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X-Press 2 / Makeshift Feelgood

X-Press 2 / Makeshift Feelgood

発売日 : 2006/09/08
レーベル : Sony Music Japan International
カタログ : EICP650
フォーマット : Original CD
発売国 : Japan
スタイル : House

日本でも高い人気を誇るベテランのハウス・ユニット X-Press 2 から届いた約4年ぶりのニュー・アルバム。前作 “Muzikizum” では、全英2位となる大ヒットを記録した ‘Lazy’ のヴォーカルに元 Talking Heads の David Byrne を迎えて話題を呼んだ彼らであるが、今回も多彩なゲスト・ヴォーカルを迎えながら、ハウスの枠に留まらない新鮮で遊び心に満ちたトラックの数々を聴かせてくれる。

オープニングを飾るのは、テキサスのナッシュビルを拠点に活動するカントリー・ポップス・バンド Lambchop の Kurt Wagner をゲスト・ヴォーカルに迎えて話題を呼んだ先行シングル曲 ‘Give It’。Kurt の発案により教会のゴスペル隊をバック・コーラスに使って録音されたこの曲は、ゴスペルの荘厳さとハウス・ビートの力強さが見事に融合した感動的なナンバーで、冒頭からリスナーの気持ちをグッと引き込むことに成功している。続いて耳に飛び込んでくる ‘Witch Tai To’ は、打って変わって浮遊感のあるソフトなポップ・チューン。日本におけるソフト・ロック・ブームの中心的な存在 Harpers Bizzarre のヴァージョンが有名な曲だが、元々はアメリカン・インディアンの聖歌であることはあまり知られていないかもしれない。今回はゲスト・ヴォーカルに白装束でのライブ・パフォーマンスが話題を集めている現代のソフト・ロック・グループ The Polyphonic Sphee の Tim DeLaughter を迎えていることもあって、Harpers Bizzarre のアレンジが生み出したポップな感触と、伝統的な聖歌ならではの神秘的な空気感が共存した不思議な印象を与える仕上がりとなっている。

アルバムからのもう一つの先行シングル曲である “Kill 100” は、息を押し殺したような緊張感が漲るダークなハウス・チューンで、ヴォーカルには日本でも大人気のインディ・ロック・バンド The Music の Rob Harvey を迎えたことでも話題を呼んだトラック。「もし誰かを殺したら、それは100人の人を殺したのと同じことである」という中国の古い諺に基づいて書かれたという深遠な世界観が展開される歌詞は、どこか宗教的な深みを感じさせる Rob のキャラクターや声と美しい調和をみせており、アルバムの中盤におけるアクセントとして強烈な印象を与えてくれる。そして、オリジナル・アルバムのラスト・トラックである “Last Man” は、‘80年代に活躍したカルト・バンド Kissing The Pink の Nick Whitecress のひねくれた歌声がニュー・ウェイブ的な印象を残していく軽快なポップ・ソングとなっており、最後の最後に X-Press 2 らしい前向きな明るさを存分に楽しませてくれる楽曲だ。

個性的なゲスト・ヴォーカルたちによるキャッチーな歌声を全編にわたって大々的にフィーチャーすることで、幅広い層のファンにアピールできる内容に仕上がっているこのアルバム。既にキャリア10年以上を誇るベテランらしい安定感と、様々なスタイルに挑戦する冒険心が程よい具合でブレンドされているので、またも世間をにぎわす話題作になることは間違いなさそうである。

また、日本盤にはボーナス・トラックも2曲収録。Ashleey 自らがヴォーカルを担当した “Makeshift Feelgood” と、”Don’t Make Me Wait” のビートレス・ヴァージョンが収められているので、ファンにとってはこちらも見逃せないだろう。(Yoshiharu Kobayashi ; HigherFrequency)


収録曲

01. Give It
02. Witchi Tai To
03. Enjoy The Ride
04. 17
05. Fellow Cutie
06. Don't Make Me Wait
07. Kill 100
08. Light My Soul
09. The Answer
10. Last Man
11. Makeshift Feelgood * Bonus Track
12. Don't Make Me Wait (Bestless) * Bonus Track



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