IBIZA 2004

ENGLISH IBIZA2004

Interview with El Divino

Ibizaの中でも最も素晴らしいクラブの一つと言われるEl Divino。港に面した地域に位置し、超満員のダンスフロアーと豪華絢爛なデコレーション、それに最高の眺めでもってお客もてなすこのクラブは、世界中から訪れた魅力的で洗練されたクラウド達を惹きつけてやまない。

最近では、Ibizaへの訪問者数も減少傾向にあり、クラブ間の競争も以前にも増して激化していると言われるが、El Divinoは、あのスーパークラブPachaとほんの数百メートルしか離れていないという立地にも関わらず、非常に順調に成功を収めていると言われている。そんなEl Divinoでプロモーションのヘッドを務めるMartinaに、HigherFrequencyがクラブの概要や今年のプランなどについて話を聞いた。

> interview & photo : matt cheetham (HigherFrequency) / translation : h.nakamura (HigherFrequency)

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HRFQ : クラブとしてのEl Divinoはどんな感じですか?

Martina : El Divinoは、間違いなくIbizaの中で最も魅力的なクラブだと思います。建物の作りやデコレーションも美しいですし、ロケーション自体の素晴らしさも他のクラブと一線を画していますからね。外にはカプセルに包まれたようなテラスもあって、ここから見る事が出来るライトアップされたオールド・タウンの眺望は、Ibizaの中で最高のもので、全てのカメラマンにとっての憧れであるとも言われています。その他、レストランにおいては、インターナショナルと地中海のフレイバーをふんだんに取り込んだメニューを取り揃えていて、パーティーをする場所としてだけではなく、食事を取る場所としても素晴らしい評価を頂いています。また。クラブという点でお話しすると、Hed KandiやDefected、それにSalvationといった百戦錬磨のプロモーターたちが毎夜素晴らしいパーティーを繰り広げており、そのユニークな組み合わせといった面でも、他からの追随を許さないものになっていると言って良いでしょう。

HRFQ : El Divinoはどのような人に人気があるのでしょうか?

Martina : El Divinoは、コスモポリタンでシックなお客さんに大変人気があります。常連の方の典型は、魅力的で美しい方々、素晴らしい音楽と景色をこよなく愛されている方々が多いですね。ジャン・ポール・ゴルチェやマドンナ、スパンダー・バレエといったセレブの方々、それにナオミ・キャンベルやリンダ・エヴァンゲリスタといったスーパーモデルなどもよく遊びにいらっしゃいますし、映画やテレビの業界の方、それにイギリスのサッカー選手なんかもよく顔をお見かけします。最近ではジョナサン・ウッドゲートや、ロビー・ファウラーなんかもVIPルームにいらっしゃっていましたよ。

HRFQ : 今年のシーズンは今のところどんな感じですか?

Martina : 今日までのところ、かつて無いほどのベストなシーズンであると言ってよいでしょう。島全体としては、今年は前の数年に比べると客足が随分と鈍いようにも思えますが、その中でもEl Divinoは例外的に上手くやっていると思います。今年は5月28日にオープンしたのですが、その日は記録的な長蛇の列となり、今年の素晴らしいシーズンを予感させるスタートとする事が出来ました。最近ではIbizaも、ビールを飲んで酔っ払っている人が溢れているレイブの島から、徐々に洗練された魅力的な島へと変化を遂げつつありますし、その意味においてEl Divinoはその大きな恩恵を受けている場所であると言えるのではないでしょうか。

Interview with El Divino

HRFQ : 今年はどのようなところに変更を加えましたか?

Martina : テラスに幾つか手を加えたのと、あと、フロアーの真ん中にポディウムを置きました。あと、パーティーの中身的には、とても人気のあるドイツ人DJチーム、Disco Boysを日曜の夜にブックしたり、月曜にはイギリスの魅力的なパーティー"Kinkymalinki"を、そして水曜日には、"Twice as Nice"のプロモーターが主催するR&Bのパーティー"Sexy&Stylish"などを入れたりして、幾つか新しいパーティーをスタートさせようと思っています。あと、今年の新たなレジデントとして、イギリスからOnePhatBillieというDJを迎えることにしました。彼は、マイケル・ジャクソンの"Billie Jean in 2001"を手がけた人としても有名な人で、その正確なミックステクニックと素晴らしい選曲で世界中のクラウドをアッと言わせてきたDJです。彼は、今度の7月16日に新たにオープンする、El Divinoのブラジル店のオープニング・パーティーでもDJを務める事になっており、間違いなく今年のEl Divinoのフロアを盛り上げてくれると思います。

HRFQ : 今年はどのプロモーターの活躍が目覚しいと思いますか?

Martina :いずれのプロモーターもエキサイティングで新しく、かつ個性に溢れたパーティーを展開してくれていると思います。イタリア系のパーティー"Salvation"では、素晴らしいショウと映像が繰り広げられ、竹馬に乗って歩く人や、蛇を巻いた女性なんかも登場しますし、素晴らしいライブセットとデコレーションと言う点においては、我々が長年に渡ってお届けしているパーティー"Miss-Moneypennys"なども高い人気を誇っています。あと、Junior JackやKid Cr?me、それにSandy Riveraなどの世界的に有名なDJをフィーチャーしたDefectedのパーティーや、素晴らしい作りこみと楽しいノベルティグッズで知られるHed Kandi。それにさっきお話したような新たなパーティーも加えて、どれをとっても後悔させない内容になっています。ですから、どのプロモーターも、今年は本当に素晴らしい働きをしてくれていると、自信を持ってお答えしたいと思います。

HRFQ : 数年後に関してはどのような計画をお持ちなんでしょうか?

Martina : 我々に対しての評価を維持して、さらにそれを伸ばしていく事に尽きますね。特に今年は、El Divinoのブラジル店がオープンする事もあって、素晴らしい一年になるんじゃないでしょうか。

HRFQ : Ibizaが現在直面している問題にはどのようなものがあるのでしょうか?例えば、多くのクラブが騒音に関する問題を抱えていると聞きますが・・・

Martina : 今年は殆どのクラブにおいて、騒音のレベルに関しての厳しい制限が実施される事になりましたが、Ibiza Townの港に位置する我々El Divinoは、360度を水面に囲まれているので、その影響は受けていません。

HRFQ : Ibizaにおけるクラブシーンはどのように変化してきたと思いますか?

Martina : ここ数年でちょっとずつ変化してきましたね。かつてのレイブシーンが衰退して、今ではファンキーハウスのシーンが中心になっていると言って良いと思います。それにつれて、ターゲットにしているお客さんのタイプも変わってきていて、かつての快楽主義的な人たちから高級志向で魅力的なタイプのお客さんへとシフトしてきている感じですね。

HRFQ : 90年代の中盤以降、なぜIbizaを訪れる人の数は減っていったのでしょうか?

Martina : まず最初の理由としては、Ibizaが数多くの間違った報道をされてしまった事が挙げられるでしょう。Ibizaのヴァイブにそぐわない悪い連中や、島に関して悪い印象を与えてしまう酔っ払いの連中は常に付きものですが、残念な事にこういった人たちの映像がテレビ番組として放映される事で、視聴者にアンフェアな状況描写を与えてしまい、ひいては人々がIbizaに来るのを控えるようになってしまったんだと思います。あと、音楽シーンが大きく変化していたにも関わらず、ここの人たちは相変らずレイブシーンと密接に関わり続けていて、このシーンが既に終わっている事に気付かなかったと言う事もありますね。

Interview with El Divino

HRFQ : イギリスでは、いわゆるスーパークラブの時代が終わりを迎え、最近ではより小さめのアンダーグラウンドなクラブにみんなの興味が移りつつあると言われていますが、同じような事がIbizaでも起こっていますか?

Martina : 個人的には、小さくてプライベートな感じのするクラブに行った方が絶対に楽しいと思います。大きなクラブだと、自分自身が大きな干草の山の小さな針一本みたいな感じに思えてきたりしますが、小さなクラブではもっとプライベートな感じがするし、友達を見失ってしまう事も少ないでしょうからね。これが今のクラバー達が望んでいる雰囲気で、それ故、レイブシーンが後退して、クラッシーなパーティー・ピープルを中心とした新たな世代が台頭してきたんだと思いますし、Ibizaもその例外では決してありません。

HRFQ : Ibizaのシーンは既にピークを迎えてしまっていると思いますか?それともまだ成長の余地はあるんでしょうか?

Martina : 私はとても楽観主義な人間で、そして何よりIbizaを信じ愛しています。それに、人生と同じで、先のことは誰にもわからないですよね。だから、いつも私は、まだ成長の余地はあると信じていますし、今のIbizaは生まれ変わっている最中で、ある種の過渡期にあるんだと考えるようにしています。あれ程の人気を誇ったトランスも今ではすっかり影を潜め、よりファンキーハウスに寄ったシーンになってきていますし、R&Bなんかも人気が出てきて、随分と客層も変わってきましたよね。だから、これからは全く新しい島へと成長を遂げていくんだと思っています。

HRFQ : 日本のクラバーがIbizaに来るべき理由はなんですか?

Martina : 勿論、豪華絢爛なEl Divinoを訪れるためでしょう!あと、この島で体験できる全てのことが魅力的だからです。素晴らしいビーチに美しい風景、それに良いお店やバーもたくさんあります。そして、世界のクラブ文化の中心地として、他では絶対に体験できないような休日を過ごす事が約束されているからです。

End of the interview

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