適度にディープで惹き付けられるようなグルーヴと、その絶妙なミキシングから繰り出すハウス・サウンドによって今や世界中のオーディエンスを虜にしている Nic Fanciulli。昨年は、イギリスの名門 Renaissance よりミックスCDのリリース、さらに Underworld、 Tiefschwartz といった大御所のリミックス・ワークもこなすなどして、さらにトップ・アーティストへの階段を駆け上ることに成功した。
そんな今をときめくライジング・スターが‘06年の Womb カウントダウンに出演。その記念すべき初来日ギグを目前とした彼に HigherFrequency がインタビューを決行し、 Andy Chatterley のユニット Buick Project での活動や、自身のレーベル Saved Records、また彼のアーティストとしてのキャリアについてなどを聞いた。
> Interview : Nick Lawrence (HigherFrequency) _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency) _ Introduction by Masanori Matsuo (HigherFrequency)
HigherFrequency (HRFQ) : 現在までに数人の DJ が “The Mix Collection” や “The Masters Series” といったRenaissance のミックス CDに参加してきましたが、あなたは “Renaissance presents Nic Fanciulli” というご自身のシリーズをお持ちですよね。どんなお気持ちですか?
Nic Fanciulli : Sasha & Digweed や Danny Howells、(James) Zabiela といったDJと肩を並べてミックス CD シリーズをリリース出来るなんて素晴らしいよ。 Renaissance はミックスCDを初めて市場に売り込んだレーベルのうちの一つだし、成功してるしね。レーベルの人たちも仕事熱心で、一緒に働いていてすごく楽しいんだ。
HRFQ : Andy Chatterley のユニット Buick Project は、最近ライヴ・セットを行っているそうですが、いかがですか?
Nic Fanciulli : 大変の一言さ!ライヴをやるのがこんなに大変だとは思わなかったよ。でも楽しいし、努力の甲斐があるってものだね。ライヴはDJ とは違って、自分の心配だけすればいいってわけじゃなく、メンバー全員のことを考えなきゃならないんだ。でもその分、いいショーが出来たときの気分は最高だよ。2007年にはもっと積極的にライブをやっていくつもりなんだ。
HRFQ : また、あなた方は Saved Records というレーベルも運営されていますね。レーベルからリリースするアーティストを見つけるのは簡単でしたか?
Nic Fanciulli : そうだね。Saved はもともと Buick のシングルをリリースしていくためのレーベルだったんだ。でも、そんな中 James Talk や Audiofly、 Majik Johnson といったアーティストの素晴らしい楽曲に出逢い、リリースすることが出来た。僕らが常に心がけてるのは、ディープ・ハウス系からテクノ系まで、幅広いアーティスト・チョイスをすることなんだ。
HRFQ : あなたはクラブのマネージャーにデモテープを渡すことによって、Club Class のレジデント DJ の座を手にしたそうですが、ご自身はカミングアップ DJ のデモテープを積極的に受け取っていらっしゃいますか?
Nic Fanciulli : Club Class のイベントには、常にカミングアップ DJ のためのスペースが用意されているんだ。だから僕たちも常にサポートするようにはしているよ。ただ、その後は彼ら自身がどうやって自分の実力を見せていくかにかかっていると思うけどね。
HRFQ : 前述のように、あなたのレジデンシーはデモテープによってスタートしました。では、アーティストとしてのキャリアはどうでしょうか?あなたを成功へと導いたものは何だったのですか?
Nic Fanciulli : 今と7〜8年前じゃ状況が少し違うと思うんだ。昔はプロデュースしなくても DJ だけで有名になれたからね。これから世界を飛び回るような DJ になりたいなら、楽曲を作ることがすごく重要だと思う。自分のレコードがプレイされれば名前も広まるし、周りもさらに手厚くサポートしてくれるしね。
HRFQ : Skylark のメンバーとして、Tears for Fears をリミックスされましたよね。このリミックスをすることになった経緯を教えてください。彼らのファンなのですか?それとも完全に仕事として割り切ってやったのでしょうか?
Nic Fanciulli : 運が良かっただけさ!5年前、マイアミのWMC の前に作って、Deep Dish と Pete Tong に渡したんだ。本当は野外用にお遊びでミックスを作ったつもりだったんだけど、レーベル側が気に入って、リリースしたいと言って来てね。僕自身はちょっとダサいかもしれないと思ってたから、最初は心配してたんだけど、結構気に入ってくれる人が多かったからリリースしたんだ。
HRFQ : NYE は東京の Womb でプレイされますね。日本はこれが初めてですか?
Nic Fanciulli :日本は初めてなんだ。だから今回のギグに関しては、今年やったどのギグよりも楽しみにしてるよ
End of the interview
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リリース : Nic Fanciulli / Renaissance Presents... Nic Fanciulli vol. 2 (2006/11/05)
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