「僕は Twitter を使ってるよ。そして、実際に自分でやってる。だってすごく楽しいからね。丁度一時間前にも写真をアップしたところなんだ。何か嫌なことがあった時にもいい捌け口になるよ。」
James Zabiela のブログにはロシアの税関で止められた事に関する話が、映画 "Bladerunner" の Roy の名言と共に語られている。
「2倍明るく輝く光は半分の時間で燃え尽きてしまう (そして、Roy、君はものすごく明るく燃え続けたね)」
実際に彼自身、Twitter で扱う話題には他にももっと重要なことがあるのは認めているにも関わらず、彼のTwitter は少し風変わりである。
「この間サウサンプトンの Greggs (訳注:イギリスのベーカリーチェーン店)に行ったんだ。昼ごはんを買おうと思ったんだけど、クレジットカードが使えないって言うからイライラしちゃってね。すぐに Twitter にログインして、そのイライラを発散したんだよ。だって信じられるかい?昼ごはんを買うためだけにわざわざATMからお金を下ろさなきゃいけなかったんだよ?」
実際に彼の Twitter に書き込まれている記事を読むとその時彼はチーズ&ビーンスライスをベーカリーで買えずに怒りを覚えていたことがわかる。またそのような日々のストレス以外にも夜更かしをしてまで X box で遊ぶこと、旅行することが彼にとって以下に重要であるかが伺える。
彼はギグのために車で移動している最中、その頃空港でアナウンスされているであろう「ジェイムス ゼビイイイエラさん、お客さまのご登場になる飛行機がまもなく出発します。至急A18までいらして下さい。」という一言をTwitter に書き込んでいる。
「今は人の車に乗せてもらって、チューリヒにギグしに行ってるんだ。ビジネスクラスよりもこっちの方がいいからね。」
その一方、Skrufff とのインタビューで音楽に関して彼は非常に熱心に語ってくれた。特に "Renaissance The Masters Series" としてリリースされる2年ぶりの彼のコンピレーションについて語る彼は真剣であった。
「DJの中にはコンピレーションを毎年リリース人がいるけど、それをやるとすぐに飽きられてしまう危険性が孕んでると思うんだ。だから僕は絶対にそれはやりたくないと思ってる。それにいいトラックを作り貯めておいた方が、もっといいコンピレーションができるからね。」
Interview & Introduction : Benedetta Ferraro (Skrufff.com)
Translation : Shogo Yuzen
Skrufff (Benedetta Ferraro) : もっと頻繁にリリースするようにってマネージメントやレーベルからプレッシャーをかけられたことはないの?
J.Z. (James Zabiela) : それはあるね。特にマネージメント会社はどんなリミックスやコンピレーションの仕事の話も承諾して欲しいって思ってるからね。だけど、時には蹴るべき仕事もあるんだ。
Skrufff : プレスリリースによれば、CDにはギグの合間に君が自分の考えを語っている声など、スタジオ外で録音されたものも入っているらしいね。スターのバブリーな生活に溺れないようにするのは大変だった?
J.Z. : この生活は不思議な感じはするよね。けど、自分の時間があれば、冷静になることができるんだ。最終的にはいい友達が必要だと思う。僕はサウサンプトンに戻ってきたらいつでも会える学生の頃からの友達がいるんだ。だからロンドンには引っ越さなかったんだよ。たまに海外でのギグにも友達を連れて行くことがある。そうすればちょっとしたホリデーが楽しめるからね。サウサンプトンは刺激的な場所ではないかも知れないけど、僕にとっては暖かいホームなんだ。だからこの街が好きなんだよ。
Skrufff : DJの役割ってどんなものだと思う?DJプレイをエンターテイメント以上のものだって考えたことはある?
J.Z. : もちろんDJはエンターテイメントだよね。だけど、教育的にもなることはできると思う。みんなが聞いたことないような自分のお気に入りの音楽をかけるっていう楽しみはDJをする魅力だね。
Skrufff : 特にDJプレイのセットに関してなんだけど、どうやってルーティーンに陥ってつまらないものになってしまわないようにしているの?
J.Z. :
特にアメリカでツアーをしてるとそうなりがちなんだ。大きな国だから移動距離もあって、日中に曲を聴く時間が無くなりがちだし、5夜連続でプレイすることもあるからね。けど、自分が飽きてしまうからセットを変えることは大切なんだ。だから、僕はツアーの時には機材を持っていってプレイしてるその場で音をエディットできるようにしてるよ。ほとんど自分自身のためにそうしてるんだけどね。
だって、僕自身が自分のプレイをつまらないと思っていたら、見ている側にそれはわかると思うんだ。エンターテイナーならきっとみんなそうしてると思う。コメディアンだってきっと同じジョークを毎晩言うにしても少し話し方を変えたりするんじゃないかな?何かをしたり、よくないギグをやると、ただ仕事をしてるっていう感覚に陥ってしまう。DJをすることを仕事って呼ぶなんて馬鹿げてるとさえ思うからね。こんなに楽しくて、最高なもののどこが仕事なんだ?って思うからこそ、仕事をしているような気持ちにはなりたくないんだ。
Skrufff : 物事が間違った方向に行っちゃったり、自信を喪失するような瞬間ってあった?
J.Z. : 誰もが経験するものだと思う。僕は僕自身にとって最も厳しい批評家なんだ。だから、何かを間違えたり、失敗したら、それについてずっと考えちゃう。次のギグがバッチリ成功するまでハングリーなんだ。だから凄く些細なことでも自分のことを責めるくせはあるね。
Skrufff : そろそろ君は30歳になるけど、DJ TOP100に入っているDJ達に比べると若いよね?彼らと自分の間に年の差を感じることはある?
J.Z. : そうは思わないね。だって僕は彼らみたいになりたいって思いながら育ったし、何人もの好きなDJに影響を受けてきてるんだ。みんなDJを始めた頃って自分の好きなDJ達のスタイルが自分一人の中に混在してる感じだと思う。だけど、だんだん自分のスタイルを見つけて、方向性が見えてくるものだと思うんだ。
Skrufff : 君のことを羨んでるローカルのレジデントDJから、嫌がらせをされたことはある?例えば君の機材を壊されたり、プレイの直前に君の曲をかけられたりとか?
J.Z. : それはあるね。けど、別にわざと嫌がらせをした感じじゃなかったんだ。僕のプレイの前に僕の曲をかければ僕が喜ぶと思ってやってくれたんだろうね。僕を褒めるって意味でかけてくれているんだと思う。それ以外に本当にいやなことをされたことはないよ。
Skrufff : テクノロジーによってDJをすることがどんどん簡単になっていって、技術を持ったDJがどんどん現れてきているよね。テクニックっていうのは今でもDJのキーになっていると思う?君自身にとって重要なものかな?そして、他のDJにとってはどうだと思う?
J.Z. : 個人的には自分でビートを合わせることが好きなんだ。Ableton や Tracker もブースにあるんだけど、それでも昔ながらのDJのやり方が好きなんだよね。それが楽しいところだと思うからさ。それにパフォーマンスの一部でもあるからね。ただ突っ立ってボタンを押してるだけじゃ、何もしてないように見えちゃうでしょ?DJの中には曲を全部シンクロさせて、自分でビートを合わせない人もいれば、自分の曲を重ね合わせて新しいバージョンをその場で作り出すDJもいる。僕も自分の曲を組み合わせて、プレイしているその場で作り直したりするんだ。そのためにそういう機材をブースに置いてあるんだよね。
ビートを合わせてDJすることに慣れ親しんでるし、実際音楽自体よりもその作業に魅せられた部分が大きかったんだ。15歳の時に友達が Nirvana を聞きながら、スクラッチを入れてたんだけどそれに夢中になったんだよね。その頃はハウスなんて聞いた事もなかった。ただターンテーブルを買って、友達がやってるようなことをやってみたいって思ったんだよ。
Skrufff : 君は大手のタレント会社の William Morris Agency に所属してるよね。最近はマーケティングも重要だと思う?
J.Z. : 当然彼らはいつでも僕に何かをやるように求めてくるよね。でもさっきコンピレーションの話の時にも言ったように、何か伝えたいことがある時や宣伝するべきものがある時だけしかインタビューをする必要はないと思うんだ。この Renaissance のコンピレーションはメディアに話をするいい機会をくれたけど、もし何か大切なことがない時期には雑誌の載ったりはしたくないんだよね。
もしメディアに露出しすぎたら、本当に読んでもらう必要がある時にみんなに流し読みされちゃうからね。時には露出を減らすことの方が意味があるのを覚えておくことが大切だと思う。Sasha や Radiohead の Thom Yorke のようなアーティストを参考にして、メディアとは付き合っているよ。William Morris Agency とは良い関係を築けているけど、もしマネジメントで契約していたらもっと色んなことをやらなくちゃいけなかっただろうね。
End of the interview
James Zabiela のDJ MIX アルバム "Renaissance The Masters Series - James Zabiela" は
Renaissance より発売中。
日本では5月23日(土)、ageHa にて、本作のリリースツアーとして来日が予定されている。
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関連リンク
James Zabiela Website
Renaissance Website - Recordstore.co.uk
James Zabiela on Twitter
James Zabiela Myspace Page
ageHa Website
Skrufff.com Website