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international news _ 2006.11.30

ロンドンのクラブが UK ガラージを全面禁止

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Terumi Tsuji

ロンドンのキングスクロスに位置するナイト・クラブ Scala は、UKガラージ絡みのパーティーを全面的に禁止する意向を表明した。今回の措置はお客の1人が同クラブで射殺されたことがきっかけだと伝えられている。

被害者の母親は、ドアスタッフのセキュリティー・チェックが十分でなかった為クラブ内に拳銃が持ち込まれたとし、クラブを告訴したが、カムデン特別区の Bob Dear 巡査部長は彼女の主張を却下した。巡査部長は地元の新聞でこのように語っている。

「 Scala は事件前から適切なセキュリティー・チェックを行ってましたし、それは事件発生後も変わっておりません。それどころか、あの忌々しい事件以来、クラブはUKガラージ関連のイベントを全て排除し、また危険だと思われるイベントの日にはセキュリティー・スタッフの数も増やしてるようです。彼らのセキュリティー対策は、ロンドンで1番だと言う声も良く聞かれます」

Scala における“UK ガラージ禁止令”は、かつてヨーロッパで一斉を風靡した UK ガラージ・グループ So Solid Crew の中心人物 Neutrino が、音楽とバイオレンスをリンクさせた事が切っ掛けだと見られている。 Neutrino はこういった批判に対し、 Observer 紙に次のように語っている。

「UK ガラージをプレイしてるクラブでは、確かにケンカやガン・ファイトが絶えないかもしれないけど、それはクラブの問題であって音楽が悪いんじゃないんだ。俺たちがソウルフルなガラージ・ミュージックをプレイしたところで、トラブルは起きるだろうね。みんな音楽を責めたがるけど、問題なのはそこにいる客さ。いつも敵に狙われている札付きのワルや、盗みを働こうと思ってる奴らのようにね」

このインタビューの2ヵ月後、 Neutrino はクラブの外で撃たれ重傷を負ったが、先週サウス・ロンドンのホクストンにあるバー The Jam の地下で銃殺された Arian Authur 22歳に比べると、ラッキーだったと言えるだろう。プレス・レポートによると、彼は土曜日の朝5時半頃殴り合いのケンカに巻き込まれ、その後腹部を撃たれ死亡したと伝えられている。

「道路監視カメラの映像から、容疑者の特定を急いでいます」と Scotto Wilson 検察部長は Standard 紙に語っている。

「この地区のクラブでは、こういった発砲事件は非常に珍しく、これは極めて稀なケースだと言えるでしょう」

被害者の母親 Wilma Francis 50歳は、 South London Press 紙に涙ながらにこう語る。

「どうやったらこんな酷い事ができるのでしょう?クラブに財布ではなく銃を持っていくなんて考えられません。息子は心ない人たちによって、命を奪われたのです。」

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