international news _ JONTY SKRUFFF _ 2005.09.22
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translated by Kei Tajima (HigherFrequency)
イギリスのレーベル Bedrock のボス John Digweed が、Skrufff とのインタビューに応え、同レーベルから近日発売予定のコンピレーション "Layered Sounds 2" について語ると共に、彼自身が、アナログの将来に対する希望をすっかり失ってしまったことを語った。
「アナログの時代に関しては、"終わってしまうかもしれない"ってことじゃなくて、"いつ終わるか"っていうレベルの話だと思うよ。すごく残念だけどね」
このような John の発言は、シーンにとって非常に大きな衝撃と言えるかもしれない。なぜなら、彼こそ長い間アナログを熱狂的に支持してきたDJの一人として知られている人物であり、(2004年のDJ Magの投票では"レコードを心から愛するDJ" に称された)そんな彼が、変化はすぐに起こると予測したからだ。
「最近ではほとんどのDJ がCDを使ってプレイしているから、クラブへ行って、きちんと動くターン・テーブルがあればラッキーな方だよ。もしターン・テーブルがあったとしても、ずいぶん長い間使われていないから、プレイ中に音が飛んでしまったりってこともあるんだ」
「最近 Danny Howells とプレイする機会があって、Danny がこんな話をしてくれたんだけど、最近彼がどこかのフェスティヴァルでプレイした時、なんと彼がそこでアナログを使ったはじめてのDJ だったらしいんだ。だから彼がセットを始まる直前まで、ターン・テーブルもセット・アップされていなくて、きちんとセットをスタート出来るまでにすごく時間がかかってしまったみたい。残念だけど、テクノロジーはここまで進んだって証拠だよね」
このような変化の直接的な原因となっているのは、インターネットの普及だとJohn は語る。デジタル・ダウンロードによって、アナログの力が弱まってきているのだと言う。
「現実的に考えれば、12 歳〜14 歳までの子供はアナログがどういうものなのか、知らないかもしれないんだ。もしかすると、CDさえも分からないかもしれない。彼らには、CDよりアナログを選ぶ理由なんてないのさ」
「ツアーをして世界中を回っていると、いろんなDJに会うんだ。例えばブエノス・アイレスなんかだと、彼らが Bedrock の12インチを買うのに、輸出コストとか、パッケージ代とか、いろんなものが重なって結局は 15 ドルも払うことになる。でも、Bedrock.org.uk のHP に行けば、同じトラックを1ポンドで買えるんだ。もし自分がそれほど名前の出ていないアップ・カミング DJ で、レコードに使えるお金がそんなに無いとしたら、20〜30トラックをダウンロードできるお金を、たった2〜3枚のレコードにつぎ込むかな?」
「経済的な面では、ダウンロード音源のみを使っている若いアーティストを非難することは出来ないよ。それにダウンロードならすぐにトラックをゲットできるしね。もちろんアナログをオーダーすることもできるけど、到着するのに何日かかかってしまう。ダウンロードなら、オンラインで音を聞けて、その場でゲットできて、その夜すぐにクラブでプレイ出来てしまうんだから」
"Layered Sounds 2" は Bedrock から発売中
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