2001年にイギリスのMistry Of Sound からリリースされたシングル"Camel"が大ヒット、その後も"Sabot"を始めとした独特の世界観を持つ作品をリリースする事で、着実にシーンの中でそのステイタスを確立してきた「イタリアのファンキー大将」ことSantos。ハウスとブレイクスの合間を縫うようにして紡ぎ出される彼のサウンドは、一つのカテゴリーで括ることが非常に難しい独特のフィーリングを持っており、その事がかえってジャンルを超えた世界中のトップDJから彼の作品が受け入れられてきた理由だと言われている。
6月7日にリリースされたばかりの最新アルバム"Abrasive"も好評を博す中、今年のFuji Rock Festival出演のために初来日したSantos。2日目のRED MARQUEEにおいて、そのファンキーでグルービーなセットを披露した直後の彼に、HigherFrequencyがインタビューを敢行。初めて見る日本のオーディエンスなどについて話を聞いた。
> Interview & Translation : Kei Tajima (HigherFrequency) _ Introduction : H.Nakamura (HigherFrequency)
HigherFrequency (HRFQ) : 今日はインタビューを受けてくれてありがとうございます!
Santos : こちらこそだよ。
HRFQ : 今どんな気分ですか?
Santos : スバラシイ。まさしくファンタスティコ!ベリッシモ!!
HRFQ : すごく楽しんでプレイしているように見えましたよ。
Santos : もう、体じゅうエネルギーに溢れてるっていう感じで、本当にストップしたくなかったんだ。出来ることならあと2〜3時間プレイしたかったよ。
HRFQ : みんなああいう音が聴きたくてウズウズしてたみたいですね。
Santos : そう。僕がブースで幸せそうに踊ってるの見たよね?踊り過ぎで、絶対に何キロかやせてるはずだよ。
HRFQ :(笑)。日本のオーディエンスについてはどう思いましたか?
Santos : 日本のオーディエンスがこんなにラブリーだったなんて、すごくびっくりしたよ。僕はすごいラッキーだったと思う。DJブースとフロアはすごく近くて、フロアの空気やヴァイブが直に伝わってきたんだ。それはもう、美しかったね。
HRFQ : 日本に来るのは今回が初めてですか?
Santos : 正真正銘の一回目だよ。まるで観光客みたいな気分だね。渋谷で買い物もしたし。
HRFQ : そうなんですか?何を買ったんですか?
Santos : もうぜーんぶだね。「これとこれとこれっ」って感じで。東京でもみんなすごくいい人っていう印象があったよ。日本ってホントにハッピーな空気に包まれてると思うな。
HRFQ : 日本に来る前に海外で何回かツアーしたことはあったんですよね?
Santos : そうだね。イタリア以外ではスペイン、イラン、ドイツ、イギリス…でも日本のクラウドは最高だね。パーティー・ピープルで溢れてる国だよ。
HRFQ : そうですね。日本でのこのブレイクス・シーンのものすごい盛り上がりを見て、どう思われましたか?
Santos : そうだね。今はブレイクス・シーンにとってかなりいい時期と言えると思うよ。きっと将来的にはもっと良くなるかもしれない。イタリアでブレイクス・シーンはまだまだ未開拓で始まったばかりなんだ。だから正直を言うと、今ブレイク・ビーツが日本でこんな盛り上がりを見せているなんて、僕たちは全然知らなかったんだ。僕たちはこのシーンに懸けているわけだから…すごく良いと思うよ。
HRFQ : いつ頃からブレイク・ビーツの要素をあなたの音楽スタイルに取り入れ始めたんですか?
Santos : わからないな…いつでもそうなんだよね。大体の人は僕の音楽を聴いて、「ハウスとブレイク・ビーツだね」って言うんだけど、自分ではそういうことを意図的にやってるつもりはないんだよ。つくりたい音楽をつくっているだけ…僕にとってはごく自然な流れなんだ。ブレイク・ビーツとハウスとエレクトロニックの混ざった音楽…これは何ものでもなく、ただ僕のつくる音なんだ。
HRFQ : あなたのニュー・アルバム、 "アブレイシヴ"というタイトルにはどんな意味が込められているんですか?
Santos : "アブレイシヴ"そのものは"摩擦"という意味なんだけど、アルバムが完成して初めて通して音を聴いた時、"アグレッシヴ"な音が多いなって思ったんだ。"アブレイシヴ"って"アグレッシヴ"に似てるでしょ?だからその二つの単語をもじったんだ。
HRFQ : ハウス・ミュージックとブレイク・ビーツの要素と、そして何よりも際立っているあなたのポップセンスのコンビネーションがすばらしいアルバムだと思いました。
Santos : これだけは確実に言えることなんだけど、わざとじゃないんだよ。僕が音楽をつくると、レコード会社の人は「これはすごいポップだ」って言うんだ。でも本当に自然と出て来るんだよね。わざとポップにつくろうとはしていないんだけど、自然とそうなってしまうんだ。
HRFQ : 今までどういった音楽を聴いてこられたんですか?
Santos : 若い時は、僕の両親の影響もあってジョルジオ・モルダーを聴いていたよ。「I Feel Love」で知られているドナ・サマーのプロデューサーのね。あと、90年代は主にシカゴ・ハウス、アシッド・ハウス、ファンキー・ハウスを聴いてたよ。
HRFQ : 今回のフジロックでは誰を見ましたか?
Santos : Basement Jaxx、Chemical Brothers、Franz Ferdinand、DJ CAM などかな。 Chemical Brothersはすごかったね。すごい人だったよ。でも、今日はこれから僕のヒーロー、Armand Van Heldenのギグなんだ。彼のギグは初めてだけど、絶対最高なものになると思ってるよ。
HRFQ : わかりました。最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
Santos : (レコーダーを手にして)ヘーイ!Santos だよ。君たちってホントにいい人たちだね。もし今回フジロックに来なかった人も、また今度僕が日本に戻ってきた時には、君たち全員の顔が見たいよ。日本のクラウドがNO.1だからね!
End of the interview
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