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Takkyu Ishino

TAKKYU ISHINO - タッキュウ・イシノ -

スタイル : テクノ
出身地 : 日本
関連レーベル : Ki/oon Records
所有 レーベル : Loopa Recordings, Platik
オフィシャル・サイト : www.takkyuishino.com

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世界的に活躍している日本人 DJ は数いれど、日本のオーバーグラウンド・シーンにまでも広くその名が知られているアーティストと言えば、石野卓球以外には見当たらない。’90年にピエール瀧らと共に結成したテクノ・ユニット、電気グルーヴでメジャー・デビューした彼は、’94年にリリースしたシングル ‘N.O.’ などのヒットにより、瞬く間にお茶の間レベルでのポピュラリティーを獲得。そして、’95年にリリースした初のソロ・アルバム “Dove Loves Dub” では、ブルース・リーの声をサンプリングするなどして電気グルーヴ的なユーモアのセンスを残しつつも、ダークで緊張感溢れるサウンドを同時に展開し、ソロとしてはシリアスなテクノ・アーティストとしての側面も世間に強くアピールしてみせた。

その後、電気グルーヴとソロでの活動を平行して行ってきた卓球であるが、’97年にはそういった同時進行的な活動の集大成とも言えるアルバム “A” を電気グルーヴ名義で世に送り出し、世間に強い衝撃を与えた。これまでの電気グルーヴでは考えられないほどオリジナリティに溢れて深みを増したサウンドと、ただ面白いだけではない批評的な鋭さに磨きがかかった歌詞とが渾然一体となって生み出す強烈なインパクトを持った楽曲の数々は、彼らがただコミカルなテクノを送り出していくだけのユニットでないことをきっぱりと示したのである。

‘98年にはドイツはベルリンで開催されている世界最大級のテクノ・フェスティバル Love Parade にソロとして出演。また、同年にはドイツのビッグ・ネーム West Bam とのユニット TakBam を結成するなど、この時期から世界レベルでの活躍の機会が一気に増えていくことになる。 そして、そういった海外での活動で得たネットワークとリアルな現場感覚を日本のクラブ・シーンにもフィードバックするべく、’99年より自身の主催による日本最大級の屋内レイヴ・フェスティバル WIRE をスタート。これまでに Jeff Mills 、Josh Wink、DJ Hell、Alter Ego などといった錚々たるメンバーを招聘してきた同フェスティバルは、日本におけるテクノ・フェスティバルのパイオニアとして強い存在感を示し続けており、今もなお高い人気を誇っている。

‘00年に、電気グルーヴ名義でアルバム “Voxx” をリリースすると、ほぼ同時期に電気グルーヴとしての活動休止を宣言する。卓球のソロに負けないほど強靭なテクノ・トラックと、いつになく情緒的な歌詞やアレンジが詰め込まれている作品の内容からも、実質的な解散宣言と当時は見られていたが、その後 WIRE への出演を中心に年1,2回ペースでライブ活動を続けており、よりエンタテイメント性が増した唯一無二のパフォーマンスで常にファンを喜ばせている。

そして、ソロとしては ‘03年より渋谷の人気クラブ Womb にてレジデント・パーティー Sterne を開始。そして同年のうちには、そのパーティーでライブ録音されたミックス CD “IN THE BOX〜Live at WOMB Tokyo〜”をリリースする。また翌 ‘04年には、約3年ぶりとなるニュー・アルバム ”TITLE♯1” と ”TITLE♯2+♯3” を2ヶ月連続で送り出し、ジャーマン・テクノからの強い影響を感じさせるダークかつストイックなトラックの数々を披露した。

‘05年には、エレクトロ・ハウスの流れも取り入れた通算4作目となるミックス CD “A Pack To The Future” をリリース。そして、翌 ‘06年には Tokyo No.1 Soul Set の川辺ヒロシとユニット InK を結成し、オリジナル・アルバム “C-46” を発表している。また、そういった活動と並行する形で、 WIRE 06 にはミニマル/クリックの帝王 Richie Hawtin や、ドイツが誇るアシッド / エレクトロの奇才 Alter Ego、そしてジャーマン・ニューウェイヴ・シーンのアンダーグランド・ヒーロー Nitzer Ebb などの招聘もしており、日本のポップ・マーケットから世界のクラブ・シーンまでを視野に入れた幅広い活躍ぶりを見せている。そんな彼の全方位的に発揮されている怒涛の勢いは、デビューから10年以上が経った今もとどまることを知らない。(Yoshiharu Kobayashi ; HigherFrequency)