをつなぐ一番重要なコネクションだったんだ。バンドを入国させるより、DJ を入国させる方が簡単だったからね」
「事実上、セルビアは’90年代の間、他の世界と切り離されてしまっていたんだ。そして、当時権力を持っていた政権によって、外国人に対する恐怖や国家主義といったものが人々の間に生まれてしまった。それによって中流階級やメイン・ストリームの文化が絶望的な状態にされてしまったんだ」
Bojan と Exit のチーフ Dusan Kovacevi は、2人がまだ学生だった’00年に Exit をはじめ、100日にわたるギグを施行、Milosevic
政権に対する抗議者を結集させ、’00年10月の政府転覆を促した。’01年にはイベントの成功を受け、会場をドナウ川の上に位置する要塞都市 ペトロヴァラディンに移動。’02年には25万人もの参加者を集めた。’03年にはイベントの開催を4日に縮小し、その翌年には、イベントの開催を一ヶ月前に控え、Bojan
と Dusan が不正会計という無実の罪を押し付けられ監獄に入れられるという事件が起こり、もう少しでイベントをキャンセルせざるを得ない状態に陥りかけた。
「この国の企業やシステム、メディアには、前政権の残物がまだ残っているんだ。彼らはセルビアという国を通常に機能させたいとは思っていない。だから、誰かがそれが可能だということを示そうとすると、自動的にその“誰か”は彼らの敵とみなされてしまう。彼らは単に通常のシステムを現実化させたくないだけで、中にはこの国を昔のような状態に戻そうと本気で考えてる奴らもいるんだ」
釈放されるまでの7日間を牢獄で過ごした彼らだが、Bojan によると、牢獄の中ではそこまでひどい目には合わなかったという。
「牢獄の中の警察は他のことで忙しそうにしていたし、彼らは政府の汚い計画には直接関係していなかったんだと思うよ。首謀者の狙いはもっと高いところにあって、彼らは Exit や僕ら個人を辱めることを考えていたんだ」
近年では、イギリスやドイツといった国からも多くの参加者を集めている Exit Festival。昨年参加した15万人のうち、セルビア以外の国からフェスティヴァルに参加した人々はおよそ5万人ということだ。
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