HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

James Zabiela


6月11日に WOMB で開催される renaissance は、スペシャルゲストDJに、その超絶技巧と既成概念を打ち砕くオルタナティブなパフォーマンスで、目下ヨーロッパのシーンを席巻している 若きスター James Zabiela を迎えて開催される。昨年の6月に行われた初来日公演からほぼ1年。その後、夏のフェスティバルを総なめし、ワールド・ツアー、そしてビッグ・セールスを記録したミックスCD "Alive" のリリースなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの活動を繰り広げてきた James Zabiela。今年に入って制作活動も本格的にスタートさせた模様で、今年5月には、遂にミニアルバム"Utilities EP"を発表、そのリリース・ツアーの一環として再び WOMB のフロアに降り立つことになった。

その James が HigherFrequency の E メール・インタビューに応じ、今回のプレイの内容やニュー・アルバムなどについて話を聞かせてくれた。

> Interview & Introduction : H.Nakamura (HigherFrequency) _ Translation : Kei Tajima (HigherFrequency) _ Photo : Grete Hjorth-Johansen

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HigherFreuquency (以下HRFQ) : 昨年日本で初めてのギグを行われたので、今回で二回目となりますね。昨年と比べて、今年のギグについてどのように感じられていますか?

James Zabiela : 昨年のギグがすごく良かったから、今回プレイするのがすごく楽しみだし、よりエキサイティングに感じてるよ!

HRFQ : 昨年は Pioneer DVJ-X1 を使われてプレイされたわけですが、あなたが当時リリースされたばかりの DVJ という素晴らしいテクノロジーを使って演出した世界には圧倒されてしまいました。今回 私たちは WOMB のフロアで一体どんなことを"観て"、"聴く"ことができるのでしょうか?

James : 実は、今回 DVJ は使わないんだ。今は自分の音楽作りに集中してるということもあって、今回は EFX1000 と新しいミキサー DJM1000 を使おうと思ってる。WOMB はこのミキサーを設置してある数少ないクラブのひとつなんだよ。最近出たばかりだからね。DVJ は使っていてすごく楽しいんだけど、毎回使っているわけではないんだ。DVJ を使う場合、すべてのトラックに合わせた映像を作らなくちゃいけないしね。だから、今回は音にフォーカスしたセットをしようと思っているんだ。

具体的なセットアップで言うと、今回はミキサーである DJM 1000 に EFX 1000 をスペシャル・ケーブルで接続して使うことにしている。こうすることで、エフェクトのコントロールをクロス・フェーダーを使ってやることが出来るし、それによっていろんな可能性を広げることが出来るんだ。この DJM 1000 と EFX 1000 はセットで上手くワークするように設計されているし、僕自身この二つの機材の開発にも関わっていたから、全く同じセットアップが自宅にも置いてある。だから、今回の WOMB でのプレイは、僕にとってとても贅沢な環境でプレイが出来るということなんだよね。その他にもサンプラーを使って、トラックをバラバラに解体してセットに織り交ぜていこうとも思っているよ。

HRFQ : 今回のDJセットではレコードも使われる予定ですか?今でもレコードはあなたにとって欠かせないものですか?

James : レコードが全てだよ!最近では以前よりもレコードを買っているね。でも実際には、それを全部CDに取り込むようにしているんだ。しかも最近レコード・バックを壊してしまってね。だから今回はエフェクトと、CDとサンプラーしか持って行かないよ。

HRFQ : 今回初めてあなたのパフォーマンスを観に来るクラウドのために、あなたのDJスタイルを簡単に説明してもらえますか?

James : アシッド・ハウスとブレイクスにメロディックな要素とテクノ、それにSFっぽい要素が加わった音楽かな。

HRFQ : ニュー・アルバム " Alive 2 - Utilities " について伺っていきたいのですが、今回のミックスCDは、ディスク1では Ableton Live を使い、一方ディスク2では3台の CDJ とサンプラー、EFX を使われてコンパイルされたそうですね。こういったニュー・テクノロジーを駆使してどのようにレコーディングを進められたのかなど、アルバムについて少し話してもらえますか?

James : そうだね。あんまり細かい詳細は話せないけど、ディスク1は Ableton を使った僕なりの実験だったんだ。いろんなタイプのプラグインを使って、何度もエディットを重ねてトラックを再構築していき、そうして最終的に流れのあるミックスになるようビルド・アップしていったという感じ。一方のディスク2では、EFX マシーンとサンプラーを使って、ディスク1と同じような効果が出せるということを証明したかった。ソフトウェアの代わりにハードウェアを使って、自分の耳とピッチを合わせるセンスを MIDI 代わりに使ったんだ。だから、この二枚で実際にテストしていい結果を得たことで、「作品が素晴らしければ、どんな方法を使おうと関係ない」って自信を持って言えるようになったというわけさ。ただ、少なくともライブ・パフォーマンスという場においては、リアル・タイムのミキシングとリアル・タイムのエフェクト操作というものが、自分には合っているという感じはしたね。

HRFQ : 最近リリースされたEPにも "Utilities" というタイトルがつけられていましたが、この"Utilities" はDave Seamanの "Therapy" やSashaの "Fundacion" のようなレギュラーのプロジェクトなのでしょうか?

James : こういう商業的なミックスCDはこの後しばらくリリースする予定がないよ。次に何をリリースするかはまだ決まってないね。

James Zabiela Interview

HRFQ : "Utilities"のコンセプトを教えてください。

James : 最終的にいい結果を得るために様々な方法を使ってミックスすること、それに加えて僕自身が違うアプローチを使ってDJをすることで、どんなことを達成できるかを試す意味もあったね。

HRFQ : 昨年のインタビューで、'Hearing Aid' というレーベルを密かに運営されているとお話されていましたが、今でも運営を続けられているんですか?それとも現在は他に一緒に仕事をされているレーベルがあるのでしょうか?

James : そうだね。今度新しいトラックをリリースする予定だよ。先日の 'Utilities EP' も Renaissance と Hearing Aid のコラボレーションとしてリリースされたんだけど、あくまでも Hearing Aid はアンダーグラウンドに留めておきたいんだ。僕は A&R にはなりたくないし、年に10作品以上出さないといけない状況なんてつくりたくないしね。レーベルをマイ・ペースに続けていれば、僕も自分の好きなこと…(パフォーミング!)に集中できるし…。だからレーベルの方はその道の専門に任せてるよ。

HRFQ : あなたのDJキャリアにおいてイビザは非常に大きな意味合いのある場所だと思います。今年のイビザ・シーズンはどのような感じになりそうですか?

James : グレートの一言だよ!待ちきれないね!!去年はちょっと事情があって十分に楽しめなかったんだけど、やっと自分のスタイルが確立して、今年はすごく自身があるんだ!常に学んで、進化していくべきだよね。今年は Space で日曜日のレジデントとしてプレイするのと、木曜日の Sasha のパーティー Fundacion でも一回プレイするよ。

HRFQ : 初のアーティスト・アルバム等、リリース予定のあるプロジェクトはありますか?

James : どうだろう…先週シングルをリリースしたばかりだからね!この作品は、駆け出しのアーティストが使えるようなDJツールもいっぱい入ったEPなんだ。Beatport.comでもダウンロードできるし、アナログやCDはレコード・ショップにおいてるよ。'The Utilities EP'っていう名前で、'Robophobia'っていう僕のトラックが入ってる。ちょっと可笑しい名前だけど、すごく誇りに思えるトラックだよ。

HRFQ : 昨年は随分と秋葉原でのショッピングをエンジョイされたということでしたが、今回は東京の他の場所も観て回られる予定ですか?それともまた秋葉原でのショッピングにフォーカスなさるのですか?

James : 親切なことに、今回もまたパイオニアのスタッフが"ロボット・ショッピング" に連れて行ってくれるみたいなんだ(笑)!!待ちきれないよ!!東京にはすごくインスパイアされるし、僕の住んでるUKのサザンプトンに比べると都市のクオリティも世界レベルだからね。

End of the interview

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