HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Sleeparchive Interview

テクノ・ミュージックの聖地ベルリンが生んだ革命児 Sleeparchive。自らのレーベル Sleeparchive からは 'Elephant Island EP' を筆頭にハイクオリティなミニマル・トラックをリリースし、 Richie Hawtin のミックスCD "De9 Transitions" の中でも数曲使用されるなどしてその確かな才能を世界に知らしめた注目のニューカマーである。昨年10月には WOMB で Jeff Mills との共演もこなし、日本人からの熱いリアクションを得たことも記憶に新しい。

そんな今をときめくミニマル界のスターが、6月2日と3日に行われる野外フェス TAICOCLUB に出演することが決定。彼のストイックなサウンドが野外でどのように映えるのか、その期待すべきギグを目前とした Sleeparchive に HigherFrequency がインタビューを決行、ライブ・パフォーマンスでのスタンスや自身のレーベル Sleeparchive、さらには現代のミニマル・シーンについてなどを訊いた。

>Interview : Nick Lawrence (HigherFrequency) _ Translation : Kei Tajima (HigherFrequency) _ Introduction : Masanori Matsuo(HigherFrequency)

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HigherFrequency (HRFQ) : 昨年、Jeff Mills が毎年 WOMB で行っているレジデント・パーティーへのゲストとして来日されましたが、それをきっかけに新たな可能性が広がったと思われますか?

Sleeparchive : 僕にとって、Jeff Mills と共演出来たことはものすごく光栄なことだったよ。長い間彼の作品のファンだったし、当日のことを考えると緊張してしょうがなかった。それに、彼は素晴らしい人なんだ。すごくフレンドリーだし地に足がついてる。彼こそ僕に日本で一番最初にプレイする機会を与えてくれた人なんだ。素晴らしい経験だったよ!

HRFQ : 今年は野外で開催されるフェスティヴァル TAICOCLUB に出演されますが、プレイする環境によってセットは変わってくるのでしょうか? 

Sleeparchive : いいや、そうは思わないな。イベントが大きな都市で行われようが、森の中で行われようがあまり影響して来ないと思うよ。ただ、クラブでのセットとギャラリーみたいなところで座っているオーディエンスに対するセットは変わってくるけどね。TAICOCLUB の会場の写真を見たけど、すごくいい感じだね。自然の中でプレイ出来るのもすごく楽しみだし、ギグの合間に少しリラックスする時間が出来るといいなと思ってるよ。

HRFQ : セットの間は常に寡黙な印象がありますが、これは集中するためですか?それとも他に違った理由があるのでしょうか?

Sleeparchive : まず、集中するためだね。ただ、僕は素晴らしいエンターテイナーとか、パフォーマーっていうタイプではないんだ。僕はおとなしい人間だし、踊るより、静かに音楽を聴く方が好きでね。クラブに行っても、一晩中隅っこの方でビールを飲みながらただ音を聴いている…そういうタイプの人間なんだ。

HRFQ : あなたの楽曲は一貫してユニークで少しゾクッとするようなスタイルを持っていますが、これは意図的にされていることなのでしょうか?

Sleeparchive : いいや、実際に楽曲作りをしている時は、何かユニークなものを作ろうとは考えていないよ。好きな音楽を作っているだけさ。

Sleeparchive Interview


HigherFrequency (HRFQ) : これまで、ご自身のレーベル Sleeparchive からリリースされた楽曲はすべてあなたの作品であり、また、あなたも他のレーベルからオリジナル楽曲をリリースしたことがないようですね。自分の音楽には孤立した道を選ばせたいということなのでしょうか?

Sleeparchive : ‘Infared Glow’ という楽曲は、違うアーティストが作ったんだけど、このトラックを作った人が自分の名前を使いたがらなかったから、Sleepachive としてリリースしたんだ。だけど、君の言う通りで、レーベルのほとんどの楽曲が僕によって作られたものだし、これからも他の人の楽曲をリリースすることや、僕が他のレーベルでリリースすることはしないよ。Sleeparchive は僕自身の作品や、ごくたまに本当に近い友人の作品のみをリリースするレーベルなんだ。すべてをコントロール出来るから、自分で全部やった方がいいのさ。

HRFQ : また、あなたが他のアーティストのリミックスを手がけたことはあるものの、今まで、Sleeparchive の楽曲がリミックスされたことはないようです。リミックスに対して何かネガティヴな気持ちがあるのでしょうか?

Sleeparchive : いいや、特にないけど、僕自身リミックスにはあまり興味が無いんだ。正直、なぜリミックスというものが存在するのかあまり理解出来なくてね。でも、他の人々が好きならいいとは思うし、時には全く違う音を手がけるのも面白いんと思うよ。

HRFQ : 最近日本ではミニマルが徐々に大きな人気を集めて来ていますが、これは他の国でも同様なのでしょうか?

Sleeparchive : ドイツやヨーロッパではここ数年ものすごい人気だよ。この人気が今でも上り調子かどうかは分からないけどね。時々、来月には人気も下火になるんじゃないかって思う時もあれば、まだまだ人気があるって思う時もあるんだ。ただ、どのクラブでも人気があるっていうのは間違いないね。僕自身ミニマルにどっぷりハマってるってわけじゃないから、あまり言えないかもしれないけど。ただ、僕がベルリンで夜出かけるとしたら、ミニマルのパーティーよりダブステップのパーティーに行くだろうね。このシーンは確実に大きくなって来ていると思うよ。

End of the interview

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