HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

JAMES ZABIELA

RENAISSANCE presents JAMES ZABIELA "UTILITIES" ALBUM TOUR @ WOMB

DATE : 11th June, 2005 (Fri)
DJs : James Zabiela, Ohnishi
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)




既存のDJスタイルを超越したパフォーマンスや、音楽ジャンルの概念を吹き飛ばすようなサウンドで、今やダンス・ミュージック界の今後を担う新星として世界中からその実力を認められているDJ James Zabielaが、約一年ぶりとなる来日公演を果たした。初来日となった昨年の公演では発売後間もないPioneer DVJ-X1を駆使し、近未来を象徴するようなセットを披露してくれたJames。しかし、今回はHigherFrequencyが事前に行ったE-mailインタビューで本人が語っていたように、「音楽にフォーカスしたセットにしたい」ということから、EFX1000 と新しいミキサー DJM1000を使ったセットを披露してくれることとなった。

JAMES ZABIELA
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プログレッシヴ・ハウス・ファンにとっては久々のビック・ネームの来日ということもあってか、ギグ当日は早い時間から大勢のクラウドで埋めつくされていた。トライバル・ハウスを基調としたOhnishiのセットに合わせて、半ばピーク・タイムを思わせるフロアの盛り上がりに少したじろいでしまったHigherFrequencyだが、Jamesの登場のタイミングを見計らってフロア前方に移動。若きスターの登場を待つ。そして、いよいよお得意のスクラッチ音と共にJamesが登場すると、フロアのクラウドのテンションは早くも最高潮に。A STUDIOの"S.O.S"や、New Orderの"Blue Monday"など、様々なトラックを分解し再構築することで、オリジナルな流れをつくり、次第にフロアのヴァイブを大きいものにしていく機械博士。そして、フロアには彼自身が開発に関わっていたという Pioneer のミキサー DJM 1000 を通して出されるフル・デジタルならではのクリアなサウンドが響き渡っている。自らの意見が反映された機材と自分好みの音、そしてそこから生まれる「プロとしての自信」に満ち溢れるJamesの表情に、こちらのテンションも否応なしに高められた。

しかも、昨年のギグでは非常にエネルギッシュでありながら、やや突発的に思えたブレイクの波も、今回はその激しい盛り上がりの裏にある冷静さによって緻密にコントロールされていることに気付く。James本人も語っていたように、決して彼にとって楽ではなかったこの一年という歳月を経て、彼自身「音」という要素以外に、DJとして大事な「何か」を身につけ、確実にグレード・アップしてWOMBのフロアへと帰ってきてくれたようだ。

JAMES ZABIELA
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セット中盤で早くも"ザビエラ節"の虜となってしまったクラウドを前に、Chemical Brothersの"Believe"をドロップし、さらに縦へ横へとクラウドを動かすJames。ここから後半へ向かっては、ややプログレッシヴ〜トランスよりの選曲で、さらにグルーヴ感を出ていき、果てはステージ上のJamesもクラウドに負けないほどの満面の笑みで跳ねまくる。そして、いよいよセットが終盤へ差し掛かると、哀愁漂うDepeche Mode の名曲 "Enjoy The Silence"のTimo Maas Mixがドロップされ、激しい拍手とアンコールの声に、Jamesも笑顔でアンコールに応える。正直、これだけ激しいアンコールの声を聞いたのはかなり久々だったような気がする。それだけこの若き才能のプレイに、日本のクラウドが感動し、ダンス・ミュージックの明るい将来を感じたということなのだろう。

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