HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Dave Seaman_Luke Chable

RENAISSANCE PRESENTS THE THERAPY SESSIONS FEAT DAVE SEAMAN & LUKE CHABLE

DATE : 20th March, 2005 (Sat)
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)


Dave Seamanによって発足したUKのRenaissance傘下のレーベル Audio Therapyから、オーストラリアの鬼才 Phil Kをフィーチャーしてリリースされた2枚組ミックスCD "Therapy Sessions"は、多くのプログレッシヴ・ハウス・ファンに受け入れられ、DJ/プロデューサーとしてだけではなく、レーベル・オーナーとしてのDaveの才能を世界中に知らしめた。今回、早くもその "Therapy Sessions"の第二弾が、再びオーストラリアから、Luke Chableをフィーチャーしてリリースされることとなり、そのリリース・パーティーが渋谷WOMBにて行われた。

オープンして間もなくして開場すると、ステージ上に設置されたステージでLuke Chableがスピンを始めていた。Luke Chableといえば、オーストラリアのダンス・ミュージック・シーンを代表するプロデューサーの一人、2003年の "One Day" や、Bonniciとのユニットでリリースした "Ride" など、クラブ好きの中で知らない人はいないであろうスーパー・ヒット・アンセムを生み出しており、DJとしても世界中で高い評価を得ているなど、まさに"超売れっ子" アーティストなのである。意外なことに、彼が本格的にDJを始めたのは2・3年前で、WOMBでプレイをするのは今回が初めてということだったのだが、Planet Funkの "The Switch" など、ファンキーなトラックで盛り上げるなど、セット前半から満員のクラウドの心をがっちり掴んでいた。その後もどんどんアッパーに盛り上げ、ピークに近づきそうなところで、Britney Spearsの "Breath On Me (James Holden Mix)" をドロップするなど、かなり上級なテクニック&ハイセンスな選曲で楽しませてくれたLuke。これからバトン・タッチするDaveが、このアッパーなセットを受けて、どのようなセットを展開するかが楽しみだった。

Dave Seaman_Luke Chable
Dave Seaman_Luke Chable
Dave Seaman_Luke Chable Dave Seaman_Luke Chable
Dave Seaman_Luke Chable Dave Seaman_Luke Chable
Dave Seaman_Luke Chable

Lukeのセットも終盤に近づくと、HigherFrequencyはインタビューのため楽屋へ。クールなジャケットを羽織り、お酒を片手に笑顔で登場したDaveとの充実したインタビューの後、プレイを終えたばかりのLukeが登場。フロアからは、かすかにDeep Dishの "Flash Dance" が。昨年5月のPhil Kとの " Therapy Sessions" のリリース・パーティーでも、Daveがピーク時間にドロップしたのはこの曲だったことが懐かしく思い出された。それから、しばらくはロック系の選曲が続いているように思えたが、インタビュー後再びフロアに移動すると、ファンキーなプログレッシヴ・ハウス・チューンがクラウドを盛り上がらせていた。Sander Kleinenbergによる名曲 "Fruit" のリミックスが響き渡ると、セットは徐々にトランシーなプログレッシヴ・ハウスへ。グルーヴィーでスピード感のあるビートの上に、泣きのメロディが乗るという、まるでDave SeamanがGlobal Underground016:Cape Town で披露したような、'90年代前半を思わせるプログレッシヴ・チューンが次々とドロップされる。決して派手ではないが、"王道" なセットに、フロアも、ものすごい盛り上がりを見せていた。そこで、Daveがドロップしたのはアメリカの新星、Derek Howellの "You Wanna Do What" !このタイミングでこの曲が来るとは……筆者も思わず目頭が熱くなってしまったのだが、流石は今まで何万人ものクラウドを相手にしてきたベテランDJ。DaveのDJとしての力量を再確認した瞬間だった。

セットは終盤に向かうにつれ、No Doubtのシンガー Gwen Stefaniによる、"What You Waiting For" のリミックスなど、再びロック系〜ファンキーな選曲へと移行していき、2回のアンコールをもって終了した。セットを終え、ステージ上からクラウドに手を振るDaveの姿を見て、インタビューでの彼の一言を思い出した。

「確かに"プログレッシヴ・ハウス"という言葉は、最近ではまるで汚い言葉のような扱われ方をしているね。だけど、俺にとっての'プログレッシヴ・ハウス'とは、メインなダンス・ミュージックであって、ハウスより更にエレクトロニカの要素が強く入っていて、常に進化をし続けていて、パターンにとらわれることのない音楽。常に新しいことにトライして、ひねりを効かすことこそが、僕の考えるプログレッシヴ・ハウスのスピリットなのさ」

Dave Seaman_Luke Chable
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Dave Seaman_Luke Chable
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