HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Space Cowboy Interview

昨年Southern Fried Recordsからリリースされたアルバム "Across The Sky" によって、日本でも人気が爆発した Space Cowboy ことNick Drestiが、セカンド・アルバム "Big City Nights" の発売を記念して来日、新木場のageHa @studio coast で行われたレコード・ショップ岩盤 主宰による GANBAN Night と、DJ Tasaka とKAGAMIによるDISCO TWINS 主宰によるイベント DISCO TWINS とのコラボレーション・パーティーに、スペシャル・ゲストとして出演を果たした。

昨年のフジロック、来日公演と現在までに4回行われた来日公演でも、毎回フロアを満員にし、沸かせた彼。今回も、ageHa の広いフロアが満員になるほどのクラウドが押し寄せ、彼の登場を心待ちにする中、HigherFrequency はプレイ前のNick と接触、ニュー・アルバムについて、そして気になるカヴァー・トラック "Space Cowboy"などについて訊いた。

*このインタビューをビデオでご覧になりたい方は・・・ここをクリック!

> Interview : Matt Cotterill _ Introduction & Translation : Kei Tajima (HigherFrequency)

triangle

HigherFrequency (以下HRFQ) : 今日はありがとうございます。こんにちは!

Space Cowboy (以下SC) : こんにちは。

HRFQ : 再び ageHa に戻って来られていかがですか?

SC : すごく嬉しいよ。

HRFQ : ageHa は二回目ですよね?

SC : そうだよ。

HRFQ : ageHa についてはどう思われますか?

SC : すごくいいクラブだよね。スピーカーとサウンド・システムがすごく気に入ってるよ。かなりクールだし、音もすごくいいし。クラブ自体もすごく大きいしね。プールのあるエリアとか、他のエリアも好きだよ。グレート!

HRFQ : 確か日本はこれで5回目ですよね?

SC : そう、5回目だよ。

HRFQ : 昨年はフジロックでお会いしましたが、確かその時、日本のフェスティヴァルでプレイするのは初めてとお話されてましたよね?

SC : そうだね。フジロックはかなり楽しかったよ、すごかった!

HRFQ : ロック・フェスティヴァルに参加することが、その後のプロダクション・ワークやライブ・セットなどに影響を与えた部分はありましたか?

SC : もちろんさ。ロック・ミュージックのパワーにはすごいものがあるよ。Franz Ferdinand や The Killers みたいなバンドって、僕と似た音楽スタイルを持ってると思うんだ。だからそういうバンドのライブを観ると、すごくいいインスピレーションが得られて、スタジオにもそのパワーをそのまま持ち込んでいけるのさ。

HRFQ : 今年はどこかのフェスティヴァルに出演されたんですか?

SC : 今年はなかったね。スタジオ・ワークに集中して、DJ は少ししかやらなかった。アイデアを練るために、スタジオには出来るだけ毎日行くようにしてるんだ。

HRFQ : そこの一年間、多忙に過ごされていたと思うのですが、今回のニュー・アルバム 'Big City Nights' は、前作 'Across the Sky', がリリースされて間もなく完成しましたね。アルバムを完成させるのにどのくらいの時間がかかったのでしょうか?

SC : そうだね…はっきりと言うのは難しいけど、一年はかからなかったよ。だいたい9ヶ月か10ヶ月ってところだね。それで1〜2曲くらいをアルバムの完成直前に仕上げたって感じだった。だけど、さっきも言ったように、僕はほとんど毎日スタジオにいるから、僕にとってアルバム作りとは、トラックをミックスして、まとまりのある流れをつくること。すぐにアルバムを完成させたっていう印象があるかもしれないけど、それは僕が常にスタジオに入っているからなのさ。だから当然の流れなんだ。

HRFQ : 了解です。今回のアルバムですが、タイトルの通り「夜」な感じがするアルバムですね。まるで、昼に聴いても夜にトリップさせられてしまうといった感じですが、どういったコンセプトでアルバムをつくられたのですか?出来上がった作品を聴いて、いかがですか?満足していますか?

SC : もちろんだよ!コンセプトについては、たくさんの異なった影響が感じられるような、バラエティーに富んだアルバムにしたかったんだ。僕は毎日、一日中、たくさんの音楽を聴いているから、ディスコやヒップ・ホップ、ハウス、ロックといった、様々な音楽のエネルギーが詰め込まれた作品をつくりたかった。そうやって出来るだけ楽しみながらアルバムをつくっていったのさ。

HRFQ : 今回のアルバムでは、Basement Jaxx とのコラボレーションでも有名な Kele Le Roc や、Terrorvision のTony Wrightといったヴォーカリストたちが参加していますが、今回こういったヴォーカリストたちとコラボレーションをしようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

SC : そうだね、そのアーティストごとに毎回違うんだけど、Kele Le Rockは僕が常に尊敬してきたアーティストで、特に Basement Jaxx とコラボレートした "Romeo"を聴いて、本当に素晴らしいヴォーカリストだって思ったんだ。それである日、彼女のインタビューを読んでいたら、いろいろなタイプの音楽が好きだって話していたから、思いきって電話してみようと思ったのさ。そうしたら快く話を受けてくれて、スタジオまで来てくれたというわけ。彼女の声は本当に素晴らしかったから、実現してすごく嬉しいよ。

Terrorvision のTony Wright の場合は、以前 Terrovision の楽曲のリミックスをしたこともあるんだけど、彼の声はずっと前から好きだったんだ。彼ってすごくロックっぽい強い歌い方をするでしょ?だから彼のマネージメントに連絡をして、オファーをしたんだ。そうしたら彼も話に乗ってくれて、それで実現したというわけさ。

HRFQ : なるほど。一つ疑問に思ったことがあったのですが教えてもらえますか?今回のアルバムにも収録されているトラック "Space Cowboy" ですが、プレス・リリースには、このトラックが The Steve Miller Bands のリミックスだと書いてあったのですが、ほとんどあなたのオリジナル曲のように聴こえるんですが…(笑)本当にあの曲のリミックスなんですか?

SC : 確かに"Space Cowboy" の別バージョンだよ(笑)。実は、"Some people call me the Space Cowboy...."って歌詞が入ってる "The Joker" っていう曲は聴いたことがあったんだけど、僕も以前まで 'Space Cowboy' って曲は聴いたことがなくってね。でもある時、誰かから The Steve Miller Bands の "Space Cowboy" って曲があるってことを聞いたんだ。最初は信じられなかったんだけど、実際にカタログを調べてみたら、本当にあったのさ。だから「これはスゴい!カヴァーしたら面白そうだ」って思ってね。

新たなヒネリを加えて、ちょっとディスコっぽい感じにして、ロックっぽいテイストを加えてみたら面白そうだなって思ったんだ。まぁ、もともとロックな曲だけど、今風にカヴァーしてみたくってね。もちろん名前の部分があったからカヴァーしてみたいと思ったのも事実だけど。それこそ「よし、やってみよう!」って思ったさ。

HRFQ : 加えて、Lenny Kravitz の 'Are You Gonna Go My Way' もカヴァーされましたね。この曲についてはどうですか?

SC : 実は、このトラックはフジロックのためにつくったんだ。フジのオーディエンスにぴったりのトラックだと思ってね。クールなトラックだし、ちょっとアレンジしてもう少しフロアとかフェスティヴァル向けな感じにカヴァーしてみたのさ。このトラックのおかげで、かなり "FUJI ROCKED!!" って感じだったよ!すごくファンキーでパワフルなロック・チューンだよね。

HRFQ : 他にカバーしてみたいと思っているアーティストはいますか?

SC : そうだね、今はもう少し自分自身のプロジェクトに集中したいと思っていてね。ニュー・シングル 'Across The Sky' みたいに、オリジナルなテーマを持った楽曲作りにフォーカスしていきたいんだ。他の人のトラックをカヴァーしたりするよりね。もちろんそういう作業も続けていくけど、基本的に自分の曲作りにウェイトを置くようにして、違ったスタイルにも挑戦してみたいんだ。例えば、The Rolling Stones の楽曲一つにしても、ただ単にサンプリングするってことじゃなくて、曲を聴いて楽しみながらアイデアを得て、そういうエッセンスを自分の音楽に加えて、どんな感じになるか試してみるって感じかな。

HRFQ : 頑張ってください!

SC : ありがとう!

HRFQ : 今日のセットですが、どんな感じになりそうですか?こっそり教えてください。

SC : そうだね、ちょっとしたサプライズがあるかもね。フロアで新しいトラックのリアクションを試すのが一番なんだ。大体の流れとしては、ハウスを基本にロックとかヒップ・ホップとかいろんなスタイルを行ったり来たりして、いろいろテストして、楽しみながらセットするよ。

HRFQ : わかりました。今後 Tiger Trax から予定されているリリースなどはありますか?

SC : もちろん今後も Space Cowboy のトラックのリリースにフォーカスしていく予定だよ。最近ではレーベルのウェブ・サイトのヒット件数もすごい増えてきてね。世界中からたくさんの人がページを見に来てくれているから嬉しいよ。それに、今リミックス用にアカペラのトラックをいろんなプロデューサーに渡しているんだけど、逆に彼らもレーベルにたくさんトラックを送って来てくれているんだ。

Tiger Trax でリリースしたいアーティストは結構たくさんいるんだけど、オランダにRoz 72 っていう若いプロデューサーがいてね。The Strokes をダークな音楽とミックスさせたりして、面白い音楽をつくってるんだ。すごくクールな奴で、全然関係ないんだけど、彼はプロのサッカー・プレイヤーでもあるんだよ。クールだよね。Jason Nevinsっていうアーティストのリリースも決まっていて、彼もすごくクールなプロデューサーだから、彼と一緒に仕事をするのはすごく楽しいだろうな。まぁ、今後もこういう風にいい感じで進んでいければと思ってるよ。

HRFQ : 分かりました。最後にもしよし良ければ日本のファンにメッセージをいただきたいのですが。

SC : もちろんだよ。本当にありがとう。みんなのサポートをとってもありがたく思っているし、すごく感謝しています。これからもみんなにサポートしてもらえるような音楽をつくり続けられれば嬉しいです。また、すぐにみんなに会えるといいな。どうもありがとう!

HRFQ : どうもありがとうございました。今後も頑張ってください、応援しています。

SC : ありがとう!

End of the interview


関連記事


関連リンク