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Dave Clarke

international news _ 2006.08.22

イギリスのテロ未遂事件 ? DJ に与える影響は?

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Transkation by Kei Tajima (HigherFrequency)

先日イギリスで起こったテロ未遂事件で、航空機にほとんどの手荷物が持ち込めなくなったことで、ラップトップや CD を持って海外にツアーに出るイギリス人 DJ は、機材や音楽を飛行機に預けなければいけないというリスクを負うことになってしまった。

このような展開にはテクノ・スター Dave Clarke も怒りを爆発させ、英国の総理大臣Tony Blair に対し非難の声を浴びせた。

「警察がテロ計画を阻止したのはすばらしいと思うけど、こんな手荷物持込禁止令はあまりにも非現実的だよ。それに、僕らは Tony Blair の外交政策にも一役買ってるんだ」Dave はアムステルダムの Schipol Airport から Skrufff に語った。

「今僕らは外交的に逃げ場のない状況に追い詰められてしまった。同盟国の帝国主義的な夢に協力するべきじゃなかったんだ。確かに9月11日に起こったことは最悪だったし、僕らもアメリカと一緒に嘆き悲しんだよ。ただ、アフガニスタンの情勢は悪くなるばかりだし、イラクでも市民戦争が起きてる。それに、イスラエルとレバノンの間の状況は悪くなるばかりだしね」

「僕らには素晴しい大使 (Gordon Brown) がいるけど、非常にナイーヴなあのお方は彼の解釈する神のお導きによって政治をしてるようだね。彼は歴史に残るような政治をしたかったようだけど、今となってはもう遅いね」

「こんなに厳しい状況の中飛行機で旅することは出来ないよ」

「もし今後も禁止令が続くようなら、自分で飛行機を買って個人で操作することも考えるね。そして、不適当な外交政策を取ったことでイギリス政府に減税を求めるんだ」

預けた荷物がなかなか出てこないことが頻繁に続いた Dave は、レコード・バッグを機内に持ち込むことで一年のうち7〜10日にわたる時間を節約できることを見積もり、それからというもの荷物を機内に持ち込むことにしたと言う。

また、これから DJ が向かい合わなければならない大きなリスクと言えば、盗みである。’90年代のダンス・ミュージック業界では、空港でレコード・バッグが盗まれる事件が頻発したのだ。

「レコード・バッグは預けないよ。レコードも CD も10年以上預けてないね。荷物が出てこなかったらと思うと心配なんだ」Judge Jules は Skrufff に話した。

「DJ の間では荷物がなくなる “ブラック・ホール”として有名な空港がいくつかあってね。特にマドリッドはひどいよ」

テクノ・シーンのパイオニアであるイギリス人 DJ Jim Masters は、3年前、ブラジルへ向かう途中、持っていたすべてのレコードを盗まれてしまったと言う。

「マドリッド空港で、誰かが俺のレコードを全部盗みやがった。レコードを一つ一つ丁寧に抜き取って、バッグを閉めて、飛行機に乗せたんだ」’03年にメディアに公表した手紙の中で、Jim はこう記していた。

「察しの通り、サンパウロで羽のように軽いバッグを持ち上げた時のショックは相当のものだったよ」

ラップトップを持ち運ぶ DJ にも盗みに遭うリスクは、どの国でも同様に急増していると言えるだろう。


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