HigterFrequency DOMESTIC NEWS

ENGLISH OVERSEAS NEWS

correspondent news _ 2007.07.25

ドイツの MELT! 10周年 虹の祝福とともに大盛況に終わる。

Text by Sayaka Yumi-Suzuki (GARAKTOR . COM MEDIEN)

ベルリンから200キロほど離れた Dessau の石炭採掘所跡地で行われる恒例の MELT! ドイツ国内外の数万人のミュージックフリークが集うこのフェスティバルは、今年で10周年を迎えた。 まるでそれを記念するかのような、大きな虹の登場とともに幕が開けた 2Days 2Night。数週間の冷たい雨降りは一転し、終始快晴に恵まれた。

会場には巨大な採掘機が何基もそのままにされ、採掘によって作られた人口湖に囲まれたダイナミックな風景に大きな3つのステージと数個の小さなブースやラウンジが配置されている。

メインステージには主にドイツ国内の人気のバンドが集結。 German ヒップホップやロック、Funk バンドなど、目新しいもの多く、ドイツ語の MC も新鮮に感じた。特におおとりを飾ったドイツのテクノ×モンドなプロジェクト Deichkind & Snap! feat. Fraktus は要注目といえる内容のステージを展開。

Gemini Stage ではベルリンきっての人気バンド Jeans Team、Apparat & Band LadyTron、Stereo Total、 Mouse On Mars、Unkle、Autechre、Tiefschwarz、DJ Koze、 Wighnomy Bros.、Tiga や活動の拠点をベルリンに持つ DJ Hell などなど、そうそうたる顔ぶれ。 加えて、Trentmoller live in concert のライブ=生であることの迫力は圧巻だったと強調しておきたい。

Big Wheel Stage では Richie Hawtin 率いる M_nus クルーや、ベルリンのニューレイブシーンから Shir Khan、Lo-Fi-FNK や Digitalism、Simian Mobile Disco など。 Booka Shade のドラムパッド&マニュピレートスタイルのライブも印象的だった。

機材は進化し、人もまた進化する。 人力×テクノ(ロジー)のライブ感が今、新しく力強い音楽だと感じた。 この週末に体感した、バンド、DJ の選ぶ音、パフォーマンスはどれも「テクノ的」だった。 2Days 2Nights の MELT は まさに “ドイツの” Techno × Rock なフェスティバルだったといえるだろう。

こういった夏の野外音楽フェスティバルや音楽やアートカンファレンスはドイツ国内で毎週のように繰り広げられている。 ミュージックフェスティバルはこの国に根強く浸透し、一般化し人気を得ている。 大衆音楽がテクノ。 そんなドイツという巨大なテクノ王国の音楽シーンから、今後も目が離せない。


[GARAKTOR . COM MEDIEN]
Sal と Sayaka からなる、メディア・ミックスチーム。 2人ともテクノ、エレクトロの DJ であり、現在世界のテクノ ・キャピタル、ベルリンにベースを置きながら日々活動。DJ ならではの感性や情報を武器に、カメラ とペンを片手に日々ヨーロッパを飛び回りながらレア・ニュースを配信。