エレクトロ・ハウス・シーンを代表する Ali と Basti Schwarz の天才兄弟からなるユニットTiefschwarz (ティーフシュワルツ)。'９０年代後期からベルリンの Four Music、 Derrick Carter 率いる Classic などで活躍し、 Black Strobe リミックスを含めた'０３年のシングル 'Ghostrack' のヒットで一躍シーンのトップ・アーティストとして名乗り出た大人気ユニットだ。ここ数年では Cocoon Recordings のコンピレーション参加、 Underworld、 Rockers Hi-Fi (Great Stuff)、 Booka Shade (Get Physical Music) といった重要アーティスト作品のリミックス・ワークなどもこなし、その作品群は Nic Fanciulli、 DJ T.、 Andre Galluzzi などのミックスCDにも収録されるなど強力なリアクションを得ている。
また、今年は彼らのアーティスト活動１０周年であり、それを記念したコンピレーションCD "Black Musik" をリリース。世界中のシーンから新たな話題を呼び集めている彼らに HigherFrequency が再びインタビューをすることに成功し、同コンピレーションCD、'０６年にスタートしたセルフ・レーベル Souvenir、１０周年を記念したワールド・ツアーについてのエピソードなど、彼らの現状を中心に訊いた。
> Interview : Nick Lawrence (HigherFrequency) _ Translation : Ryo Tsutsui (HigherFrequency) _ Introduction : Masanori Matsuo (HigherFrequency)
HigherFrequency (HRFQ) : “Black Musik” のディスク１はバラエティに富んだ内容となっていますが、たった１８曲でお２人の音楽的な背景を表現するというのは難しくなかったですか？
Ali Schwarz : 最初、僕と Basti が二人で座ってどうしようか考えていたときはとても難しいと感じたけど、実際に作業を始めて、僕らにとってとてもパーソナルな作品を作りたいという意思が固まった後はすんなり進めることができたよ。 方向性について二人で何度か議論することはあったけど、それもせいぜい１時間ってとこでむしろとてもスムーズに進んだと言えるんじゃないかな？同じようにコンピレーションを手がけた人の中には収録曲を何にするか決めるのに４週間もかかったなんて話も聞くからね。
HRFQ : Tiefschwarz としてお二人で１０年以上音楽を作り続けられているわけですが、その中でもっとも思い出深い瞬間を教えてください。
Ali : いい思い出はたくさんあるよ。例えば DJ で、リオ・デ・ジャネイロの円錐形の会場で日の出にあわせてプレイしたときは、お客さんの盛り上がりもすごくてすばらしい瞬間だったな。同じように素敵な瞬間を２００回以上とか？沢山体験してきたけど、今頭に浮かんだのはそのリオの思い出かな。
HRFQ :“Black Musik” はご自身のレーベル Souvenir からの発売となりますね。このレーベルでは今のところ４タイトルリリースされたところですが、リリースする音楽やアーティストはどのようにして選ばれているんですか？
Ali : 僕らはこのレーベルを３人でやっていて、もちろん３人ともその音楽が好きだということが前提となるんだけど、基本的に A&R を担当しているのは僕と Basti で、オンラインで曲をもらったり、送られてくるものもあるし、クラブで直接手渡されることもある。その中でどのようなものを選ぶかについて特にルールがあるわけじゃないんだ。送られてきたものはすべて聴いてみて、何か感じるものがあって、とても好きだと思えて、プレイもできればサインするよ。
HRFQ : 最初のリリースはあなた方２人に Jochen Schmalbach が加わった３人組の Ichundu でしたね。兄弟のチームに新たに他のアーティストが加わるというのはどのような感じですか？
Ali : 僕らが会ったのはシュツットガルトで、曲を一緒に作ったときはすでに友達だったんだ。そして僕と Basti はちょうど新しく誰かと作業したいと思っていた時期だったんだけど、ちょうどその頃彼は同じ建物に住んでいて、一緒にしゃべっていたときにクラブ・ミュージックを作ってみようという話になったのさ。彼は普段はバンドでロックやポップをやっていたし、ホント偶然だったんだよね。
HRFQ : 今年、 Tiefschwarz の１０周年を記念するギグが東京でありました。そのときは Basti のみがプレイしましたが、それはただ単にスケジュールがいっぱい過ぎて、２人別々にいるしかしょうがなかったということなんでしょうか？
Ali : そうなんだ、時にはそういうこともあるんだよね。僕はそのとき南米にいたし、いい誘いが重なって２人同時にいけないこともあるんだ。
HRFQ : では最後の質問です。 Tiefschwarz として１０年がたったわけですが、今後の予定をお聞かせください。
Ali : もちろんレーベルに集中していくよ。今新しいシングルとリミックスを２つやっているんだ。それに来年には Tiefschwarz の新しいアルバムのための曲を制作していく予定だよ。ツアーが落ち着いた秋にはスタートするつもりさ。それに DJ Pierre の Strictly Rhythm のアンセムをリミックスする予定だし、僕らの曲をリミックスしてくれたお返しとして Turntable Rockers の曲もリミックスするんだ。
End of the interview
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インタビュー : Tiefschwarz Interview (2005/10/07)
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