![]() クラブは島内の至るところに存在するが、特にIbiza TownとSan Antonioの間の地区には 世界的にも有名な魅力的なクラブが密集し、スタイリッシュでセレブな雰囲気が売りのEl Divinoから、洞窟の様な造りをもったギネス・ブック公認の世界最大のクラブPrivilegeに至るまで、それぞれの店が独自のカラーとコンセプトを打ち出して、様々な趣向を凝らしたパーティーで激しく凌ぎを削っている。 そもそもイビサがヨーロッパで注目を浴び始めたのは1987年のこと。Nicky HollowayやDanny Rampling、Johnny Walker、それにPaul Oakenfoldといった4人のDJが、ヴァカンスでこの島を訪れた時に遡る。かつて70年代の頃は、ヒッピーの多く集まる場所としてその名を馳せていたイビサには、この地域特有の快楽主義的な思想が根付いており、それに触れる事で大いに感化された4人は、その考え方をイギリスに持ち帰ることを決意。同じ頃にアメリカから押し寄せていたハウスミュージックの波と、エクスタシーという新たなカルチャーの力を借りつつ、セカンドサマー・オブ・ラブという一大ムーブメントをイギリス中に巻き起こす事に成功する。そして、この大きな流れの中で、突如としてシーンの中で注目される事となったイビサ島は、その後も、ダンスミュージックの聖地として、毎年数多くのダンスミュージック・フリークが訪れる場所へと変貌を遂げていくのである。 |
![]() その結果イビサは、ありとあらゆるエレクトロニック・ミュージックを代弁していく場所へと成熟。今では、Cafe Del Marの夕陽をバックにプレイされるアンビエント・ミュージックから、Sven VathとRichie HawtinのオーガナイズするCocoonのパーティーで聞かれるようなアップリフティングがテクノに至るまで、様々なタイプの音楽が、日夜を問わず訪れたお客を魅了し続けている。勿論、それなりに値段が張る入場料やドリンク代との引き換えではあるが・・・。 |
![]() ローカルのスペイン料理に関しては、島内のどこでも楽しむことが出来、最高の料理を提供してくれる高級レストランもいくつか存在している。勿論、こういった場所はいくらか値段も張るところが殆どであるが、特に郊外に位置するレストランの立地環境やその周りの風景は筆舌に尽くしがたいものがあり、それだけのお金を払っても充分に価値のあるものだと言えるだろう。ただ、東京やロンドンで軽く食事を済ませる時に払うような金額で楽しめるチョイスは極めて限られており、あったとしても殆どは極めてベーシックなものしか味わえないのが現実のようだ。 イビサへの往来は非常に簡単で、スペイン本土からの便やヨーロッパの主要都市からの直行便が毎日出ているので、こちらを利用する事になる。また、数週間滞在する事を予定している人には、フライトとホテルがセットになった安いパック料金も予定されており、到着と出発の日にちはフィックスされていると言う制限もあるが、ハイシーズンにおいては特に威力を発揮する格安プランであると言えるだろう。 |
![]() まだまだ現役バリバリのダンスミュージックの聖地イビサ。今年の日本の猛暑に辟易している人は、この機会に一度出かけてみてはどうだろうか。きっとそこには、あなたのダンスミュージック・ライフに影響を与える何かがあるはずだから。勿論、休みが取れればの話だが・・・。 |
Text by Matt Cheetham & H.Nakamura(HigherFrequency)